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加湿器には4つの方式、どう選ぶ? おすすめ機種と、正しいお手入れ方法まとめ

この冬は特に注意したい加湿の大切さ。加湿器には4つの方式

コロナ禍で、初めて本格的な乾燥シーズンを迎える。これまでよりも、体調や健康に気をつけたいと考えている人は多いだろう。

そこで改めて注目されているのが、加湿器だ。新型コロナウイルス自体を加湿器で防げずとも、室内を適切な湿度に保つことで、風邪のウイルスやインフルエンザウイルスなどが空気中で浮遊するのを抑えられるといわれている。

理化学研究所が10月13日に発表した内容によると、ウイルスの飛沫飛散における湿度の影響について、スーパーコンピューター「富岳」を用いたシミュレーション結果(オフィスで正面に座った人の咳を想定)において「湿度が低くなると、机に落下する飛沫の量が減り、エアロゾル化して空中に浮遊する飛沫の量が増える。特に湿度が30%より小さくなるとその効果は顕著であり、冬場は加湿器等による湿度コントロールとともに、エアロゾルに対する対策(換気等)を強化する必要がある」と加湿の重要性をまとめている(坪倉誠氏の講演内容/PDF)。

実際、2020年春には、加湿器の需要が大幅増となった。これも新型コロナの影響によると分析されている。

そんな加湿器は、大きく4つの方式に分かれている。

沸騰させた際の蒸気で加湿する「スチーム式」、フィルターで吸い上げた水を蒸発させる「気化式」、内蔵ヒーターで気化式フィルターに風を送る「ハイブリッド式」、超音波振動で水をミスト状にして室内に放出する「超音波式」の4方式だ。

いずれも細菌が繁殖しやすい「水」を使うことは共通しており、こまめなメンテナンスが求められる。

水タンクや気化フィルターなどの清掃を怠ると、カビなどの雑菌が繁殖し、室内に放出される危険もある。その場合、体調管理のために使い始めた加湿器が、逆に体調を崩す原因にもなりかねない。

そこで今回は、各方式のメリットとデメリットと合わせ、加湿器を利用するうえで覚えておきたい、お手入れ方法を解説する。また、各方式から、雑菌などの対策が取られているおすすめモデルを紹介する。

蒸気で加湿、清潔に保ちやすい「スチーム式」

電気ポットのように水を沸騰させ、その蒸気で室内を加湿するのが「スチーム式」。水を一度沸かすため、雑菌を空気中に放出する危険性が低いのが特徴。

一方で、吹出し口が熱くなるのも特徴。沸騰後に温度を下げてから加湿するモデルも多いが、小さな子供やペットのいる家庭では、設置場所に気を付けたい。また、強力に加湿できるが、加湿しすぎると壁などが結露し、カビを発生させる一因になりやすい点も注意したい。

【スチーム式のお手入れ方法】

・タンクの水を毎日交換する(残り湯が冷めていることを確認)
・洗った後は、タンク内を布で拭くなどして乾燥させる
・定期的に吹出し口を水洗いし乾燥させる

【スチーム式のおすすめモデル】

象印マホービンの「スチーム式加湿器 EE-DB50」

大容量の4Lタンクを採用した象印マホービンの「スチーム式加湿器 EE-DB50」。「強」コースの運転で約8時間の連続加湿が可能。これは日本人の平均睡眠時間(7時間22分)を上回り、給水の手間なく一晩中加湿できる。適用床面積は、木造和室で~8畳、プレハブ洋室で~13畳。

1時間あたりの定格加湿能力は480ml。連続加湿時間は、強/中/弱の順で8/16/32時間。自動加湿は「しっかり/標準/ひかえめ」の3段階で設定可能。入タイマーは4/6/8時間、切タイマーは1/2/4時間にそれぞれ設定可能。

一度沸騰させた水を、65℃まで冷まして吹き出し口から加湿。フッ素加工の広口容器により、内部の汚れなどを拭き取りやすく、清潔性を保ちやすくしている。またクエン酸洗浄にも対応する。

広口容器なので水の給水がしやすい。洗いやすく、清潔性も保ちやすい

本体サイズは、約240×275×365mm(幅×奥行き×高さ)で、重量は約2.8kg。消費電力は、湯沸かし立ち上げ時が985W、加湿時が410W。運転音は34dB。コード長は1.2m。

水を加熱せず省電力な「気化式」

水を浸透させたフィルターにファンで風を当てて、気化させながら加湿するのが「気化式」。濡れた衣類に室内で風を当てると衣類が乾いて空気が加湿されるのと同様の仕組みだ。スチーム式とは異なり水を加熱しないため、吹出し口が高温になることがない。またヒーターを使わないので、消費電力を抑えられる。

一方で、常に気化(加湿)フィルターが濡れているため、フィルターに雑菌が発生しやすい。そのため、頻繁にフィルターを掃除する必要がある。

【気化式のお手入れ方法】

・こまめにタンクの水を交換し、タンク内部を水洗いする
・トレイと気化(加湿)フィルターを水洗いして、よく乾燥させる
・定期的に吸気グリルのホコリを掃除機などで吸い取る

【気化式のおすすめモデル】

ヒーターレス気化式加湿機「FE-KXT07」

省電力のDCモーターを採用したパナソニックの「ヒーターレス気化式加湿機 FE-KXT07」。同社の独自イオン「ナノイー」を発生させることで、加湿のみの場合よりも肌の水分量や、肌のうるおいスピードをアップできるという。

運転モードは、ファンを高速回転させて加湿スピードを上げる「お急ぎモード」や、運転音を15dBに抑えた「静かモード」を備える。

また、「フィルター清潔モード」を搭載。運転を停止している間に、加湿フィルター部にナノイーを充満させて清潔に保つという。加湿フィルターは月に1回、水やぬるま湯で押し洗いするだけで、約10年交換が不要。

本体サイズは、375×186×375mm(幅×奥行き×高さ)。重さは約5.2kg。タンク容量は約4.2L。定格加湿能力は最大800ml/時。

「ナノイー」を加湿フィルターに充満させ、加湿フィルターを清潔に保つ「フィルター清潔モード」を搭載する

2方式のいいとこどり「ハイブリッド式」

一般的に、水を含んだフィルターに風をあてる「気化式」と、ヒーターで温めた風をあてる「温風気化式」を組み合わせた加湿器を指して「ハイブリッド式」ということが多い。湿度が低く急速に加湿する場合は、フィルターで吸い上げた水を内蔵ヒーターで温めて送風する。設定湿度に近づいたら、ヒーターを切って気化式とする。「気化式」のみの加湿器よりも効率よく加湿できるのが特徴。

常にフィルターが濡れているため、フィルターの雑菌発生に注意したい。対策としては、頻繁にフィルターを掃除すると安心できるだろう。

なお、「気化式+温風気化式」ではなく、「超音波式」にヒーターを内蔵させたモデルも「ハイブリッド式」と呼ばれている。

【ハイブリッド式のお手入れ方法】(気化式+温風気化式)
・こまめにタンクの水を交換し、タンク内部を水洗いする
・トレイと気化フィルターを水洗いして、よく乾燥させる
・定期的に吸気グリルのホコリを掃除機などで吸い取る

【ハイブリッド式のおすすめモデル】

ダイニチの「ハイブリッド式加湿器 LXシリーズ」

手入れをラクにする使い捨てトレイカバーや高い加湿能力を備えたダイニチの「ハイブリッド式加湿器 LXシリーズ」

トレイには使い捨ての「カンタン取替えトイレカバー」を装着できる。1シーズンを目安に、新しいカバー(別売)に取り替えるだけで、洗うことなくトレイをキレイに使い続けられるのが特徴。また、トレイ自体も抗菌加工が施されている。

「Ag+抗菌アタッチメントEX」を付属。タンクキャップに装着したアタッチメントから水中に抗菌成分が溶け出し、タンク内の雑菌の繁殖を抑えるという。そのほか気化フィルターやエアフィルターにも抗菌加工が施され、雑菌の繁殖を抑える。

就寝時の使用を想定した「おやすみ快適」機能を搭載。眠りにつくまでの1時間は最小運転音で運転して静かさを優先し、その後は好みの設定湿度に合わせた加湿運転でうるおいをキープする。

ラインナップは、適用床面積が33畳までの「HD-LX1220」、27畳までの「HD-LX1020」の2モデル。本体カラーは、サンドホワイトとモスグレーの2色。

HD-LX1220/HD-LX1020ともに本体サイズは390×245×405mm(幅×奥行き×高さ)で、重さは約6.4kg。運転モードは、「標準」「静音/おやすみ快適」「eco」「のど・肌」「ターボ」。タンク容量は7.0L。

トレイ、フィルターやエアフィルターなど様々なパーツに抗菌加工が施されている

手頃で小型モデルも多い「超音波式」

毎秒2万回以上で振動する超音波ユニットが水を振動させ、細かい粒子にして放出するのが「超音波式」加湿器。最も手軽に購入できるのが特徴で、USB充電式など、持ち運んで使えるコンパクトなモデルや、本体デザインがユニークなモデルも多い。

タンクに入っている水をそのまま放出するため、水に雑菌が混じっている場合は、雑菌も一緒に部屋に撒き散らす恐れもある。そのため、最もメンテナンスに気を配るべき方式と言える。そこで最近は除菌や抗菌対策を強化したモデルも多く、注目されている。

【超音波式のお手入れ方法】

・タンクの水を、必ず毎日交換する
・タンクに水道水を半分程度入れて振り洗いする
・抗菌カートリッジなどがあるモデルでは、週に1〜2回、水洗いして水気をよく拭き取る
・超音波振動子の表面の汚れを、柔らかいブラシで軽く落として布で拭き取る

【超音波式のおすすめモデル】

リズム「コンパクト加湿器 MIST100 9YY017SR」

日本製の振動子を採用し、約3.5μmの細かなミストを噴霧する、リズムの超音波加湿器「コンパクト加湿器 MIST100 9YY017SR」。シルクのようにやわらかな肌触りの霧を実現したという。水タンク容量は約400ml。電源はACアダプタ経由で動作。

運転モードは「強/中/弱」を用意。1時間当たりの加湿量は順に約100/約50/約20ml。連続加湿時間は順に約4/約8/約20時間。このほかリズム運転モードも備える。アロマポケットを備え、好みのアロマオイルを使用して加湿しながら香りを楽しめる。

水を取り込む流路内に「銀系無機抗菌剤入りカートリッジ」を搭載し、細菌の繁殖を抑制するという抗菌仕様。

本体サイズは、90×90×197mm(幅×奥行き×高さ)。重量は約400g。電源コード長は約1.8m。AC電源アダプター、アロマスポンジが付属する。本体カラーは白、ダークグレーの2色。

搭載する「銀系無機抗菌剤入りカートリッジ」が、微生物の繁殖を抑制する

河原塚 英信