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プロに聞いた冷蔵庫整理術! すぐ見つかる、パッと戻せる収納の仕組み

詰め込みすぎ、重ねすぎで、どこに何があるかわからないという問題だらけの筆者の冷蔵庫

みなさんは冷蔵庫を上手に整理し、清潔に保てていますか? 手が届きにくい上のほうや奥のほうに、ミイラ化した野菜、いつ開けたかわからない瓶詰め、賞味期限がとっくに切れた食材が潜んでいないでしょうか。

これはまさに筆者のこと。冷蔵庫整理が苦手で、買ってきたものを空いている隙間にポンポンと放り込むため、中にあったものがどんどん奥に入り込むし、在庫が管理できずに、あると思っていたものがなかったり、ないと思って二重買いしたり、実に非効率的。フードロスの大きな原因にもなっています。

そこで今回は、整理収納アドバイザーとして活躍する丸マイさんにオンライン取材し、筆者の冷蔵庫の写真を見ていただきながら、きれいが続く整理術を教えてもらいました。なお、ビフォー写真とアフター写真の食材は入れ替わっていますのでご了承ください。

丸マイさん

丸マイさん

整理収納アドバイザー、クリンネスト(お掃除スペシャリスト)講師。個人宅の整理収納サービス「mawaru暮らし」主宰。片づけ苦手主婦だった自身の経験から、楽に片づく収納提案を行なっている。ほかにも、子供からシニアまで幅広い層へ片づけや掃除の楽しさを伝える講師としても活動中。

丸マイさん流・冷蔵庫整理5つのポイント

アドバイスいただく際、筆者が恐れていたのは「買い物したら、きれいに収納しましょう」「小分けして冷凍しましょう」といった、“丁寧な暮らし”を求められること。頭の中ではわかっていても、それができないから苦労しているのです。

ところが丸マイさんからいただいた提案は、まさに目から鱗の連続! これなら筆者でも実践できそうだし、続けられそう、と希望が湧くものでした。今回、冷蔵庫を見たうえでいただいたアドバイスは、大きく5つのポイントにまとめられます。

冷蔵庫整理のポイント

1.扉や引き出しの収納は、見やすいようできるだけ立てて収納
寝かせてしまうと、上から積み重なり、下になったものの存在を忘れてしまう

2.100均アイテムを賢く使って定位置を確保
使ったものを元に戻すためには、定位置を決めるのが大切。収納するものに合わせた100均の冷蔵庫収納アイテムを使うと、常に置き場所が確保される。なおアイテム購入の際は、入れたい場所のサイズを測り、ちょうどいいサイズのものを

3.取りにくい場所には、あえてよく使うものを置く
毎日必ず食べるものなら、多少取りにくい場所に置いても忘れない。忘れやすいのはむしろ、ふだんあまり食べないもの

4.常に空きスペースを確保しておく
鍋ごと冷やしたいときや、まとめ買いしたときにもスムーズにしまえるよう、何も置かない場所を確保

5.お手入れしなくても清潔に保てる工夫を
庫内に食材を直接置かない、下にキッチンペーパーなどを敷いておくことで、汚れてもすぐにお手入れできる

さっそく、冷蔵庫の部屋ごとにアドバイスをもらい、それに従って実践しました。その前に行なうべきは、庫内の賞味期限切れ食材のチェックと廃棄です。

「特に要注意なのが調味料ですね。調味料は一度開けても、なかなかなくなりませんが、物によっては賞味期限が短く、マヨネーズやドレッシングは冷蔵庫でも1カ月しか持ちません。またジャムも、糖度が低いものは2週間しか持たないんですよ」(丸マイさん、以下同)

そこで調味料を含め、冷蔵庫の中ですでに食べられなくなっているものを洗い出してみたところ、大変な量に!

「特殊な調味料は使い切れないことも多いので、逆にレシピサイトなどで、その調味料を活かせるレシピを見つけてみてもいいですね」

使いかけの調味料のほか、賞味期限を大幅に過ぎた豆腐やうどん、さら冷凍庫からは、高かった米麹やダイエット用の高級バターが出てきました。自己嫌悪……

扉収納は、頻繁に開ける側に頻繁に使うものを

まずはフレンチドアの収納からチェックしてもらいました。

ビフォー。どこに何をしまうか明確に決まっておらず、いつもぎゅうぎゅう詰めのドア収納

「フレンチドアはどちらに何を入れたか覚えていないと、まず片方を開け、なかったらもう片方を開ける、と二度手間になりますよね。またドア1枚ごとの幅が狭いので、ものの大きさによっては、中途半端にスペースが足りなくなる場合もあります」

それを使いやすくするために、よく出し入れするものは開けやすい側(我が家の場合は右)に、たまにしか使わないものは幅も狭い左側に入れるなど、置き場所を決めるといいとのこと。さらに段ごとに「飲み物」「調味料」などグループ化し、使ったらそこに戻せるよう、収納小物を使うといいそうです。

「この冷蔵庫の問題点は、右側中段、下段の裏に、調味料が横倒しに積み重なっていることです。これでは何が入っているか見えず、使い忘れも起こります。一番上には、乾物が入っているようですが、これ手探りで探していませんか? また調味料の小袋もあるようですが、使うことはあまりないのでは?」

すべてお見通しの丸マイさん。さっそく、アドバイスをもとに整理しました。

主に使う右側には、飲み物や調味料を整理して収納。左側には、あまり使わないものと、アルコール類を置きました

特に工夫したのは右側です。ポイントは以下のとおり。

ドアの整理ポイント

【下段】
・前後を飲み物コーナーとし、基本的には右側を開ければ飲み物がある状態に
・麦茶と牛乳の間に仕切りを設け、麦茶置き場を確保

【中段】
・調味料コーナーに。チューブタイプの調味料は、100均で調味料フックを購入
・マヨネーズ、ケチャップは逆さまに収納できるアイテムで、残量も一目瞭然

【上段】
・乾物類は、別のボックスに入れて棚の上へ。調味料の小袋は廃棄
・よく使う片栗粉と小麦粉を容器に移し、都度袋を開ける手間を省く

仕切りをつけることで、麦茶スペースが侵食されることなく、元に戻せます
チューブをぶら下げると取りやすいだけでなく、ほかの調味料の置き場所も確保できました
毎回袋を開けると粉が飛び散る小麦粉、片栗粉は別容器に入れると便利

頻繁に食べるものはあえて取りにくい場所に

続いて棚板部分をチェックしてもらいました。

ビフォー。空いたスペースに次々と入れて、どこに何があるかわからない状態
アフター。期限切れのものを捨て、ボックスに入れて整理したら、スペースにゆとりも生まれました

「置き場所が決まっていないので、ヨーグルト、飲み物、卵、豆腐、納豆があちこちに詰め込まれていますね。これは、家族の方が探すときに苦労しそう。奥の方に、もう食べられない食材がありそうですね(笑)。まず飲み物は扉に移動させましょう」

「そしてヨーグルトは毎日食べるなら、少し手に取りにくい一番上にコーナーを作っちゃいましょう。一般的に、よく使うものは手に取りやすい場所に置く、という法則がありますが、私自身いろいろ試した結果、忘れないものは多少見にくい場所でも大丈夫、という結論にたどり着きました」

丸マイさんのアドバイスを元に整理したポイントはこちらです。

棚の整理ポイント
  • 頻繁に食べるヨーグルトは、あえて一番上の取りにくい場所に
  • 乾物、粉類のほか、一緒に使う食材をセットにしておけば、調理時にもまとめて出せて便利
  • 卵置き場は固定観念にとらわれず、背が高いものが置きにくい場所を有効活用
  • スペースにゆとりができれば、鍋をそのまま入れられる
一番上に薄型のトレイを置いて、ヨーグルトコーナーに。高い場所でもヨーグルトなら難なく取れます
和食セット、洋食セットなど、一緒に使うことが多いもの同士をグループ化
常にスペースが空いていれば、鍋を入れるためにわざわざスペースを作る手間なし!

冷凍食品は、ブックエンドで立てて収納

冷凍庫は、深い引き出し部分と浅いトレイ部分に分かれていますが、次々詰め込んでいるため、下のほうに何があるかわからない状態です。

「見たところアイスが多いので、アイスコーナーを作るといいですね。わが家では夏は、小さい引き出しをまるまる1つアイスコーナーにしていますが、トレイを活用してもいいと思います」

「また袋物の冷凍食品は、立てて収納すれば、下に沈んで忘れられるものが出ません。使いかけのものは浅いトレイに置き、早めに使い切るようにするといいですね。保冷剤も溜まりがちですが、必要なぶんだけ残して捨てましょう」

下段部分のビフォー写真。これまでも一応スペースを分けていたつもりですが、どんなものがあるか把握しづらいです
アフター。冷凍食品はほとんど、立てて収納することができました。100均のブックエンドが大活躍です
つい保冷剤を溜め込んでしまうトレイ部分
アフター。100均のトレイをアイスコーナーとし、冷凍ご飯や使いかけの冷凍食品を下段から上に移動させました

野菜は紙袋×ダブルクリップで、庫内を汚さず立てて収納

実をいうと筆者がもっともフードロスを出してしまうのが、野菜です。買ったものを次々放り込んでしまうため、葉野菜をダメにしてしまうことが多いのです。

「野菜室の収納でおすすめしたいのが、紙袋の活用です。同じ放り込むにしても、種類ごとに分けて立てて収納できるので、下に沈んでしまう確率が減らせます。また野菜室は、玉ねぎの皮やじゃがいもの泥などで汚れやすいですが、紙袋ならそのまま捨てられますよね」

作り方は、紙袋の口を内側に2回折るだけ。2~3袋をダブルクリップで留めれば安定して自立するそうです。

ビフォー。野菜の居場所が決まっておらず、使うときに探さなければいけません
アフター。紙袋でざっくり分類することで、どこに何があるか一目瞭然!
ダブルクリップでお互いを留めると、紙袋とは思えない安定感に

システムを作っておけば、ざっくり収納でも整理できる!

丸マイさんのアドバイスを元に整理したところ、驚くほど見やすく使いやすい冷蔵庫に生まれ変わりました。

すっきり整理されたことで、庫内がワントーン明るく見え、見ていても気持ちがいいです

特に筆者の場合、調味料を使うことが多いので、それが一発で探せるようになり、家事効率もアップ。また100均のボックスやトレイ、紙袋を使えば、多少モノを詰め込んでも中身が見やすく、手が届かない場所でしなびていく、ということもありません。

またお手入れしやすくなったのも、筆者にとっては大きなポイント。今までは、棚に常にものがあるので、汚れても掃除する気になれませんでしたが、ボックスやトレイを活用すると、棚自体は汚れないし、汚れたボックスやトレイだけ洗えばいいのですから。

「冷蔵庫の近くに、隙間に溜まったゴミが払えるブラシを用意しておけば、気づいたときにサッとお手入れできますよ」。丸マイさんは、庫内にフックを設置し、ブラシをかけているそうです

何よりうれしいのが、出したものをきちんと元に戻せるようになったこと。最初にシステムを作っておけば、こんなに整理が楽になるんですね。庫内整理に悩んでいるみなさんもぜひ、丸マイさんの冷蔵庫整理術を実践してみてください。

田中 真紀子

家電を生活者目線で分析、執筆やメディア出演を行なう白物・美容家電ライター。日常生活でも常に最新家電を使用し、そのレビューを発信している。専門家として取材やメーカーのコンサルタントに応じることも多数。夫、息子(中学生)、犬(チワプ―)の3人と1匹暮らし。