あってよかった

ダイソーで買った3つの役立ちグッズで「大掃除の圧」も怖くない!?

くらしを快適にしてくれるアイテム探しに余念がない住生活ジャーナリスト・ライターの藤原千秋が、注目のショップで買って使ってよかったお気に入りを紹介するコーナーです (店頭では予告なく販売終了となることもあります)
換気扇などをまとめて洗える「つけ置き洗い袋」

10月が終わり、街中や100円ショップの入り口コーナーが「黒+オレンジ」のハロウィン仕様から「赤+緑」のクリスマス、ないしは「赤+白」のお正月仕様に切り替わった頃から、筆者は何か追われるような切迫感に襲われる。

「やばい、今年が終わる」と思う。毎年訪れる年末プレッシャー。

その中身の1つはお歳暮や年賀状だが、実は近年あまりまじめに取り組んでおらず、時流的にも謎に許されている感がある。もう1つは年明けから始まる確定申告だがこれも近年外注しているので、もうあまりやっていない。

だが残る一つ……大掃除……が、どうもしつこく、じわじわ来る。

これも実はもう暮れには大物はほとんど手をつけず、GWに行なっている。にも関わらず、だ。

寒いので湯沸かしコストが高く汚れも物理的に落ちにくい冬はあまり大掃除に適したシーズンではないから、という合理的な言い訳は盾にできる。

なのに「暮れの大掃除」と聞く折々に、チクチクと筆者の心は痛んでしまうのだった。

なんとなく「大掃除」っぽいことをしなければ新年を迎えられないという思い。圧。誰に監督されているわけでもないのに不可解なものだ。

……と、そんな風に「暮れの大掃除」をすっかり慣用句化、内面化してしまっている筆者のような諸賢にお勧めしつつ、今年の筆者が使いたいと思った「100円+消費税」のポテンシャル高き知る人ぞ知る「ダイソー」の掃除グッズを、今回はご紹介したいと思う。

シンクを大きなバケツ代わりに!「つけ置き洗い袋」

筆者は過去20年に渡り数多のメディアでの大掃除企画に携わってきたのだが、昔も今も大掃除といえば「キッチンの換気扇」を掃除したいと答える人が多数を占める。日々の調理に携わる人が多忙のため見て見ぬ振りしている換気扇の汚れに見下ろされ続けていることに対しての贖罪意識のなせるわざなのだろうか。家事シェアの叫ばれる昨今である。食事を作る人と換気扇掃除をする人が違ってもいいと思うのだが、現実はなかなかままならないのだろうか。

ともあれ、率直に言って暮れのような真冬に換気扇掃除をするのは全く得策ではない。気温が低いと油汚れは固まってしまうので落とすのに手間がかかるからだ。換気扇掃除は気温の高いうちにするほうが、とにかく合理的なのだ。だがしかしどうしてもどうしても暮れの大掃除で換気扇掃除をしたい人に、ぜひ使っていただきたいのがこの「つけ置き洗い袋 5枚入」だ。

つけ置き洗い袋 5枚入の使用方法

汚れを溜めた換気扇の掃除には湯に溶かした過炭酸ナトリウム(水溶液)に漬け込むプロセスが大変有効なのだが、これをやると漬け込んだ洗い桶やらバケツやら、ろくでもない量の油が付着してしまい、そちらの処理にも手こずるはめになる。

そこでシンクの排水口を塞ぎ、その上にこの「つけ置き洗い袋」を広げて、そこにお湯を溜めて過炭酸ナトリウムなどを溶かしたところに外した換気扇やグリスフィルター、あとまあコンロの五徳といった大物を漬け込もう。そうするだけでシンクの汚染が劇的に減る。汚れ水は排水口位置で袋に穴を穿てば勝手に出て行く。あとはいい塩梅につけ置き袋を回収すれば良い。

5枚も入っているので、袋の傷から穴が開くのが心配なら2枚使ってもいいだろう。ぜひ、豪勢に!

汚れをゆるめてから落とせる、スクラブ加工のウェットシート

さて大物の換気扇を斯様に掃除してしまうと、換気扇のみならず周囲のレンジフードやコンロ周りの壁面、コンロ面などまでも掃除したくなるのは心の道理である。いかに冬は油汚れ掃除に適していないと言われても心情的におさまらないだろう。

そこで活躍するのがこのウェットシートである。レーヨンとポリエチレンが半々に混紡されている不織布で片面にスクラブ加工がなされているのが15枚も入っている。ただしみ込んでいる水分には洗浄性はあまりないので、手近な食器用洗剤や住居用洗剤などを併用するといい。

オレンジの香り スクラブ加工 ウェットシート

ウェットシートのいいところは汚れのひどい部分にサッと取り出してほんの2、3分そっと被せておくだけでも汚れがゆるみ、落としやすくなる点だ。そこに1滴2滴の食器用洗剤を加えてゴシゴシやり、シートが汚れたら捨てればいいという手軽さもその大きな利点と言える。ウェットシートは乾いてしまうと形無しだ。大掃除なので景気よく使い切ってしまおう。

“時間稼ぎ”は大事。カビ汚れ防止マスキングテープ

換気扇やコンロといった油汚れメインの箇所に次いで、ほんとはあんまり冬にやる必要はない(真冬の掃除には適さない)ものにお風呂場などのカビ掃除があるのだが、ここも「ぜひとも暮れにこそやりたい」と挙げられる典型的な掃除箇所だったりする。

まあ確かに梅雨や夏に比べれば、次亜塩素酸ナトリウムを主成分としたカビ取り剤でカビ掃除をしたあとの持ちはいいので(気温が低めなのでカビの再発生スピードは遅い)やりたいならやるべきである。

でもそんな風に、わざわざせっかく頑張ってカビを落とした箇所にまたカビが生えるとガッカリするものだ。家庭の掃除はことごとく諸行無常な側面があるが、そういう無常感を少し減らせるグッズがこの「カビ汚れ防止マスキングテープ」といえるだろう。

カビ汚れ防止マスキングテープ

これ自体がカビを殺したり減らす効果があるわけではないが、浴室ドア枠と浴室の隙間のパッキン部分とか、浴槽と壁の隙間のパッキン部分とか、あとは室内でも窓周りのパッキン部分などにカビが生えやすい場合には、カビ取りをしたあとにこのテープを張り込んでおく。

そして以後、そこが汚れたらテープの張り替えで対処する。

形あるものは少しずつ朽ちていく。住まいの汚れも経年劣化と切り離せず、必ずしも汚れることイコール住まい手のサボタージュによるものとは決めつけられない。

そんな時間の流れをなんとかして遅らせる「時間稼ぎ」が掃除の大きな意義の一つである。テープでもなんでも時間稼ぎに使えるものは使えばいい。

多少なりとも「暮れの大掃除」に向かう重苦しい気持ちが、これらのグッズの存在によって軽くなれれば、筆者も冥利につきるものである。

藤原 千秋

主に住宅、家事、育児など住まい周りの記事を専門に執筆するライターとして21年目。リアルな暮らしに根ざした、地に足のついたスタンスで活動。現在は商品開発アドバイザリー等にも携わる。大手住宅メーカー営業職出身、大1、中3、小5の三女の母。『この一冊ですべてがわかる! 家事のきほん新事典』(朝日新聞出版)、『ズボラ主婦・フニワラさんの家事力アップでゆるゆるハッピー‼』(オレンジページ)など著監修書、マスコミ出演多数。