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使用済み乾電池はどのように捨てればいい? 住む地域で違いも
2021年12月28日 06:05
気づくと家庭内で増えている乾電池やボタン電池。捨てるまでの保管方法によっては出火の危険もある。独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE)が公表している事故では、絶縁せずに保管していた80個の使用済みボタン電池から発火した事例もある。こうした事故を防ぐことにもつながる、電池の捨て方を紹介する。
乾電池やコイン形電池は絶縁して自治体の指示に従う
電池を処分する際、電池工業会のWebサイトによれば、まずはテープで電池を絶縁するように伝えている。電池の+と-の端子にセロハンテープやビニールテープを貼ることで絶縁できる。絶縁していない場合、電池同士の電極が接触し、ショートして発火する危険がある。
絶縁するテープについて、ガムテープは絶縁性があるものの、布部分が湿りやすくテープが湿っていると通電してしまうため、同会によれば絶縁テープとして適さない可能性があるという。
絶縁した電池は、種類により処分方法が異なる。まず、乾電池やコイン形リチウム電池は自治体の案内に従って捨てるよう電池工業会は伝えている。このとき、充電式電池やボタン電池は自治体による回収の対象外となっているので注意してほしい。
コイン形電池とボタン電池について、見分けがつきにくい場合は型式記号で種類を確認できる。「CR」もしくは「BR」で始まる製品は水銀を含まないコイン形リチウムイオン電池のため、乾電池と同様に自治体の案内に従って捨てることが可能だ。
自治体によって回収区分や回収頻度などが異なる
さて、電池の捨て方は自治体によって異なるとのことだが、例えばどのように捨てるのか。筆者が住んでいる東京都大田区と、家電 Watch編集部のある東京都千代田区の事例を挙げる。
まず大田区について、Webサイトによれば、乾電池は月に2回収集する「不燃ごみ」として出せるようだ。ゴミとして出す際には90L以下のフタ付容器か、透明または半透明で耐水性があり丈夫なビニール袋で出すよう示されている。また、サイトによれば充電式電池やボタン電池は不燃ごみとして処分できず、「メーカーの回収に協力しましょう」とのことだった。
千代田区では、乾電池やコイン形電池を月2回の「蛍光管等」の回収日に出すか区役所などに設置されているストックヤードに持ち込むよう、「資源とごみの分け方・出し方パンフレット」で説明している。大田区と異なるのは、充電式電池やボタン電池も乾電池と同じ回収日に集積所へ出せることだ。
自治体によってゴミ収集の区分や回収頻度が異なるため、電池を捨てるときにはぜひ、自治体のサイトを確認してほしい。なお、複数の自治体のサイトを確認したが、「電池をテープで絶縁すること」について触れていない自治体も少なくなかった。自治体のホームページに記載されていなくとも、電池を捨てる前に絶縁することを念頭に置いてほしい。
ボタン電池/充電式電池は家電量販店などで回収。乾電池を回収している店も
自治体の回収対象になっていないことが多いボタン電池や充電式電池については、各種団体が回収し、リサイクルしている。ボタン電池は電池工業会、充電式電池はJBRCが回収しており、専用の回収ボックスを協力店である家電量販店などに設置している。店頭で販売員に声をかければ回収してもらえるという。電池回収を行なっている店舗は以下のホームページで確認できる。
JBRC 『協力店・協力自治体』検索(小型充電式電池の回収)
また、家電量販店によっては、店頭で乾電池やコイン形電池も回収している。ビックカメラなどは店頭に回収ボックスを設置。また、ヨドバシカメラでは回収ボックスがないものの、販売員に回収してほしい旨を伝えれば販売員を通して乾電池を回収してもらえる。なお調査したうちヤマダ電機については、上記のボタン電池や充電式電池の回収は行なっているが乾電池の回収は実施していないようだ。
電池は絶縁して、種類ごとの処分方法で
大掃除の時期が近づき、掃除をしていたら使用済み電池を見つけたという方も少なくないだろう。いずれの電池も発火防止のためビニールテープ等で絶縁し、種類にあわせた方法で処分してほしい。
- 乾電池やコイン形電池(型式番号がCRかBRで始まるもの)は絶縁して自治体の案内に従い処分
- ボタン電池や充電式電池は絶縁して家電量販店などにある回収ボックスへ