家電レビュー
ダイソン「V12」のゴミ調査に参加したら、レーザーでゴミが見えすぎてヤバかった
2021年11月2日 08:05
ダイソンが、犬や猫を飼っている家庭向けに、スティック掃除機「Dyson V12 Detect Slim」を使ったハウスダスト実態調査を行なうということで、長毛種の猫を飼っている筆者も参加した。
調査は、掃除機で集じんしたゴミをサンプルとして研究機関に送り、ゴミの中にどれくらいダニやカビ、ネコアレルゲンが潜んでいるかを検証するというもの。
調査に使うスティック掃除機「Dyson V12 Detect Slim」は、目に見えにくいゴミやホコリを見える化するのが大きな特徴。ダイソン初となるグリーンレーザーをヘッドに搭載し、フローリングの見えないホコリを可視化して取り逃しを防ぐ。
さらに、どれくらいゴミを吸引したかも数値で把握できるようになった。吸引したゴミの量やサイズをセンサーで検知し、液晶ディスプレイに表示する。直販価格は、付属品が7個の「V12 Detect Slim Fluffy(SV20 FF)」が86,900円、10個の「V12 Detect Slim Total Clean(SV20 ABL)」が97,900円。
指定の条件で床と寝具のゴミ採取
調査用に送られてきたのは、付属品が7個の「V12 Detect Slim Fluffy(SV20 FF)」と、ゴミの採取キット。ゴミは指定された範囲で採取するので、メジャーやマスキングテープが同封されていた。
採取する場所は、床と寝具の2カ所。いずれも180×90cm(横×縦)のエリアにマスキングテープを貼り、1分半かけて掃除する。V12の運転モードは「エコ/中/強」の3つで、今回はエコモードを使用した。
まずは床にマスキングテープを貼り、縦90cmを手前から奥へ5秒間かけて掃除機で吸引する。今度は同じ場所を奥から手前へ動かし、往復するように掃除。次は吸込口の幅に合わせて横にずらし、同じように掃除。
1分半が経っても掃除が終わらない場合は、指定範囲の掃除が完了するまで上記を繰り返す。掃除が完了したら、クリアビン(ダストカップ)を開けてチャック付きポリ袋にゴミを入れる。これで床のゴミ採取は完了だ。
寝具のゴミ採取に移る前に、ゴミが混ざらないようクリアビンのお手入れをする。本体から外したクリアビンは水拭きし、本体はウェットティッシュで拭く。クリアビンを24時間乾燥させたらお手入れ完了。
寝具のゴミ採取には、付属ツール「毛絡み防止スクリューツール」を使い、シーツの上から行なう。こちらも床と同じように、180×90cmのエリアにマスキングテープを貼った。
寝具は縦90cmを奥から手前へ5秒間かけて吸引。手前まで戻ってきたら再度、奥から手前まで動かして同じ場所を計10秒かけて掃除する。あとは床と同じように、吸込口の幅に合わせて横にずらし、指定範囲が終わるまで掃除する。
掃除が完了したらクリアビンの中のゴミを、チャック付きポリ袋に入れて密閉。先に採取した床のゴミとともに、指定の研究所へ送付した。
2カ所から採取したゴミを見てみると、それぞれ種類が異なるのがわかる。床のゴミは髪の毛や糸くずなどが多く、寝具からは猫の毛と粉状の微細なゴミが目立つ。
約1カ月後に送付された結果と、他のモニターの結果も集約されたグラフは以下の通り。
床の結果に関しては、ダニアレルゲン量は一番少ない部類で、ネコアレルゲン量も少ない方だった。カビの合計数も少ない部類で、こまめに掃除しているのが結果に表れて良かった。
ダスト量:0.28g
コナヒョウヒダニ:未検出
ダニアレルゲン量:0.046μg/1g
ネコアレルゲン量:1.38μg/1g
カビの合計数:160cfu/ダスト総量
ダスト量:0.4g
コナヒョウヒダニ:12頭/ダスト総量
ダニアレルゲン量:32.8μg/1g
ネコアレルゲン量:605μg/1g
カビの合計数:2,200cfu/ダスト総量
一方、寝具はダニアレルゲン量、ネコアレルゲン量ともに多い部類。毎日猫と一緒に寝ているので納得の結果だ。ネコアレルゲン量に関しては、全参加者を猫飼育あり/なしで分けたグラフもあり、やはり猫を飼育している家庭の方が数値が高かった。
ダニやカビも寝具や床にいるものだとわかっていても、実際に数値で可視化されると掃除の意識が高まるもの。特に寝具のゴミ採取はベッドシーツを1カ月洗っていない状態で行なったので、もうちょっとこまめに洗濯や掃除をしようと思えた。
レーザー搭載のヘッドがスゴイ
調査内容は以上で終了だが、今回久しぶりにダイソンのスティック掃除機の新モデルを使って、新機能のレーザーにかなり感動したのでお伝えしたい。
搭載されているレーザーは、床とホコリとの間に最適なコントラストを生み出すグリーンレーザーダイオードを採用。肉眼では捉えにくい、床表面の微細なホコリを可視化するという。
レーザーの凄さは、実際に使ってみるとかなりわかる。一見キレイに見えるフローリングで電源をオンにしてレーザーを照らすと、ドン引きするほどゴミが見えるのだ。
白い猫の毛や細かいチリなどがレーザーに照らされて姿を現す。こんな床で生活してたのか……とショックを覚えつつ、ヘッドを滑らせてどんどん吸引していく。
最初はレーザーで照らされたゴミを見てギョッとするが、吸引すると当然床はキレイになるので気持ちいい。ゴミの有無がしっかり可視化されるので、どんどん吸い込みたくなり掃除がはかどるというメリットもあった。
このレーザーに照らされたゴミ、何か見覚えがあるなと思ったら夕方に西日でフローリングが照らされて見えるゴミと同じだった。我が家は西向きで西日が強く入るのだが、夕方になるとそれまで見えていなかったフローリングのゴミが西日で照らされてかなり目立つ。
それもそのはず、このレーザー機能は空気中に浮遊する微細な粒子が日光を浴びて輝くことに着目して掃除機に応用したという。夕方にしか見えなかったゴミがレーザーによっていつでも見えるようになったので、見てみぬフリができなくなり家をキレイに保つのにも一役買っている。
吸い取ったゴミの量をディスプレイに表示
また液晶ディスプレイでも、吸い取ったゴミの量が大きさ別(10μm/60μm/180μm/500μm)にグラフ表示される。サイズの目安は、10μmは花粉などの微粒子サイズ、60μmは微細なホコリ、180μmはダニの死骸など、500μmは砂糖の粒くらいのサイズとなる。
今回は、上述のゴミ採取をしたときに液晶ディスプレイの表示をチェック。床の掃除前は10μmのゴミが165,030個だったのに対し、掃除後は4,959,450個とケタが1つ増えるほど吸い取っていた。
ゴミの量が検知できるようになったことで、ゴミの量に応じて吸引力が変わるオートモードも新たに搭載された。吸引するゴミの量が多いと検知されるとモーターの吸引力が高まり、量が少なくなると吸引力も下がる。
なお液晶では現在の運転モードや運転可能時間、フィルター掃除の時期やメンテナンスに関する通知も表示される。
軽くて取り回しやすい。軽快に掃除できるV12
筆者が普段使っているスティック掃除機は、2019年発売の「Dyson V11 Fluffy+」。今回V12を使い、V11からかなり軽く、そしてパイプが短くなっていることに驚いた。
ダイソンはこれまでも軽量モデルを発売してきたが、筆者はV11をずっと使っていたので軽量モデルに触れるのはV12が初めて。身長160cmの筆者だとV11のパイプが長く感じるのだが、V12は約15cm短くなっておりとても使いやすい。
重さも約500g軽くなっていて、取り回ししやすく軽快に掃除できた。運転可能時間はどちらも最長60分で、今のところV12で掃除中に充電がなくなるということはない。吸引力に関しても、取りこぼしなく隈なく掃除できている。
またV12では電源がトリガー式ではなくボタン式になり、掃除中に押し続ける必要がなくなった。ただ、ボタンの位置がハンドルから少し離れており片手で操作できなくなったので、もう少しボタンの位置をハンドルに近づけてくれれば使いやすそうだ。
付属ツール3点。自立式の充電スタンドも
今回使った「Dyson V12 Detect Slim」は、メインのヘッド以外に、掃除ツールが3点付属。寝具のゴミ採取に使った「毛絡み防止スクリューツール」、「コンビネーションノズル」、「隙間ノズル」の3点だ。
コンビネーションノズルはブラシ有り/なしどちらでも使えて、棚のホコリを取るのに適している。隙間ノズルは名前の通り、ヘッドが入らない家具と家具の隙間掃除などに便利だ。
今回久しぶりにダイソンの新モデルを使ってみたが、ヘッドのレーザーや軽くなった本体などV12は進化をはっきりと感じられる製品だった。特にレーザーに照らされたゴミはなかなかの衝撃だが、掃除を続けているとレーザーでゴミを見るのが楽しくなってくる。今ではゴミ見たさに掃除をしているほどなので、掃除に楽しさを見出したい人にもオススメの製品だ。