家電レビュー
充電式で移動ラクな山善サーキュレーター 部屋干しにも便利だった!
2025年6月6日 08:05
サーキュレーターは、部屋の空気を循環させ、室温を均一にするときに便利な家電。扇風機より小型のタイプが多く、持ち運びしやすいメリットがある一方、設置場所の変更や掃除などで移動させる際に電源コードを煩わしく感じます。コンセントがある場所でしか使えないという制限もあります。
このようなストレスから解放されたい人には、コードレスで使える充電式がおすすめです。好きな場所に持ち運べるので、夏のキャンプや車中泊などの暑さ対策にも役立ちます。
今回、山善(YAMAZEN)「DCモーター充電式サーキュレーター RCRP-BZX015」の実機を借りることができたので、魅力や使い勝手を徹底レビューします。
コンセントがない場所で使える充電式! モバイルバッテリー給電も可
山善「DCモーター充電式サーキュレーター」の魅力は、なんといってもコードレスで使える点。コード不使用なので、持ち運びや移動が非常にラクです。もちろんコンセントも不要なので、自宅以外の場所や、電源を確保しづらいアウトドアシーンなどでも使えるのがうれしいポイント。フル充電時は最大40時間(風量1、首振り運転なし、送風のみの場合)、コードなしで使用できます。
サイズは22.6×22×32.2cm(幅×奥行き×高さ)、重量2kgとコンパクト設計なので、卓上に置いても邪魔になりにくい大きさ。コンセントからの位置を気にする必要がなく、移動も設置も手軽です。本体の上部には取っ手が付いており、指を引っ掛けて、サッと持ち運べます。こんなに小型なのに、24畳までの広さに対応することに驚きました。
本体の背面下部にはUSB Type-Cポートを装備。付属のACアダプターおよびケーブルを使って、本体の内蔵バッテリーを充電します。あるいは、PD(Power Delivery)対応、出力20W以上のモバイルバッテリーからの給電も可能です。充電中は、操作部中央にある表示窓の充電目盛りが点滅。充電が完了すると、点滅から点灯に変わります。なお、充電しながらの送風も可能です。
本機はモバイルバッテリーで充電できるので、キャンプや車中泊の際にも便利です。
本機の直販価格は14,800円。本体カラーは落ち着いた色合いの「グレージュ」で、どんなインテリアにもなじみやすい印象を受けました。
上下左右に首振り&真上にも送風可能! 風量調節は10段階
本機は上下左右に首振りします。スイング角度は、上下は約70度、左右は約75度です。使用シーンに応じて、上下左右の首振り、上下のみ、左右のみ、あるいは首振りなしの送風を使い分けられます。
さらに、ガード部分を手動で動かして固定し、風向きを4段階に調節することが可能。固定した位置を起点に、上下に首振りします。真上方向にもしっかり送風できるので、天井に向かって風を送るときに便利でした。冬に暖房を使用しているときに天井に風を送ると、上部にたまった暖気を部屋中に循環させられます。
首振りの設定方法もとても簡単です。本体操作部の電源ボタンを押してから、向かって左側にある上下首振りボタン、左右首振りボタンを押すだけで設定できます。首振りがONになっている場合は、ボタン上部のランプが点灯します。再度ボタンを押すとランプが消灯し、首振りがOFFになる仕組み。
ちなみに、電源を入れたときに窓に表示される数字は室温です。
本機は風量の調節も可能です。風量レベルは1~10段階あり、微風からパワフル送風まで対応。操作部の「-」ボタンを押すと風量が弱くなり、「+」ボタンを押すと強くなります。電源ボタン周りには風量ランプが配置されていて、選択した風量レベルに応じた数が点灯します。
本機にはリモコンが付属するので、遠隔操作も可能。配置されているボタンは本体操作部の内容と同一のため、これまで紹介した操作をリモコンで行なうことも可能です。
本体背面にはリモコン収納部が装備されていて、保管に便利。リモコンの置き場所に困らず、紛失のリスクも軽減できるのもうれしいポイントです。
部屋干しにも便利! 衣類乾燥運転に対応
本機は室内の空気の循環や換気のほか、洗濯物を部屋干しするときにも重宝します。衣類乾燥運転に対応しており、操作部の右面に配置されている衣類乾燥ボタンを一押しするだけで、上下左右の首振り、適した風量での送風が自動でスタートします。なお、風量は一定のリズムで変化します。
この衣類乾燥運転を利用し、洗濯物に向けて送風すると、効率良く風が当たり、乾きが早くなります。本機を置く位置や洗濯物の並べ方を工夫して、乾きムラを防ぐのもポイントです。
洗濯物をスピーディーに乾燥させることで雑菌の増殖が抑えられ、部屋干しの嫌な生乾き臭を防ぐのにも役立ちます。特に、梅雨や秋の長雨のシーズンなど、天候が悪く、室内干しを避けられないときに活躍してくれるはずです。
本機(定格入力20W)の電気代は、1日8時間使用で約5円、1カ月で約150円(50Hz地域での使用時、電気料金目安単価/Whを基に算出)というメーカーの試算があります。省エネ設計されているので、雨天時に限らず、普段から洗濯物を部屋干しするときにも気兼ねなく使えるのが良いと実感しました。
また、本機はコードレスで使えるので、コンセントがない浴室に持ち込めるのも利点です。換気扇と併用することで、洗濯物をより早く乾かせるのではないかと思いました。ちなみに防水設計ではないため、入浴中の使用はNG。
パーツを分解して水洗いできる
羽根やガードなどのパーツを分解できるのも本機の特徴です。さらに、分解したパーツは丸洗いが可能(※本体は水洗い不可)。ホコリやゴミが付着しやすい部分を掃除できるので、衛生的に使えて良いと実感しました。
パーツを分解するときは、ヘッド部分を斜め上に向け、前面ガードのロックを外し、手前に引っぱって取り外します。
ロックを外す際は、前面ガードを回して「▲」マークをロック解除マークに合わせる必要があります。ですが、がっちりロックされているので、そのまま前面ガードをホールドして回そうとしても簡単には動きません。やや不便に感じましたが、ロックが甘いと使用中にパーツが外れることもあり得るため、安全を優先した仕様なのだろうと納得しました。
びくともしない前面ガードに苦戦しつつ、試行錯誤の末に思いついたのが、本体の土台部分を両足ではさみながらガードを持って回すという方法。土台をしっかり固定することにより、前面ガードを回しやすくなり、見事にロックを解除できました。
ロックを解除すると、前面ガードを手前方向に取り外せます。続けて、スピンナー、羽根、ガード止めナット、背面ガードを順番に分解していきます。このとき、工具は必要ありません。取り付けるときは、逆の手順を踏めばOKです。
その他にもまだまだある便利機能
本機にはその他にも、タイマー、リズム風、おやすみモードなど、まだまだ便利な機能が搭載されています。
タイマーはON・OFFの2種類。入タイマーボタンは表示窓の左側、切タイマーボタンは右側に配置されています。それぞれ1~8時間の範囲で、1時間単位での設定が可能。入タイマーは運転停止中、切タイマーは運転中に設定します。
入タイマー、切タイマーは別々に使えるほか、同時設定にも対応。用途やライフスタイルに合わせて使えるのが良いと思いました。
本体操作部の右端に配置されているモードボタンを押すと、リズム風、おやすみ運転を切り替えて使用できます。リズム風は自然風のように変化のある送風ができる機能です。風にゆらぎが生まれ、長時間心地良く使えることに加え、消費電力を抑えられるメリットも。
一方のおやすみモードは、時間の経過とともに、風量が段階的に小さくなる機能です。室温が下がりすぎるのを防げるので、就寝時の使用にぴったり。切タイマーと併用することで、より快適に眠れそうです。
リズム風もおやすみモードも、ボタンを押すだけでおまかせ運転できるため、設定の手間がかからないのも利点です。
本機にはDCモーターが搭載されており、静音性に優れるのも魅力です。風量レベルが小さいほど運転音も静かになるので、就寝時に使用しても眠りが妨げられません。10段階に風量調節できるのもDCモーターならでは。季節、室温、部屋の広さ、用途などに応じて細かく風量を調節できます。
また、DCモーターは省エネ性能も高く、前述したとおり、1カ月の電気代は1日あたり8時間の使用で約150円(※メーカー試算)。お財布にやさしいのもうれしいポイントです。
多機能かつランニングコストが安い上、コードレスでストレスなく使える本機は、非常に有用なサーキュレーターだといえます。これまでコードありタイプしか使っていなかったため、余計にそう感じたのかもしれません。次回買い替えるときは、ぜひ充電式を選ぼうと決めました。