家電製品レビュー

ダイソンの布団クリーナーでベッドを掃除したらダニが1,200頭いて大ショック

 ダイソンが7月に募集していた、布団クリーナー「Dyson V6 Mattress+」を使ったモニターキャンペーン「100人の寝どこ」。このキャンペーンの一環として、筆者もMattress+を使いふとん掃除をしてみた。

 さらに、その掃除で出たゴミをサンプルとして送り、布団にどれくらいダニがいるかを検証してもらったので、その結果をレポートする。結論からいうと、筆者のベッドから採取できたダニは、成虫・幼虫含めて約1,200頭。半泣きである。

布団クリーナー「Dyson V6 Mattress+」
メーカー名ダイソン
製品名Dyson V6 Mattress+
実売価格48,384円

 今回使用したのは、布団クリーナー「Dyson V6 Mattress+」。基本的な構造は、コードレスクリーナー「Dyson V6」シリーズと共通で、パワフルな吸引力を生み出す「ダイソン デジタルモーター V6」や、微細なゴミを捕らえるサイクロン構造「2 Tier Radial(ティアーラジアル)サイクロン」などを採用。

 また、高性能フィルターと密閉性の高い製品設計により、微細な粒子を除去しつつ、部屋の空気よりもキレイな空気を排出できる点も特徴としている。

本体
高性能なポストモーターフィルターなどでキレイな排気を実現

シングルサイズの範囲を掃除してゴミのサンプルを採取

 まずは、ふとん掃除で使うメインのヘッド「ミニモーターヘッド」を使って掃除した。モーターを搭載したヘッドと、硬いナイロンブラシにより、布団の奥深くに潜むダニの死骸やフンを吸い上げて取り除くという。ほかにもアタッチメントは豊富に用意されているが、それについては後述する。

ふとん掃除で使う「ミニモーターヘッド」
硬いナイロンブラシと、ヘッドにもモーターを搭載している点が特徴

 今回、ゴミのサンプルは第三者調査機関へ送付。複数の被験者のサンプルとともに検査してもらうということで、結果にムラが出ないよう指定の採取方法で行なった。

 掃除範囲はシングルサイズと指定されており、横180×縦90cmの面積にマスキングテープを貼る。掃除機本体はクリアピン(ダストボックス)を空にしておき、吸い込み口の幅に合わせて10秒かけて1往復し、ヘッドを横にずらして指定エリアの最後まで同じ要領で掃除していく。本体重量は1.63kgで、特に重く感じることなく、スムーズに動かせた。

 なお、今回の採取では、シーツの上から掃除をするように指定されていた。新品のシーツや、洗濯したてのシーツを用いることは非推奨で、筆者は約1カ月洗っていないシーツを使用した。

掃除範囲にマスキングテープを貼る。シングルベッドなのでほぼ同じ大きさ
愛猫が邪魔しにきた。猫の毛にもダニが潜んでいそうだ
吸い込み口の幅にあわせて1往復する
横にずらして同じ要領で掃除する

 掃除が終わったらクリアピンを開けて、採取したゴミをチャック付きポリ袋に移す。かなり微細なゴミが取れており、フタの裏にもついていたので、割り箸や刷毛を使って掻き出した。ゴミが飛び散らないように袋の口もしっかり綴じる。

 ゴミの量は結構多く、シングルサイズでもこれだけのゴミが吸引されたことに驚いた。詳しく見てみると、普段取れるホコリと違い、白い粉のようになっている微細なゴミが多かった。ダニは吸引されると、サイクロンによる気流や、カップに叩きつけられることから、粉々になることがあるという。この粉は、サイクロンで死骸になったダニなのか? と期待と不安を込めながら、指定の住所にサンプルを送って結果を待った。

掃除完了。採取したゴミのサンプル
ポリ袋に移す。粉のようになっていて微細なゴミが多い
口をしっかり閉じる
この状態で指定の住所に送付した

結果に驚愕! ダニだけでなくカビも潜んでいた

 サンプル送付から約2カ月経ち、結果がかえってきた。検体の総重量は1.01gで、中から検知されたダニは「コナヒョウヒダニ」というものが1,263頭。内訳としては、成虫が228頭、幼虫が1,035頭で、破片を含む体の一部が確認されたという。検査法はダーリング液浮遊法というもの。

 数字の威力もさることながら、添付されていたダニの写真がかなり生々しい。ダニです! という感じのダニだ。自分でも何いっているかよくわからないが、もう見るからにダニ。そんなに虫に抵抗はないが、普段寝ているベッドから、生々しいダニが検知されたと思うとショックが大きい。

 なお、一部の被験者では、ヤケヒョウヒダニも検出されていた。幸い筆者の寝具にはいなかった模様。

筆者のベッドに潜んでいたダニ

 さらに検査結果を追うと、今度は「カビ」の文字。カ、カビもいるんですか……。アスペルギルスやトリコデルマなど、さまざまなカビの名称が記載されており、ゴミ全体で74,000cfuのカビが含まれていたとのこと。cfuというのは真菌数の単位で、Colony Forming Unitの略。培地上における真菌の生育数を表す。

 こちらも同じく写真が添付されており、7日間培養されたカビの姿はあまり目を当てたくない気持ち悪さ。採取した時期が真夏だったのでそんなに湿っぽく感じることはなかったが、筆者の部屋はあまり日当たりが良くないので当然の結果かもしれない。

7日間培養されたカビ

 以下に、筆者の結果をまとめたものと、他の被験者の結果も集約されたグラフがあるので参照いただきたい。

筆者のサンプル
ダスト量1.01g
ダニ類1,263頭
ダニアレルゲン Der f 1量
(コナヒョウヒダニ)
117ng/mg
(=0.000117g/塵埃1g)
カビ数74,000cfu

モニター平均値

ダスト量
コナヒョウヒダニの数
ダニアレルゲン(コナヒョウヒダニ) Der f 1量
カビ数

 以上の結果から、筆者のベッドから検出されたゴミの量、ダニの数などは、平均よりも多いことがわかった。1カ月洗っていないシーツで掃除したことや、猫と寝ていることなども理由としては挙げられると思うが、これらの数値はふとん掃除をすることで、徐々に減らせるとのこと。

 中でもダニアレルゲンを測るDer 1量は、喘息などのアレルギーリスクと関係する数値。11ng/mg以上だと喘息のリスクが増加するようで、筆者の117ng/mgという数字はかなり大きいことがわかる。こうしたハウスダストがアレルギーの原因になるので、小さなお子さんがいる家庭などではいっそう気をつけたくなるだろう。

 幸い、筆者はアレルギーや喘息など、持病がいっさいないので、普段は大量のダニやカビと寝ていても特に不具合はない。しかし、こうして目に見えるかたちで知らされると、こまめに掃除しようという気分になる。

ゴミ捨ては右上の赤いレバーを引くとカップが開く。フタの裏に粉々になったゴミが残ることも
排気は手前の緑色の部分から出る。顔に当たりやすい位置だがニオイなどは気にならない

 1つ気になったのは、ゴミ捨ての際のハウスダストだ。粉々になったゴミが多いので、掻き出さないとクリアピンの中はキレイにならない。

 なお、排気のキレイさについては問題ない。ハンディクリーナーなので、ベッドを掃除しているときにちょうど排気が顔に当たりやすくなるが、イヤなニオイはなく気にせず使えた。

付属ツールで見て見ぬフリをしていた場所を掃除

 以上が寝具から採取できたハウスダストの結果だが、「Dyson V6 Mattress+」には、先述のとおり付属ツールが豊富に用意されている。これらのツールを使うことで、ふとん以外にもさまざまな場所を掃除できるので紹介していきたい。

 Mattress+に付属されているツールは、メインで使った「ミニモーターヘッド」のほか、「ミニソフトブラシツール」「ハードブラシツール」「フトンツール」「コンビネーションノズル」「延長ホース」「隙間ノズル」の計7種類。

付属ツールは計7種類
ミニソフトブラシツール

 まず、「ミニソフトブラシツール」は、やわらかいブラシでホコリをやさしく取り除くもの。テレビやパソコンのスクリーン、障子などに適しているという。

 今回はスクリーンやキーボードを掃除するのに使用した。ブラシでなでるように掃除できるので、ヘッドがゴツゴツあたらず傷つける心配がない。

ミニソフトブラシツール
パソコンのスクリーンを掃除
ハードブラシツール

 続いて「ハードブラシツール」は、硬いブラシを採用したもので、砂ぼこりや玄関の泥汚れなど、こびりついたガンコな汚れに向いている。家の中には泥汚れもなく、そんなに出番のないツールかなと思ったのだが、最適な場所を見つけた。たまにしか掃除をしない窓の隅だ。

 ガラス部分やサッシはたまに掃除するが、隅のなんともいえない部分が、ホコリと結露した水滴でベタベタになっていたのである。いつも、なんか汚いなーと思いつつ、水拭きしても簡単にはキレイにならなさそうなので見て見ぬフリをしていた。

 しかし、ハードブラシを使えばゴシゴシとこするように使え、手を汚さずにホコリを吸引しながらベタつきも取ることができた。ガンコな汚れはパッとは思いつかなかったが、意外な場所に存在していたりするので、さりげなく使えるツールだった。

ハードブラシ
ホコリと水滴でベタベタになった窓の隅をキレイにできた
フトンツール

 「フトンツール」は、デリケートな布団や生地に向いたもの。クッションや羽毛布団に使ってみたところ、どうやらこちらは生地によって相性があるようだった。複数のクッションで試してみたが、スムーズに動かせるものもあれば、張り付いてしまうものも。羽毛布団は張り付いて掃除がしにくかったので、ミニモーターヘッドのほうが万能だと感じた。

 相性があえば、フトンツールの方がミニモーターヘッドよりもやさしく掃除ができるので、傷付けたくない生地のものがあれば試してみる価値はあるだろう。

羽毛布団には張り付いてしまった
ミニモーターヘッドの方が動かしやすい
こちらのクッションではフトンツールもスムーズに動かせた
コンビネーションノズル

 「コンビネーションノズル」は、先端にブラシがついており、用途によってブラシを出したり引っ込めたりできる。今回はブラシを出して、本棚の掃除に使った。延長ホースをつければ高いところも掃除しやすくなり、エアコンや換気扇にも向いているだろう。

 ブラシを引っ込めれば、テーブルなどの食べこぼしを吸引するのにも向いている。筆者はよく、うっかり撒き散らしたインスタントコーヒーの粉や塩を掃除するのに使っている。

ブラシを出して棚の掃除に
ブラシを引っ込めた状態
延長ホース+隙間ノズル

 延長ホースと隙間ノズルは、合わせて使うとさらに掃除の範囲が広がる。本体が入りづらい狭い範囲には、延長ホースをつけたうえで隙間ノズルをセットすると、細かいところにも入り込める。

 洗濯機を設置している洗濯パンやテレビの裏などで活躍した。ただし、「Dyson V6 Mattress+」は、トリガーを引いている間だけ駆動する仕組みなので、本体を置いてホースだけを持って操作することはできない。片手でトリガーを引いて、もう一方で動かすことになる。

洗濯パンの細かいところを掃除
テレビの裏。トリガーは引き続けなければいけない

 なお、フル充電したときで連続使用時間は最大20分。ハンディクリーナーで掃除をするような細かい場所であれば問題ないが、一度に掃除しようとすると途中でバッテリーが切れることもあるので注意したい。充電時間は約3.5時間だ。

 ふとんだけでなく、窓や狭いところなど、普段は見て見ぬフリをしがちな場所を掃除できた。ハウスダスト量の結果も踏まえて、こまめに掃除しなきゃな……と思い改める機会になったので、今後も間隔を空けずにふとん掃除するよう心がけていきたい。

充電器は標準的なスティッククリーナーと共通

西村 夢音