e-bike試乗レビュー

e-MTBのトレイルライド楽しすぎて草、というか泥。トレイルアドベンチャーで初体験!!

電動アシスト付きのMTB、つまりはe-MTBでぜひともチャレンジしてみたいなー、と思っていたことの1つがトレイルライドです。山の中の細く曲がりくねった、アップダウンの激しいコースをぐるぐる走り回る、めっちゃ楽しそうなアクティビティ!

ただ、まったくの初心者である筆者は、トライするにしてもどこに行けばいいのかさっぱり。都心近辺でトレイルライドを楽しめる場所があるのかどうかすら知りません。……と思っていたら、編集部からお誘いを受けました。「トレイルアドベンチャー・よこはま」であれば、まあまあ近いし、初心者でもバッチリ楽しめると。

近いといっても都内の筆者宅からだと片道25km以上あったのですが、e-MTBなら往復で体力を削られることもないはず。ということで、人生初のトレイルライドにチャレンジしてきました。

手ぶらで来て、大人も子供も気軽にトレイルライドが楽しめる

トレイルアドベンチャー・よこはまは、アウトドアパーク「フォレストアドベンチャー・よこはま」に隣接する(ほぼエリアが重なっている)MTBによるトレイルライドが楽しめるスポット。「よこはま動物園ズーラシア」とも隣り合っていて、特に子供のいる家庭にはなじみのある場所かもしれません。

トレイルアドベンチャー・よこはま

いろいろと調べてみると、都心からもアクセスしやすい本格的かつしっかり管理されているトレイルライド施設は大変貴重なようです。冒頭で筆者宅から片道25km以上あると説明したとおり、都心から見たときには決して近くはありませんが、それでもまだ自走~日帰り可能な範囲にあるのはありがたいところ。

もちろん、自走せずにe-MTBを乗せてトランポするのもアリですし、そもそも何も持たずに手ぶらで来ても大丈夫。e-MTBやMTBを持っていない人でも、車両や装備をレンタルして走れるので、まさに編集部が言ったとおり「初心者でもバッチリ楽しめる」のが特徴です。

コースについては後ほど詳しく説明するとして、その施設の充実度のわりに利用料金はリーズナブル。2時間2,500円、丸1日利用でも3,500円で、車両持ち込みならそれだけ支払えばOKです。車両や装備をレンタルする場合は、例えばe-MTBが3,500円~、ヘルメットが1,000円なので、コース利用料金と合わせて7,000円~で2時間たっぷり遊べることになります。

料金表

そして、トレイルアドベンチャー・よこはまのトレイルライドは大人だけの遊び場ではありません。子供が一緒に楽しめるのもポイントです。小さなお子さま用のランバイクがレンタルできて、それ用のスペースもあります。通常の自転車に難なく乗れる小学生なら、子供向けのレンタルMTBも用意されているので(サイズがあえばe-MTBも)、一緒にコースを走り回るのもOKです。

e-MTBを含むレンタル車両が大量に
タイミングによってはメーカーの新モデルの展示があったり、試走ができたりすることも

難易度違いのコースが3種類、初めてでもけっこう走れる! けど……

トレイルライドのメインとなるコースは3種類。初級者向けのグリーン、中級者向けのブルー、中~上級者向けのレッドがあり、この他にパンプトラックもあります。

コースマップ
パンプトラックも自由に使える

トレイルライド初体験の筆者は、とりあえずグリーンの初級者向けコースから腕試ししてみることにしました。距離は短いですし、地形はほとんど平坦に近く、難しいテクニックが要求されるところもありません。ただ、バンク付きのコーナー、いわゆるバームもあるので、ちゃんとトレイルライドしてる感も味わえるように思います。

グリーンのコース入口
初心者向けなので、起伏が少なく、平和なコース

グリーンコースを2度、3度と走ってみて、「バンクをうまく使うのは勇気がいるなあ」なんて思いつつ、中級者向けのブルーを走ってみることに。こちらはいきなり上りから始まり、バームも次々現れるので、まあまあ頑張ってペダルをこがなければいけません。

ブルーとレッドのコース入口

中盤から後半は下り傾向になりますが、左右に細かく振られるS字やジャンプポイントも多数あったりして、いよいよトレイル感が本格化。もちろん初心者なので恐る恐るといった感じで、以前、伊豆にある「MERIDA X BASE」で習った基本テクニックがまったく活かせていないような感覚にも陥りつつ、なんとかクリアしていきます。

いきなり上りから始まる
こういうバーム的なところもあれば……
上りながらの急コーナーセクションや……
ジャンプポイントもたくさん!

しかしそれでも、ゴールまで走り切るとなんとも言えない達成感が。アップダウンが繰り返されるうえに、実は前日雨が降っていた影響でところどころぬかるむ&滑る箇所がありながらも、それなりに走れている気がしてちょっと自信が付いてきます。

じゃあ次はレッドだ! ということでトライしてみましたが、こちらはさらに上りがきつかったにもかかわらず、(きっと速くは走れていないとはいえ)無事完走。「ワイ、意外とMTB、乗りこなせるんじゃね?」なんて内心思ったりしていました。が、5分後、どうやらそれは幻想だったと気付かされることに……。

実はものすごく体力がいるトレイルライド、e-MTBのありがたさが分かる瞬間

普通のMTBをお借りして走ってみたら……

せっかくの機会なので、「e」ではない普通のMTBをレンタルして、同じようにグリーンのコースから走ってみたところ、全然違う。当然ながら電動アシストがないため本気でペダルをこがないと前に進まず、e-MTBの感覚でいるとチンタラ走る形になってしまいます。グリーンのコースはまだ良かったのですが、ブルーやレッドになるとまるでダメダメ。

とにかく上りがつらい。しにものぐるいでこぐ必要があり、序盤の上りで体力をほとんど使い果たす勢いです。できるだけそうならないように適切なギア選びを考える必要まで出てきて、ますます体力・気力が削られます。平坦に近いところやジャンプスポット、バームなんかでは車体が軽量な分軽快に走れるような気はしますが、基本的にずっと全力で疲労困憊状態ですから、そのメリットを活かす余裕がありません。

最初の上りで体力がもっていかれる
もう息が上がっています

こういったスポーティなシーンで普通のMTBと乗り比べてみると、e-MTBの良さがより際立つように思います。日常的にインドアサイクリングやランニングをしていて有酸素運動は得意な筆者ですが、トレイルライドはどちらかというと無酸素運動。かなり乗り慣れていないと、普通のMTBでは楽しいという気持ちにまで至るのは難しいかも。

楽しいはずのジャンプスポットでなんだか疲れ顔

でもe-MTBはそうではありません。きつい上りは「そこそこ頑張る」くらいでいいですし、上りを過ぎれば後は楽しい楽しい下り基調のコーナーや凹凸ばかり。それなりに体力を使ってスポーツしつつ、おいしいところをおいしくいただけるのは、e-MTBだからこそ、です。

もう1つ重要に思ったのが、タイヤがスリップしにくいこと。先ほども書いたとおり雨の影響でコースは滑りやすくなっていました。ところが、e-MTBはトラクションをコントロールしてスリップを低減してくれたり、アシストがあるおかげでギアを少し高めにしても安全に走れたりして、タイヤを無駄に空転させることなく確実に前に進める。悪路もあまり気にせず走れるe-MTBの隠れた性能が、初心者の大きな助けになってくれます。

e-MTBならおいしいところを重点的に味わえる

と、そんなe-MTBの性能を頼りに楽しく走っていたら、調子に乗りすぎてしまったのかフロントを思いっきり滑らせて転倒、泥だらけになってしまいました。過信は禁物ですね。でもコースの路面はカチカチというわけではないので、よほど派手に転倒しない限り重大な怪我を負うこともなさそうです。狭くてすぐコケそうで、怖さのあるトレイルライドですが、意外と安全に楽しめるスポーツだな、ということも分かりました。

調子に乗っていたら思いっきり転倒して泥だらけに。ちょっと痛いだけで済んでよかった

e-MTBならほどよく運動になって、安全に帰宅できる

存分に楽しんだ後は、備え付けの洗車場で泥だらけの車体をキレイに洗い流せます。自走して帰るにしても、クルマに積載するにしても、汚れているといろいろ面倒ですから、こういった設備が整っているのはうれしいところ。ちなみにe-MTB自走派にとっては、トレイルレイドで体力の消耗を抑えられる点もメリットでしょう。自宅まで安全、無事に帰り着けることが何よりも大切です。

車体の泥を洗い流せる洗車場も完備

ある程度乗り慣れている人は好きなだけ走り込めて、初心者もマイペースで走れて、スキルアップしたい方はレッスンを受講してトレイルライドの基本を身に付けられるトレイルアドベンチャー・よこはま。充実した施設なので休日はかなり混雑するようですから、もし体験してみたいなら事前に予約しておくのがおすすめです(特にレッスンは予約が必要です)。

ただ、特に混雑する時間帯であっても、待ち時間が発生したり渋滞したりして思うように走れない、ということはないようです。緑深い森のコースのため直射日光を避けることができ、これからの暑い季節にも意外と向いているトレイルライド。MTBやe-MTBに興味があるけれどまだチャレンジしたことがない、という方はぜひ一度訪れてみて欲しいスポットです。

日沼 諭史

モバイル、ガジェット、エンタープライズ系サービス、旅行、クルマ、バイク、オーディオ&ビジュアルなどなど、なんでも書くライターみたいなことをやっている人。