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シャープ、生成AI対応ヘルシオで「使いこなせない」覆す?

ウォーターオーブン「ヘルシオ AX-LSX3C」

シャープは、同社の生成AI対応家電の第1弾となるウォーターオーブン「ヘルシオ AX-LSX3C/AX-RS1C」を6月19日に発売する。価格はオープンで、市場想定価格は順に213,000円前後、163,000円前後。庫内容量はいずれも30L。

業界初という生成AI技術を活用した音声対話が可能な新サービス「クックトーク」に対応。スマホでAIアシスタントに話しかければ、献立やレシピ、手順などを案内してくれる。生成AIで調理をサポートすることで、「高機能オーブンレンジは使いこなせない」などの不安を解消し、「私でもおいしく作れた!」という成功体験を広げていきたいとしている。

高機能なオーブンレンジを使いこなせないという声もあった
生成AIでサポートし、成功体験へと導く

生成AI「しおりちゃん」レシピの人数変更が簡単

クックトークの音声対話では、献立提案や調理手順の案内、使い方アドバイスのほか、4人分のレシピから3人分の分量に変換するといったことも可能。また、野菜の切り方など料理の一般知識をアドバイスしてくれたり、料理に関係のない雑談、方言での対話にも対応する。

クックトークでできること
レシピの分量変更が簡単
献立も考えてくれる

クックトークはアプリ「COCORO KITCHEN レシピサービス」の「トーク」アイコンからアクセスでき、テキストのほか音声入力にも対応。マイクボタンを押せば15分間ハンズフリーで対話ができるため、調理中にも使いやすい。なお、ヘルシオ本体から離れていてもスマホがあれば利用可能。

クックトークは現時点で新発売の2モデルのみ対応しているが、既発売の無線LAN搭載モデルにも拡大予定としている。

料理に関する質問にも答える
津軽弁や関西弁でしゃべってもらうことも

クックトークで対話ができるAIアシスタントキャラクターは「しおりちゃん」。本名は九十九(つくも)しおり。九十九はクックトークの当て字であるほか、長く使われた道具に宿るとされる付喪神/九十九神(つくもがみ)から、長く愛され続ける存在でありたいとの思いで名付けられた。しおりはヘルシオの「シオ」と、詩を織り成すように音声でのスムーズなコミュニケーションがとれることをイメージしている。

しおりちゃんと対話する様子
AIアシスタントキャラクターの「しおりちゃん」

生成AIにはAzure OpenAIを採用。さらに同社がこれまでロボホンなどで培ってきたキャラクターとの音声対話技術を取り入れている。

ヘルシオは従来から音声操作や対話に対応していたが、従来は登録された特定のキーワードに反応して献立などを提案していたため、例えば「筋トレにいいメニューを教えて」といった問いかけでは、登録ワードに一致するものがないため応えることができなかった。クックトークでは意図解釈・話題選択部分に生成AIを活用し、AIoT技術と知識データを組み合わせることで、より柔軟な対話や提案が可能となる。

これまでは特定のワードに反応して提案していた
クックトークは柔軟な対話ができる

なお、新モデルは本体の音声操作には非対応。クックトークから本体へのレシピ転送も現時点ではできないが、クックトークでの対話から「COCORO KITCHEN レシピサービス」の該当レシピへ遷移でき、そちらから本体へレシピを転送することができる。とはいえ、クックサービスで操作手順を細かく指示してくれるため、転送しなくても簡単に操作可能だ。

小さめトレーで調理も片付けもラクに

新製品には角皿のほか、小さめサイズの「ヘルシオトレー」を付属。1~2人分のグリル調理が手軽に行なえる。

新たに、総菜などの温め直しができる「ヘルシオあたため(おいしさ復元)」に対応。従来は角皿と焼網を使用する必要があり、片付けなどに手間がかかっていたが、少人数分のおかずやパンを、より気軽に温め直しできるようになる。このほか、ヘルシオトレーを使った「ゆで卵」や「ブラウニー」など、専用メニューを拡充する。

従来は角皿を焼網を使用する必要があった「ヘルシオあたため(おいしさ復元)」
小さめで洗いやすい「ヘルシオトレー」でも「ヘルシオあたため(おいしさ復元)」ができるように

副菜やパスタなどをレンジで自動調理できる「らくチン1品」機能では、新たに冷凍食材に対応。冷凍のカット野菜などを活用してより手軽に作れるようになった。同機能では食品から発生する蒸気をセンサーが検知して仕上がりを判定するため、分量設定不要で調理可能。耐熱温度140℃以上のプラスチック容器が使えるため、保存容器で調理してそのまま保存でき、洗い物も減らせる。

冷凍食材にも対応する「らくチン1品」。冷凍なすを使って簡単に麻婆なすが作れる。お皿で調理すれば洗い物も少ない

AX-LSX3Cのみ、調理終了後も適度な蒸気により食材の乾燥を防ぎながら、最大30分間温かい状態を保持する「ほかほかキープ」機能を搭載。これまで「まかせて調理」の「網焼き・揚げる」と「焼く」の1段調理時のみ設定可能だったが、新たに「ヘルシオトレー」を活用した「らくグリ! 調理」でも設定可能に。また、調理開始前だけでなく、調理スタート後にも「ほかほかキープ」を設定できるようになり、急な予定変更があっても温かい食事を楽しめるという。

調理途中でも「ほかほかキープ」を設定できるようになった(仕上がり調節時と調理終了1分前を除く)

AX-LSX3Cの本体サイズは490×430×420mm(幅×奥行き×高さ)、庫内サイズは395×305×240mm(同)。重量は約23kg。消費電力はレンジ1,460W/オーブン1,410W/グリル1,410W。レンジ出力は1,000W(最大3分)/600W/500W/200W相当。オーブンの温度調節範囲は65~250℃/300℃(約10分間)。自動メニュー数は305。ワイド角皿2枚、ハーフ調理網2枚、ヘルシオトレー1枚、メニュー集が付属する。本体カラーはプレミアムブラック、ブラストメタルホワイト。

AX-RS1Cはワイド角皿2枚、調理網1枚、ヘルシオトレー1枚、メニュー集が付属する。本体カラーはダークメタル、マットホワイト。

AX-LSX3Cのブラストメタルホワイト
AX-RS1Cのマットホワイト
ヘルシオの定番、揚げないからあげ
茶碗蒸しもヘルシオで上手に作れるという。とてもなめらかだった