家電トレンドチェッカー
【2021年版】地震や豪雨など“もしも”に備えておきたい防災アイテム特集
2021年3月10日 08:00
地震や台風、豪雨や豪雪、噴火など、日本各地は毎年のように大規模災害に見舞われている。改めて、日本に住んでいる限り、いつどこで被災するか分からないということを実感する。そして3月11日で、2011年の東日本大震災から10年が経つことになる。そうした節目となる日をきっかけに、災害に対する心構えをただすとともに、万が一に災害に遭ったときのための備えを、いまいちどチェックしておきたい。
今回は、ここ1年間で家電 Watchで取り上げた商品を中心に、防災に役立つ最新アイテムを紹介していく。
すでに、今回紹介した製品と類似のアイテムを持っている場合には、必ずしも買い替える必要はないが、できればこの記事を読んだのを機に、今一度、いま準備してある防災用品を、バッグなどから出して確認してみてほしい。特に電気機器は、確実に使える状態にあるのかを試すと良いだろう。また、いま持っているものよりも役立ちそうだと感じた場合は、防災用品のアップデートを検討してもらいたい。
いつも目の届くところに置いておきたい、防災セット
被災時にすぐに避難する必要がある場合に、サッと持ち出せる防災アイテムを常備しておくことは重要。避難時や自宅避難時に必要なセットを、様々なメーカーが販売している。まずはそれらを購入することをおすすめしたいが、もし自身で避難アイテムを厳選したい場合にも、これらセット製品にどんな物が含まれているかは把握しておくと良いだろう。
アイリスオーヤマのリュックに収納した防災セット
避難に不可欠なマストアイテム(簡易トイレ、ウォータータンク、懐中電灯など全23点)を標準装備とした、アイリスオーヤマの「防災セット」。1人用と2人用から選べるほか、食品のありなしも選べる。価格は4,480円~27,800円。
付属のリュックの前面には、横断幕やテントなどに使われる、水を弾くターポリン素材を採用。また止水ファスナーにより、雨天時の避難でも中身は濡れない。そのほか夜間や停電中の避難でも居場所を周囲に知らせる反射板を備えている。
同社が定めるマストアイテムは、同セットを購入せずに自身で揃えるのにも参考になるはず。また、こうした防災セットを購入しつつ、例えば懐中電灯やランタン、サンダルやまくらなどは自身がほかで選んだものと取り替えても良いだろう。
本棚などに収納しておいて普段使いできる防災セットも
生活になじみやすいデザインで、本棚に入れておいたり、普段から外出時に持ち歩いて、日常の「もしも」の時にも役立たせられる、無印良品の「いつものもしも携帯セット MJ-IM6H」などの防災セット。価格は1,690円〜5,490円。
最もアイテムが充実している「いつものもしも備えるセット MJ-IM24H」には、サコッシュやEVAケースが付属するほか、軍手、携帯トイレセット、キャンドル、タオル、ヘッドライト、エマージェンシーシート、ボディシート、耳栓、除菌シート、ハンカチ、三層マスク、救急絆、家族で決めておく連絡のルールが同梱。本体サイズは、275×65×315mm(幅×奥行き×高さ)で、重さは約1.2kg。
いざという時、最低限の電源を確保できるポータブル電源
今や生活に欠かせないデジタル製品。特にスマートフォンは、連絡を取り合ったり情報収集したりするほかにも、ライトやラジオの代用にもなるなど、被災時にも活躍してくれる。そんなデジタル製品を使うのに必要なのが、バッテリーだ。すでにモバイルバッテリーを常備している人は多いだろう。だが、長期間の避難または停電を余儀なくされる場合も想定して、ポータブル電源を用意しておくこともおすすめしたい。
注意が必要なのは、ポータブル電源を買ったままで放置しないこと。数カ月に一度はバッテリー残量を確認し、必要があれば充電しておこう。できれば普段から目の届く場所、かつ直射日光が当たらず風通しが良い場所に、置いておきたい。
インテリアにもなじみやすいデザインの小容量タイプ
容量297Whでコンパクトで軽量な、AUKEYのポータブル電源「PowerStudio PS-RE03」。価格は39,800円。
USB経由のデジタル機器への給電・充電だけでなく、パソコンはもちろん、電気毛布や扇風機など低消費電力な小型家電も使うことができる。
出力は、USB Type-Aが2ポート、USB Type-A(QC3.0)が2ポート、USB Type-C(PD3.0)が1ポート、DC6530が1ポート、シガーソケットが1ポート、AC(100〜120V)の正弦波出力(定格出力は300W)。最大出力(合計)は400W。
本体サイズは262×160×156mm(幅×奥行き×高さ)で、重さは3.7kg。いざという時には、本機を持ち出して避難することも可能だろう。最大100lmのLEDライトも搭載しているので、避難所でも有用だ。
小型家電を2つ同時に使える大容量ポータブル電源
自宅避難時に頼もしいのが大容量のポータブル電源。Ankerの「Anker PowerHouse II 800」は、容量216,000mAh(778Wh)。価格は74,800円。
2つの純正弦波AC出力ポートにより、小型冷蔵庫と電気毛布など2つの小型家電を同時に使用可能。USB Type-C(2ポート)やType-A(4ポート)、DC(2ポート)、シガーソケット(1ポート)の5種類の端子を備え、合計最大出力は770W。最大11台の機器を同時に充電/給電できる。USB Type-Cからの合計最大出力は120W。
本体サイズは約300×185×204mm(幅×奥行き×高さ)、重量は約8.3kg。被災時に家から持ち出すのは難しいだろうが、ランタンや懐中電灯としても使える2種類のライト機能を備えているので、特に自宅避難時には役立つ。
3つに分割して使えるライトが付いたモバイルバッテリー
3つに分割して使える、LEDライトを搭載した、オウルテックのモバイルバッテリー「OWL-LPB2501LA」。価格は7,980円。
LED懐中電灯の機能を搭載した容量2,500mAhのモバイルバッテリー3本が一体となった製品(容量の合計は7,500mAh)。3本を連結した状態であれば周囲360度を照らすLEDランタンとして使え、分割して3人に分けてピンポイントを照らす照明として使うことも可能。
3本それぞれにUSB Type-Aポートを搭載し、スマートフォンなどを充電できる。IP65の防水/防塵仕様。
1本あたりの本体サイズは41.5×30×133.5mm(幅×奥行き×高さ)。重さは約110g。ライトの点灯時間はハンディライトのみの場合が約5/12時間(High/Low)、ランタンのみの場合は約9時間、ハンディライトとランタンを同時点灯する場合が約3/6.5時間(High/Low)。バッテリーへの充電時間は3時間。ハンディライトの明るさは100/25lm(High/Low)、ランタンの明るさは40lm。
ソーラー充電にも対応する防水LEDライト
ライトを搭載する製品は、モバイルバッテリーやラジオなどと多い。だが、兼用製品の場合は、バッテリーの残量などが気になるほか、照度が低いなどの問題もある。そこで、「照らす」ことを主目的とした懐中電灯やランタンなども1つは用意しておきたい。
またソーラー充電に対応していれば、乾電池やバッテリー充電などの準備を怠っていても、晴れてさえいれば充電できる。台風などの被災時には、防塵・防水性の高いアイテムであれば心配が少なくなる。
コンパクトに収納できるランタン型LEDライト
太陽光で充電できる、セイエンタプライズの災害用LED常夜灯「CARRY THE SUN(キャリー・ザ・サン)」。ラインナップは、MediumとSmallの2サイズ展開。それぞれ昼白色や電球色などから選べる。価格は2,600円〜4,500円(税別)。
ヨットの帆に使われる三層構造の耐UV糸素材でLEDを覆い、360度に広がる優しい明かりを実現。使わないときは畳んで薄さ1.2cmになり、使うときは上下のベルトを引っ張ってキューブ型にする。防水・防塵規格IP67準拠。
Mediumの本体サイズは約110×110×110mm(幅×奥行き×高さ)。重さは約86g。連続点灯時間は最大72時間。明るさは弱/中/強の3段階切り替えで、順に約10lm/約20lm/約100lm。
800lmと明るく、ソーラー充電にも対応するLEDライト
容量2,000mAhのニッケル水素充電池を搭載した、朝日電器の「ELPA 充電できるライト DOP-KJ02」。ソーラー充電対応のほか、いざという時にはモバイルバッテリーとしても利用可能。
光源は白色COB LED1灯。明るさはHIが800lm(照度約300lx)、LOWが350lm(同140lx)。連続点灯時間は、HIが約3.5時間、LOWが約10時間。保護等級はIP65(防塵形/防噴流形)。スタンドで立てるほか、吊るして使うことも可能。IP65に準拠し、雨などにも備えられる。
本体サイズは、約100×25×161mm(幅×奥行き×高さ)で、重量は約305g。
状況判断ができる上に音楽も聞けるラジオ
被災時に、スマートフォンが使える状況であれば良いが、電気や通信の確保が難しい場合が多いだろう。そんなときにでも活躍してくれるのが、消費電力の低いラジオ。自身がどんな状況に置かれているのかをニュースで確認できるほか、音楽などを聞いてリラックスすることもできる。
名刺サイズで、防災セットに入れておきやすいミニラジオ
アウトドアと同様に避難時には、できるだけ荷物は小さく軽い方が良い。アイワジャパンのポケットラジオ「AP-DP35」は、AM放送も聞けるワイドFM対応チューナーを内蔵。付属のイヤフォンをつなぐと、FM放送がステレオで聞ける。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は1,980円前後。
名刺サイズのボディには、3.6cm径のモノラルスピーカーを搭載しており、イヤフォンなしでもラジオが楽しめる。
受信周波数は、FM76~108MHz、AM522~1,620kHz。電源は単四形乾電池2本。電池持続時間は、スピーカー使用時で約22時間、イヤフォン使用時で約25時間。ステレオミニ出力を搭載。電池・イヤフォンを含まない重量は、約66g。
LEDライト付きの、シンプルな手回し充電対応ラジオ
ラジオやLEDライト、SOSサイレンを備え、手回し充電可能な小泉成器の「ダイナモラジオ SAD-8702/W」。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は4,000円(税別)。
ワイドFM対応のAM/FMラジオやLEDライト、非常用のSOSサイレンを備えるほか、内蔵充電池と乾電池(単四形乾電池3本)の2Way電源を採用する。内蔵充電池には容量1,200mAhのリチウムイオンポリマー電池を採用。内蔵充電池がフル充電の場合は、ラジオが約13時間、LEDライトが約18時間、非常用ブザー機能が5時間、使用できる。
より安心できる、その他のアイテム
家電 Watchで主に取り上げている防災関連アイテムは上に記した通りだ。だが、その他にも、持っておくと便利だったり安心だったりするアイテムがある。
特に体温計については、新型コロナ禍の今は、避難所へ行く際に持っておきたいアイテムだ。避難生活の間の健康管理にも役立つだろう。そのほか、10年間保存できる乾電池や、温かい食事が食べられるようにする加熱袋、それに幼児のいる家庭におすすめしたい防災用抱っこひもを紹介していく。
新型コロナ禍の今だから、常備しておきたい体温計
使用後の消毒がしやすい収納ケースを採用したテルモの電子体温計「C207」。収納ケースに、オープン形状で内側の拭きとりが簡単に行なえ、汚れも視認しやすい構造の「ふきとるんケース」を採用。価格は2,850円(税別)。
ワキ下で測定する電子体温計で、検温時間は平均約30秒(25秒~40秒)、測定開始後約4分30秒後に実測式に切り替わる。
10年間保存できる「防災電池」
使用推奨期限が10年と、長期保存できる兼松の「防災電池」。単三形アルカリ乾電池40本入りで、価格は1,980円(税別)。
普段から多めに購入しておき、利用したら買い足していくことで災害時に備える「ローリングストック(日常備蓄)」向けを想定した電池だ。
火を使わずに約97℃で食品を温められる「防災加熱袋」
電気や火を使わずに一定時間、袋の内部を約97℃に保てる、兼松の「防災加熱袋」。火を使わずにレトルト食品や缶詰などを温められ、様々な状況で、気軽に温かい食べ物や飲み物が用意できる。
使い方は、まず加熱袋を開けて袋の底を平らにして安定させる。同梱の発熱剤を取り出し、加熱袋の底に置く。温めたいレトルト食品や缶詰などの食材を、加熱袋の中の発熱剤の上に載せる。加熱袋の中に150mlの水を注いだら、ジッパーで袋の口を閉める。なお、海水を注いでも温められる。
発熱は水の注入後、20〜50秒後に始まり、約15分間の加熱が可能。最高温度は約97℃。パッケージは、300×240×25mm(幅×奥行き×高さ)で、重さが500g。
赤ちゃんを火の粉や粉塵から守る「防災用抱っこひも」
日本防炎協会認定の防炎加工生地を使用した、エイテックスの「避難用1人抱きウエストベルトキャリー(抱っこ・おんぶ用)」。価格は13,200円。
抱っことおんぶで使えるウエストベルトタイプの避難用キャリーで、緊急時に素早くホールドでき、手があくので安全。2つのリフレクターと、救護要請などに使用できるホイッスルを備えている。緊急な時にすぐに取り出せて壁掛けができる収納袋付き。
本体サイズは390×470mm(幅×高さ)。ウエストベルトは600〜1,200mm、ショルダーベルトは650〜1,150mm(長さ)。重さは500g。素材はポリエステル100%。本体カラーはオレンジとネイビーの2色。