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ハイセンス、日本専用ラインで作ったエアコン 国内市場へ本格参入
2025年3月31日 11:00
ハイセンスジャパンは、ルームエアコン「Mシリーズ」とスポットエアコンを4月中旬より順次販売する。価格はオープンで、市場想定価格はルームエアコンの6畳用「HA-M22HE5-W」が12万円前後、10畳用「HA-M28HE5-W」が14万円前後、14畳用「HA-M40H2E5-W」が16万円前後、スポットエアコン「HPAC-22H」が45,000円前後。
製品発表に合わせて、日本市場での白物家電事業の本格始動も発表した。これまでは小容量帯の冷蔵庫や洗濯機を多く展開してきたが、春から初夏にかけて大容量冷蔵庫や洗濯機などを投入予定。2024年に国内で台数シェア3位を獲得したテレビに続けて、白物家電も主力製品としていく狙いだ。
「フィルターお掃除機能」を搭載。フィルターを回転させながらブラシでホコリをかき取り、ダストボックスに落とす仕組みで、フィルター掃除にかかる時間は約6分。運転音は23dBと静かな点も特徴。ダストボックスには10年分のホコリを溜められる。
年に一度、ユーザー自身によるフィルター手入れを推奨しているが、その際に説明書を見なくても取り外せるように簡単設計を採用している。フィルターには撥水素材を練り込んでいるため、表面に付着した汚れを流水でラクに洗い流せるという。SIAA認証済みの無機系銀抗菌加工も施している。
室内機と室外機の熱交換器を洗浄する「どっちも解凍洗浄」では、熱交換器を-19℃に冷やし、周囲の水分を付着させて凍らせた後、一気に溶かすことで、カビやニオイ、油汚れ、ホコリなどを洗い流す。
フィルターお掃除機能とどっちも解凍洗浄を併用することで、同機能を利用しない場合と比べて電気代を約15%削減できるという。
パワフルな冷暖房で部屋を素早く快適にする「ハイパワー冷暖」より、2.8kWクラスの暖房能力は同社比25%アップ。省エネ性能(APF)は従来の87%から93%に向上した(いずれもSシリーズとの比較)。なお、気温50℃でも正常に動作する高外気温対応モデルとなっている。
室内機だけでなく、リモコンにも温度センサーを搭載。就寝時などにリモコンを体の近くに置くことで、体感温度にあわせてより快適な室温にコントロールする。室内機とリモコンのどちらの温度センサーを採用するかはリモコンで切り替えられる。
このほか、0.5℃単位の温度設定や、入/切を同時に設定できるタイマー機能などを搭載する。
Wi-Fi機能を備え、「Connect Lifeアプリ」と連携することで、外出先からエアコンをON/OFFしたり、室温が30℃を超えたら自動で運転を開始させるといった設定が可能。なお、Connect Lifeアプリには今度登場する同社IoT家電も集約される予定という。
スポットエアコン「HPAC-22H」はコンパクトかつキャスター付きで、移動や収納がしやすい。窓パネルと排気ダクトが付属しているため、購入後すぐに使用できるのも特徴。窓パネルには虫の侵入を防ぐ防虫網が付いている。
R410Aよりも地球温暖化係数の低い冷媒「R32」を使用。バックライト付きのリモコンが付属する。
日本専用ラインで製造、熟練工の手作業も
ハイセンスジャパンの山本一人 副社長は、今回のエアコンを皮切りにした日本市場におけるターゲットや、今後の参入予定カテゴリーなどについて説明。
「白物家電は、中国・欧州とは仕様が異なるため、日本で販売するには専用の金型を起こして、日本のためだけに作る必要がありました。中国で売っているものをそのまま持ってこれない。そのため、日本でどれだけ売れるか読めない状況、国内メーカーが強く、ローカライズされたカテゴリでは攻めづらかった背景があります」
「近年はローエンド製品で中国メーカーが強くなっている一方で、日本のメーカーは高付加価値のハイエンドを戦略的に展開しているところも多い。この中間となるミドルゾーンが空いており、そこを狙っていくことを考えていて、市場にも合致していると思います。現在、商談レベルではありますが手応えを感じています」
グローバルで展開している同社によると、日本市場では非常に厳しい品質基準をクリアすることが求められているという。そのため、日本専用の生産ラインを設け、日本のニーズに合わせた品質での生産を行なっている。
また、海外メーカーの家電を使う際に気になるサポート体制についても、国内294カ所にサービスネットワークを配置。365日受付の相談窓口を設置するなど、製品開発同様に注力しているという。
山本さんは「今後は容量450L前後の冷蔵庫や、ドラム式洗濯機への参入も考えています。日本にはない独自機能も加えて、付加価値の高い製品を投入していきたい」とコメントしている。