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地震や停電などに備えておきたい、役立ち防災アイテム特集【2021年秋冬】

アイリスオーヤマは、車に積める防災セットも販売している

大雨による土砂災害や、東京都新宿区・文京区でのガス供給停止など、今年も多くの災害が起きている。改めて、いつどんな災害が起こるのか分からないのが日本列島。9月1日の防災の日を、防災意識を高めるきっかけにしてほしい。各自治体が発表しているハザードマップを再確認し、自身が住む地域に、どんな災害リスクがあるのか把握することも重要。同時に、そうした災害に備えて、生活に必要なものが手元にあるか確認しておきたい。

ここでは、これまで家電 Watchで紹介した製品を中心に、多彩な防災アイテムを紹介していく。もちろん、どれだけ備えておくかは、各家庭の人数や年齢構成などの事情にもよる。過去にも防災記事を掲載しているので、自分や家族には何が必要なのか、改めて確認しながらチェックしてみてほしい。

【2021年 春夏版】地震や豪雨など“もしも”に備えておきたい防災アイテム特集

自宅避難でも屋外避難時にも役立つ防災セット

防災アイテムを考えるときに、まず注目したいのが、生活必需品や食品などが詰め合わせになった「防災セット」。各社から、避難する際に役立つアイテムを厳選した防災セットや防災リュックが販売されている。同種の製品を購入して備えるのもよいし、セットを購入したうえで、セットには含まれていない自分が必要だと思うアイテムを追加する、または、セットされているアイテムを参考に、自分だけの防災セットを集めていくのもよいだろう。人数分のセットを備えておけば、自宅避難時にも屋外避難時にも役立つはずだ。

避難時に必要な厳選アイテムをパッケージした防災セット

避難に不可欠なマストアイテム(簡易トイレ、ウォータータンク、懐中電灯など全23点)を標準装備とした、アイリスオーヤマの「防災セット」。1人用と2人用から選べるほか、ガスや電気が使えなくても食べられる食品が同梱されている。価格は14,080円~25,080円(アイテム40品~67品)。

アイリスオーヤマ、リュックでそのまま持ち出せるセット

防災セットのリュックには撥水加工を施し、止水ファスナーを採用。雨天や水害時に持ち出しても中身が濡れにくい。手回し充電ラジオライトや乾電池式携帯充電器、エアベッド/エア枕などのほか、アルファ化米の白米や五目ご飯、ドライカレーなどがセットされている。これらの食品は約5年の長期保存が可能。

防災セット 2人用(62点) NBS2-62

防災用品30点を備えつつ軽量で持ちやすい「防災バッグ30」

被災時の一時避難に必要な防災用品30点をセットした山善の「防災バッグ30」。女性や子供、高齢者でも持ち運びやすいよう、重さは約2kgに抑えている。価格は3,980円。

女性や子供、高齢者でも持ち運びやすいよう、重さを約2kgに抑えている

セット内容は、2WAY懐中電灯(1個)や携帯トイレ(3個)、ミニカッターナイフやライターなど、一時避難時に有用なアイテム30点を厳選。

一時避難時に有用なアイテムが集められている

スマホ充電を含め、電源の確保も重要

電源の確保に重点を置いたA4サイズの梱包箱に収めた兼松の「防災セット」。乾電池式のスマートフォン充電器と、単三形/単四形それぞれ40本入りのアルカリ乾電池、LEDライト付きラジオのセットで、価格は6,480円。

A4サイズで引き出しにしまえる防災セット。乾電池80本と充電器、ラジオ

スマートフォン充電器は単三形アルカリ乾電池6本で駆動し、最大1.5Aの出力を備えている。容量は1,700mAh相当。単三形アルカリ乾電池40本入りの「防災電池」は、耐漏液性を高めて10年間の長期保存が可能。

自動車での避難時に活躍する「車載防災セット」

長時間車から降りられない場合や車での避難時などに活躍する、アイリスオーヤマの「車載防災セット(10点) SBS-10」。食品や保存水、トイレ処理セットを備え、非常時にも安心できる装備内容としている。価格は4,378円。

車載防災セット(10点)「SBS-10」

装備内容は、バックルコンテナ/トイレ処理セット(5回分)×2/トイレ用ポンチョ/ティッシュ/ハンディウェットティッシュ(10枚入り)/アルミブランケット/貼るカイロ(10個入り)/アルファ化米(わかめ御飯)/保存水(500ml)。

10回分のトイレ処理セットを用意。セットが入っているバックルコンテナを活用することで簡易トイレとして使用可能。トイレ使用時のために、透けないポンチョが付属する。

コンテナにセットして使えるトイレ処理セット

被災時の情報収集に役立つラジオ

ラジオと懐中電灯は、防災アイテムとして家電製品でまず思いつくアイテムだろう。ラジオは外界と遮断されがちな被災時に、重要な情報収集アイテムになり得る。またスマートフォンと異なり、乾電池1本での駆動時間が長い点もメリット。また情報収集以外にも、音楽が聞けるなど、安心感を提供してくれる。普段は使うことが少なくなったラジオだけに、用意した防災セットの中に入れておきたい。

手回し充電でも使える防災時計

乾電池と手回し発電の両方で駆動するリズムの多機能型防災クロック「4RQ001-003」。非常時に役立つラジオ機能と懐中電灯機能を備え、スマートフォンの充電も可能。価格は11,000円。

乾電池と手回し発電の両方で駆動

スマートフォンの充電はUSB接続にて行なう。セットした乾電池から直接充電することも、手回し発電で蓄えた内蔵充電池から充電することもできる。また内蔵充電池は、USB充電ケーブルを使用して家庭用電源やパソコンなどからも充電可能。出力端子はUSB Type-A、入力端子はUSB Type-C。

スマートフォンを充電できるほか、懐中電灯としても使える

手のひらサイズでスピーカー内蔵のポケットラジオ「AP-DP35」

横55mm、高さ90mm、厚さ19mmの名刺サイズを実現したアイワのデジタルチューニングラジオ「AP-DP35」。AM放送も聞けるワイドFM対応チューナーを内蔵。価格はオープンプライスで、実売価格は1,980円前後。

モノラルスピーカー内蔵のポケットラジオ

本体には3.6cm径のモノラルスピーカーを搭載しており、イヤフォンなしでもラジオが楽しめる。付属のイヤフォンをつなぐと、FM放送がステレオで聞ける。

受信周波数は、FM/76~108MHz、AM/522~1,620kHz。電源は単四形乾電池2本。電池持続時間は、スピーカー使用時で約22時間、イヤフォン使用時で約25時間。ステレオミニ出力を搭載。電池・イヤフォンを含まない重量は、約66g。

幼い子供のいる世帯が備えておきたい防災ベストと抱っこひも

乳幼児や小学校低学年のいる家庭は、被災時を想定すると、不安が尽きないもの。すべての不安は払拭できないが、子供用の防災ベストや抱っこひもを用意しておくと、安全な場所までの退避時に少しでも安心できるだろう。

防災ベストは、小さくて非力な子供に着せることで、火の危険から身を守りつつ、リュックのように必要なアイテムを運べる収納性を備えているものがおすすめ。また、乳幼児を火の粉から守る防災加工生地を採用した抱っこひもも、安心感が増すだろう。

リュック並みの収納力を備えた子供用の防災ベスト

ベストの前面や側面などに複数のポケットを備えた子供用の防災ベスト「ハコベスト【運ベスト】」。子供用のSSサイズとSサイズがあり、カラーはイエロー、ピンク、グリーン、ネイビーの4色。実売価格は16,500円。

子供用の防災ベスト「ハコベスト【運ベスト】」

防水透湿性に優れた生地を採用。フードは厚手の綿入りで、防災頭巾として活用できる。

13個のポケットと2個の500ml用ボトルフォルダーを備えるほか、背中には大きくマチをとった二重ポケットを搭載。リュック並みの収納力を備えつつ、動きやすいのが特徴。登山などのアウトドアでの使用にも適している。

赤ちゃんを火の粉や粉塵から守る「防災用抱っこひも」

日本防炎協会認定の防炎加工生地を使用した、日本エイテックスの「避難用1人抱きウエストベルトキャリー(抱っこ・おんぶ用)」。価格は13,200円。

赤ちゃんを火の粉や粉塵から守る「防災用抱っこひも」

抱っことおんぶで使えるウエストベルトタイプの避難用キャリーで、緊急時に素早くホールドでき、手があくので安全。2つのリフレクターと、救護要請などに使用できるホイッスルを備えている。緊急な時にすぐに取り出せて壁掛けができる収納袋付き。

本体サイズは390×470mm(幅×高さ)。ウエストベルトは600〜1,200mm、ショルダーベルトは650〜1,150mm(長さ)。重さは500g。素材はポリエステル100%。本体カラーはオレンジとネイビーの2色。

製品サイズ

アウトドアでも活躍するガスカセット式のコンロや発電アイテム

アウトドアシーンでは一般化しているガスカセット式のコンロは、防災アイテムとして注目されることも多い。特に停電時にはIHクッキングヒーターだけでなく、一部のガス調理器は使えなくなる場合がある。自宅避難時には確実に役立つのはもちろん、避難場所にもよるが、ガスカセット式機器が活躍する場面は多い。特に秋から春先まで、寒い季節の避難時には温かい料理や暖房が心の支えにもなるもの。そこで防災時に利用することも想定して、ガスカセット式機器についても、必要なものがあれば用意しておきたい。

コンパクトなOD缶カセットコンロ

大きくて安定性のある20×20cmの五徳を採用し、ダッチオーブンやフライパンで調理できるコールマンの「シングルガスストーブ 120A」。価格は8,900円。

20×20cmの五徳を採用

20×20cmの五徳を採用し、8インチ(直径20cm)のダッチオーブンや直径27cmまでのフライパン、鍋で調理できる。なお煮込み調理には対応しない。

アウトドア用のOD缶仕様のため、一般的な家庭用カセットガスコンロに比べ、寒冷地や高所でも安定した火力を得られる。脚の高さはHigh/Lowの2段階に調節でき、地面に置いてもテーブルの上でも使用できる。

収納時の本体サイズは、約315×125×250mm(幅×奥行き×高さ)。使用時のサイズは、Highが約370×230×230mm(同)、Lowが約310×230×150mm(同)。重量は約2.3kg。火力は約2,150kcal/時(470gレギュラー缶最大出力時)。燃焼時間は約3時間(470g缶使用時)。耐荷重は約10kg。キャリーケースが付属する。

脚の高さを2段階で調節できる

折りたたんでコンパクトになるカセットコンロ

折りたたんでコンパクトにできる、岩谷産業のカセットコンロ「FOLDING CAMP STOVE(フォールディングキャンプストーブ) FW-FS01」。価格は16,500円。

折りたたむとコンパクトになるカセットコンロ

ボディは鏡面仕上げのステンレスで、収納時は一見カセットコンロに見えないデザインとなっている。持ち運びに便利なハンドルも備える。バーナー部は本体の中に収納されており、組み立てて使用する。バーナー部のゴトクに取り付けてテーブルの汚れや熱によるダメージを抑える「ヒートシールド」が付属。ヒートシールドはボディ下部に収納する。

収納時の本体サイズは111×285×114mm(幅×奥行き×高さ)で、重さは約1,600g。最大発熱量は2.2kW。連続燃焼時間は、約120分(カセットガス FORE WINDS ノルマル使用時)。使用できる鍋の大きさの目安は直径24cm以下。点火方式は圧電点火方式。テント内や車内を除く屋内/屋外で使用可。カラーはブラックとシルバー。

折りたたむとコンパクトに収納できる

カセットガス2缶で発電する、屋外用の発電機

カセットガス2缶で発電する、大和無線電器の屋外用発電機「カセットガスインバータ発電機 GEN-1000」。価格は79,800円(税別)。

カセットガス2缶で発電するインバータ発電機

100V/10Aコンセント2口と12V/5Aのアクセサリーソケット、USBポート2つを備える。スマートフォンなどの充電や、家電に対応する。定格出力は1kVAで、合計約825Wを約1~2時間連続で使用可能。災害時や、キャンプ、園芸などで活用できる。

本体サイズは425×235×400mm(幅×奥行き×高さ)で、重さは12kg。発電機仕様(交流)は、50/60Hz(切替式)、100V/10A。発電機仕様(直流)は12V/5A。エンジン形式は空冷4サイクルガスエンジン。排気量は60ml。燃料は液化ブタン。

カセットガス2缶は、本体内に装着する

ご飯もカセットガスで炊ける。5合まで対応する炊飯器

カセットガス式でコードレスで最大5合のご飯が炊ける、岩谷産業の「カセットガス炊飯器 HAN-go CB-RC-1」。価格は59,800円。

カセットガス式の持ち運べる炊飯器

カセットガス式で、5合まで炊ける炊飯器。本体の重さが約5kgで、例えばキャンプなどに持っていき、ご飯が炊ける。停電時でも使えるため、防災用としても適しているとする。

本体サイズは275×275×334mm(幅×奥行き×高さ)。発熱量は約0.8〜1.3kWで、ガス消費量は約59〜96g/時(1〜5合炊き)。カセットボンベ1本の炊飯回数は、1合の場合は約19回、5合の場合は約8回。点火方式は連続放電点火(単三形乾電池1本)。材質は、本体が銅板、炊飯釜がアルミニウム(フッ素加工)、内ぶたや取っ手がアルミニウム、点火レバーや器具栓つまみ、火力調節レバーがPET・PBT合成樹脂。

カセットガスで最長4時間以上燃焼するストーブ

カセットボンベを燃料とする、日本エー・アイ・シーの「Sengoku Aladdin(センゴク アラジン) ポータブル ガス ストーブ」。価格は36,300円。

Sengoku Aladdin(センゴク アラジン) ポータブル ガス ストーブ

本体サイズは、320×335×390mm(幅×奥行き×高さ)で、重量は約5.7kg。アラジンのストーブ「ブルーフレーム」のフォルムを継承しつつも、より持ち運びやすく扱いやすい。

点火方式は圧電点火方式を採用し、連続燃焼時間は約1時間40分~約4時間20分。「圧力感知/立ち消え/転倒時消火/不完全燃焼防止」の4つの安全装置を搭載する。

カセットボンベで約1時間40分~約4時間20分の燃焼が可能
カセットボンベの長期保管には注意を!

OD仕様は別として、カセットボンベはスーパーなどでも購入できる汎用性の高い燃料。また初心者でも取り扱いやすく、保管もしやすいと思われている。だが、製造から長期間経過している場合などで、ガス漏れから引火する事故も起こっている。また、停電時などの自宅での利用では問題が少ないが、地震や火災などのときは、持ち運ぶ際に注意が必要だ。扱いやすいとはいえ、あくまでも燃料。二次災害を起こさないよう気をつけたい。また、できれば普段から定期的に使うように心がけ、取り扱いに慣れておこう。

参考記事:
国民生活センター、カセットボンベの長期保管に関する注意喚起
カセットコンロ利用増で、やけどや焼損事故が多数。NITEが注意喚起

河原塚 英信