家電トレンドチェッカー

部屋を漂う菌やニオイを一掃、最新の空気清浄機まとめ

新型コロナウイルスの影響で、加湿器と同様に空気清浄機が注目されている。そこで、改めて各社の新製品をまとめてご紹介したい。

今回は、空気清浄機でも一般的なフィルタータイプの空気清浄機をピックアップした。フィルタータイプの空気清浄機は、扇風機のようなファンによって空気を吸って、フィルターを通過させて空気をろ過するというのが基本構造。一般的には、大きなホコリなどをキャッチするプレフィルター、目に見えないほど小さな菌などを捕集する集塵フィルター(多くはHEPAフィルター)、さらに活性炭などニオイを吸着させる脱臭フィルターなどを備えている。これらのフィルターで空気をろ過して、キレイな空気を部屋の中に戻すのが空気清浄機だ。

そのほか、加湿器を備えた空気清浄機も多くラインナップされている。加湿器と空気清浄機が一つになっているので、省スペース。さらに加湿をすることでホコリや花粉の舞い上がりが抑えられ、集じんしやすくなるとも言われている。特に乾燥しやすい冬場のエアコン利用時などに、併用すると良いだろう。

いずれにしてもフィルタータイプの空気清浄機は、使うほどに捕集したホコリなどで、内蔵フィルターが汚れていく。そのためフィルターの掃除や交換が必要だ。そうしたメンテナンスをせずに使い続けると、空気清浄の効力が弱まっていくので注意したい。

また特に国産メーカーは、各社が独自開発したイオン発生機などを搭載していることが多い。パナソニックの「ナノイー」、シャープの「プラズマクラスター」などが挙げられるほか、ダイキンは「ストリーマ技術」を搭載。各社とも“技術的には”新型コロナウイルスに対する不活化効果を実証している。ただし、留意すべきなのは、どれも“実証実験”の環境下で分かっているということ。実際の生活空間内で市販製品を使って効果を保証しているわけではないという点だ。そこで各社とも「実機・実使用環境での効果を示すものではない」としている。

空気清浄機の新製品が、フィルターを含めて、どんな機能を備えているかを見ていこう。

【記事で紹介するラインナップ】

単機能
  • エレクトロラックス・ジャパン「Pure A9 PA91-606」
  • パナソニック 空気清浄機「F-PXT55」
  • ブルーエア(Blueair) 35畳までの「Blue 3410」と、15畳までの「Blue 3210」
  • ブルーエア(Blueair) 「Blueair Protect」2シリーズ
加湿空気清浄機
  • シャープ 「プラズマクラスター加湿空気清浄機 KI-NS50」
  • パナソニック 加湿空気清浄機「F-VXT90」
  • ダイキン 「加湿ストリーマ空気清浄機 MCK70X」

【単機能】エレクトロラックス・ジャパン

ウイルスを99%除去するHEPAフィルター搭載の、エレクトロラックスの空気清浄機「Pure A9」シリーズ。その中の大風量モデルで、適応畳数が約54畳なのが「PA91-606」。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は87,780円(税込)。

360度全方位から空気を吸引して、スパイラル状の空気の流れを作り出すことでキレイな空気を部屋の隅々まで届けるという。

フィルター

粒径0.3µmの粒子を99.97%捕集するHEPAフィルターや、活性炭を含む多層フィルターを搭載。ハウスダスト・花粉・PM2.5などの微細な粒子を99%除去し、浮遊細菌・浮遊カビ・浮遊ウイルスを99%捕らえて、生活臭もキャッチするという。フィルターの交換目安は約2年。

その他の機能

室内の空気の状態をリアルタイムで計測し、4色のライトで部屋の状態を表示。風量調節は9段階で、付属のリモコンで操作できる。また空気清浄機の風量を自動で調整して、部屋の空気をキレイにするスマートモードも搭載する。

ファブリックを採用した五角形のデザインも特徴。

仕様やカラーなど

・適応畳数が約54畳
・本体サイズは315×315×750mm(幅×奥行き×高さ)
・重さは8.9kg
・運転音は18〜52dB
・コード長は約2m
・本体カラーはグレー

【単機能】A4サイズのスペースに置ける25畳対応のナノイー空気清浄機

パナソニックの空気清浄機「F-PXT55」

設置面積がA4サイズの省スペースでありつつ、適用畳数が25畳のパナソニックの空気清浄機「F-PXT55」。価格はオープンプライス。店頭価格は44,000円前後(税込)。

設置面積は300×195mm(幅×奥行き)と省スペースで、独自イオン「ナノイー」を備える空気清浄機。吸込口を本体下部に配置し、ハウスダストをしっかりとキャッチする。

フィルター

活性炭を粒状にしてフィルター枠に貼り付けた「スーパーナノテク脱臭フィルター」を搭載。活性炭はナノレベルの超微細な穴でニオイの元を吸着するという。

スーパーナノテク脱臭フィルターを搭載
その他の機能

部屋に充満する、料理臭や生ゴミ臭などの生活臭をニオイセンサーが感知して、ニオイを取り除く。

またセンサーが汚れの種類を見分けて、2つの気流を自動で切り替える。「ハウスダスト気流」では、床上30cmに溜まりがちな大きく重い汚れを吸引。「ニオイ・けむり気流」では、室内全体や上方に漂う小さな汚れを逃さず吸い込む。

仕様やカラーなど

・適用畳数が25畳
・本体サイズは300×195×580mm(幅×奥行き×高さ)
・重さは約5.8kg
・消費電力は7W(静音)~49W(ターボ)
・運転音は18dB(静音)~52dB(ターボ)
・本体カラーは、ホワイトとブラックの2色

【単機能】シンプル&カジュアルなブルーエア「Blue 3000シリーズ」

ブルーエア「Blue 3000シリーズ」

本体下部360度全方向からパワフルに空気を吸引する円筒形の、ブルーエア(Blueair)「Blue 3000シリーズ」

適用床面積35畳までの「Blue 3410」と、15畳までの「Blue 3210」の2モデルをラインナップ。直販価格は順に35,000円、22,000円。

フィルター

8畳あたりの清浄時間は約6分(Blue 3410)。

本体下部360度全方向からパワフルに空気を吸引し、ファンが空気を効率的に引き上げ、天面から部屋全体にキレイな空気を供給する「HEPASilentテクノロジー」を搭載。綿ぼこりなどの大きな汚染物質は本体周囲のプレフィルターでキャッチ。ハウスダストや花粉、ウイルスや菌などの微細な汚染物質はイオナイザーでマイナス帯電させ、あらかじめプラス帯電してある内部の多層フィルターへ強力に吸着させることで、0.1µmまでの微粒子を99.97%除去する

HEPASilentテクノロジーを搭載し、0.1µmまでの微粒子を99.97%除去
その他の機能

搭載センサーにより、空気の状態に合わせて運転スピードを自動的に調整する「オートモード機能」と、空気の状態を可視化する「空気環境ステータスランプ」を備える。

仕様やカラーなど(Blue 3410)

・本体サイズは260×520mm(直径×高さ)
・重さは約3kg
・風量は1.5〜7.1m3/分
・消費電力は3〜35W
・運転音は23〜52dB

【単機能】0.03µm微粒子を99%以上除去する「Blueair Protect」

ブルーエア「Blueair Protect」シリーズ

PM0.1よりも微細な0.03μmのナノレベルの超微粒子を99%以上除去するブルーエア(Blueair)「Blueair Protect」シリーズ

適用床面積70畳までの「7700シリーズ」が122,800円~142,800円、40畳までの「7400シリーズ」が92,800円~112,800円。

フィルター

8畳あたりの清浄時間は約4分(7700シリーズ)。

新機能のHEPASilent Ultraは、ブルーエアの基幹技術「HEPA Silent」を進化させた粒子除去テクノロジー。イオンバリアによる静電効果で空気中の有害物質をフィルターへ強力に吸着させ、PM0.1よりも微細な0.03µmのナノレベルの超微粒子まで、99%以上除去するという。 多層構造のフィルターに加え、ニオイの除去に効果的なココナッツカーボンフィルターと綿ぼこりなどの大きな汚れを取り除くプレフィルターも備える。

多層フィルターに加え、強力なカーボンフィルターとプレフィルターを備える
その他の機能

搭載された「GermShield」機能は、温度センサーと湿度センサーを活用して常に室内の空気状況をモニターし、フィルターや本体内部のウイルスや菌を不活化するという。

仕様やカラーなど(7700シリーズ)

・本体サイズは340×340×855cm(幅×奥行き×高さ)
・約19kg
・消費電力は9~72W
・運転音は27~55dB
・風量は3.2~13.1m3/分

【加湿空気清浄機】強力加湿で低騒音のプラズマクラスター空気清浄機

シャープ「プラズマクラスター加湿空気清浄機 KI-NS50」

本体をスリムにしながら「二層構造加湿フィルター」で加湿性能を高めたシャープの加湿空気清浄機「KI-NS50」。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は60,500円前後(税込)。

フィルター

8畳あたりの清浄時間は約12分。

静電HEPAフィルター、ダブル脱臭フィルター、抗菌・防カビホコリブロックプレフィルターを搭載。静電HEPAフィルターは0.3µmの微小な粒子を99.97%以上集じんでき、10年間交換不要。ダブル脱臭フィルターは、活性炭に吸着剤を加えて汗臭などを吸着する。

3つのフィルターで脱臭・集じん
その他の機能

「二層構造加湿フィルター」は、湿らせた風を2回通すことで、より多くの水を気化して放出する。潤いのある風を室内に効率よく送り出し、従来比で加湿性能を50ml/時アップしながら、運転音を9dB低減。加湿「強」運転時は600ml/時でたっぷり加湿できるという。水タンク容量は約2.7L。

仕様やカラーなど

・本体サイズは384×230×619mm(幅×奥行き×高さ)
・重量は約7.9kg
・空気清浄適用床面積は23畳
・プラズマクラスター適用床面積は13畳
・最大風量は5.1m3/分
・消費電力は4.4~24W(加湿空気清浄時)
・運転音は19~43dB(同)
・本体カラーはホワイト系とグレー系

【加湿空気清浄機】パナソニックはエアコン暖房と連携、加湿もできる

パナソニックの加湿空気清浄機「F-VXT90」

暖房とIoT連携で加湿して乾燥を防ぐ、花粉の集じん量1.5倍のパナソニックの加湿空気清浄機「F-VXT90」。価格はオープンプライス。店頭予想価格は96,000円前後。

フィルター

8畳あたりの清浄時間は約7分。

気流を効率よく循環させる「3Dフロー花粉撃退気流」により、集じん量を向上させたという。送風口の形状を見直し、気流を部屋全体に効率よく循環させることで、ハウスダストの中でも特に重たく、床上30cmに溜まりやすい花粉もパワフルに吸引する。

フィルターは「プレフィルター/清潔HEPAフィルター/スーパーナノテク脱臭フィルター」の3つを搭載し、約10年交換不要。

フィルターは「プレフィルター/清潔HEPAフィルター/スーパーナノテク脱臭フィルター」の3つを搭載
その他の機能

OHラジカル量が従来の「ナノイー X」の2倍の、高濃度「ナノイー X」を搭載する。

スマートフォン専用アプリ「ミルエア」で、運転モードをカスタマイズできる「わたし流運転」機能を利用できる。「花粉/ハウスダスト/PM2.5/ニオイ/湿度/運転音」の項目について、気になる度合いを入力することで、使用者の悩みに合った運転モードの設定ができるという。アプリではほかにも、外出先からの電源オン/オフ、部屋の空気の状態や稼働ログの確認が可能。

仕様やカラーなど

・本体サイズは約398×287×640mm(幅×奥行き×高さ)
・重量は約11.7kg
・空気清浄運転時の適用床面積は40畳
・加湿時の適用床面積は24畳/15畳(プレハブ洋室/木造和室)
・加湿量は300~870ml/時
・本体カラーは木目調、ホワイトの2色

【加湿空気清浄機】ダイキンはウイルスや菌に強いストリーマ搭載。抗菌フィルターも

ダイキン工業の加湿ストリーマ空気清浄機「MCK70X」

集塵効率の高いHEPAフィルター「TAFUフィルター」のほか、高速電子を放出する「ツインストリーマユニット」、「アクティブプラズマイオン発生ユニット」を搭載したダイキン工業の加湿ストリーマ空気清浄機「MCK70X」。価格はオープンプライス。店頭予想価格は65,000円前後。

フィルター

8畳あたりの清浄時間は約9分。

集塵効率の高いHEPAフィルター「TAFUフィルター」を採用。撥水性の高い繊維を採用したことで、汚れが広がりにくく、静電力が落ちにくいという。10年間は交換が不要で、約72%の性能をキープできるとした。

集塵効率の高いHEPAフィルター「TAFUフィルター」などを搭載する
その他の機能

プラズマ放電によりイオンを空気中に放出する「アクティブプラズマイオン」発生機のほか、有害物質を酸化分解する同社独自の技術「ストリーマ」を搭載する。

持続性抗菌剤「KOBA-GUARD(コバガード)」採用の抗菌加湿フィルターを搭載し、抗菌性能を高めた。コバガードは小林製薬が開発したもので、潜水艦の閉ざされた空間でカビや菌の増殖を抑制するために開発された技術を活用。また、水トレーには銀イオンカートリッジを搭載し、ストリーマやコバガード採用の抗菌加湿フィルターと併せて、加湿器の清潔性を向上した。

仕様やカラーなど

・本体サイズは395×287×600mm(幅×奥行き×高さ)
・重量は約12.5kg
・空気清浄運転時の適用床面積は31畳
・加湿空気清浄運転時の適用床面積は31畳
・加湿量は650ml/時
・最大風量は7.0m3/分
・本体カラーはビターブラウン、ホワイトの2色

河原塚 英信