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新型コロナ不活化に効果、東芝とウシオが有人環境下で使える紫外線照射装置

ウイルス不活化・殺菌技術「Care222」を搭載した紫外線照射装置。写真はユニバーサルダウンライトタイプ「UVee(ユービー)」

東芝ライテックとウシオ電機は、有人環境下で使用できるウイルス不活化・殺菌技術「Care222」を搭載した紫外線照射装置2機種を、2021年1月に発売する。ラインナップは、ベーシックタイプとダウンライトタイプの2機種。

ベーシックタイプとダウンライトタイプ

人に優しい紫外線波長域(200nm〜230nm)のみを照射する「Care222光源モジュール」を搭載した、紫外線照射装置。従来の紫外線殺菌装置とは異なり、紫外線本来のウイルス抑制・除去能力を保持しつつ、人体に危険を及ぼさず有人環境での照射が可能だとする。

点灯モードは、有人環境下で照射するモードと、無人環境下のみで照射するモードの2種類から選択できる。

同社によれば、有人環境下で紫外線を照射できる時間や限度値は、ACGIH(アメリカ合衆国産業衛生専門官会議)で定められているという。そのガイドラインに沿って、同機は点灯と消灯を繰り返して、照射量をコントロールする。照射物までの距離に応じてモード選択ができるほか、内蔵の近接センサーにより、自動的に消灯する安全機能を備えている。

点灯と消灯を繰り返して、照射量をコントロール

ベーシックタイプ「Care222 i-シリーズ」は、取付冶具との組み合わせにより、首振り角度や水平回転角度を自由に設定可能。入力電源はDC24V。消費電力は15W。重さは1kg。ランプ公称寿命は3,000時間。

ユニバーサルダウンライトタイプ「UVee(ユービー)」は、埋込タイプで圧迫感がなく、首振り角度45度、水平回転角度340度に調整可能。照射範囲の自由度が高い点が特徴。入力電源はAC100〜240V。消費電力は20W。重さは2.5kg。ランプ公称寿命は3,000時間。

ベーシックタイプ「Care222 i-シリーズ」
ユニバーサルダウンライトタイプ「UVee(ユービー)」

新型コロナウイルスの不活化効果も確認

なお、同機に搭載された人に優しい紫外線波長域のみを照射する「Care222光源モジュール」を開発したのは、ウシオ電機。

同社によれば、紫外線は新型コロナウイルスをはじめとする、あらゆるウイルスや細菌のDNAやRNAを直接破壊し、不活化・殺菌することができるという。

現在、紫外線によるウイルスの不活化や殺菌には、主に波長254nmの紫外線が使われている。だが、波長254nmでは、皮膚がんや角膜炎を発症させる恐れがあり、人がいる空間での使用は避けられてきた。

一方で「Care222光源モジュール」は、波長222nmのエキシマランプと独自の光学フィルターを組み合わせることで、ウイルス不活化と殺菌をしつつ人体に安全な照射を実現したという。

222nm紫外線ウイルス不活化・殺菌技術「Care222」について、広島大学病院 感染症科の大毛宏喜教授と、同大学大学院 医系科学研究科ウイルス学の坂口剛正教授グループが、新型コロナウイルスの照射実験を実施。新型コロナウイルスの不活化効果が確認されたという。

Care222技術のウイルス不活化・殺菌効果