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ダイキンの「ストリーマ技術」、新型コロナ不活化の効果を実証

ストリーマ放電

ダイキン工業は16日、同社独自の「ストリーマ技術」が、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)に対する不活化効果を確認できたと発表した。同社はこれを、東京大学大学院 農学生命科学研究科 久和茂教授、岡山理科大学 獣医学部・微生物学 森川茂教授らの研究グループと、共同で実証したという。

ストリーマ技術は、ダイキンの空気清浄機やエアコンの一部に搭載されているが、本実証は、試験用ストリーマ発生装置を用いた実験の結果であり、実機・実使用環境での効果を示すものではないとする。

評価は、まず新型コロナウイルスと同じ属に属するウイルスの1つ、マウスコロナウイルス(MHV-A59)を用い、実験系を確立。その後に、新型コロナウイルスを用いて評価を行なったという。

実験結果では、ストリーマを1時間照射することにより新型コロナウイルスは93.6%不活化させ、3時間照射することにより99.9%以上を不活化されたとする。

ストリーマを1時間照射することにより新型コロナウイルスは93.6%、マウスコロナウイルスは91.8%不活化された。ストリーマを3時間照射することにより新型コロナウイルスおよびマウスコロナウイルスが99.9%以上不活化された。

ストリーマ技術は、2004年に同社が実用化したストリーマ放電により有害物質を酸化分解する技術。

プラズマ放電の一種であるストリーマ放電は、「高速電子」を安定的に発生させることに成功した空気浄化技術で、一般的なプラズマ放電(グロー放電)と比べて、強力な酸化分解力が得られるという。そのため、ニオイや菌類・室内汚染物質のホルムアルデヒド等に対しても持続的な除去効果がある。

同社はこれまでにも、鳥インフルエンザウイルス(A型H5N1)やインフルエンザウイルス(A型H1N1)、マウスノロウイルス、食中毒の原因となる毒素や細菌といった有害物質に対して、大学及び公的研究機関と共同で効果実証してきた。

これまでに実証されたウイルスの試験項目