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[始めよう薬膳レシピ23]肩こり緩和に「香味炒め」で血行促進!
2017年 11月 30日 18:00
日ごとに寒さが強まり、体のこわばりや肩こりを感じませんか。今回は、血行を促進してくれる「エビ」と「黒キクラゲ」を使い、風邪予防にもなる「ニンニク」で香り付けした、中華風炒めのレシピをご紹介します。このメニューなら体を温めつつ、腸内環境を整えたり、お肌への嬉しい効果も期待できますよ。美味しくいただいて、上手に寒さをかわしていきましょう。年の瀬に向けて忙しくなり、疲れが溜まったときにもお試しくださいね。
血行促進の「香味炒め」の食材効果
今回ご紹介するのは、アンチエイジング効果が期待できる「エビ」に、美肌食材の「黒キクラゲ」を合わせた、血行促進の「香味炒め」です。「ヤマイモ(長芋)」や「ピーマン」など、歯ごたえの良い野菜をたっぷり使うので、シャキシャキとした食感も楽しめます。
「ヤマイモ」はエネルギー補給しやすく、肌乾燥も和らげてくれるため、寒い季節にぴったりの食材。「セロリ」は、熱体質の方向けや、頭に血が上ってカッカしたり、イライラしたりといった、精神面のクールダウンに、「ピーマン」は免疫力UPに役立つ野菜ですよ。
また、下味には血流を良くして体を温めたり、風邪予防、疲労回復の効果でも有名な「ニンニク」を使って、流行っている風邪の対策も。食材(薬膳)の力を味方にしながら、健やかに過ごしていきましょう。
血行促進の「香味炒め」の材料(2人分)
乾燥黒キクラゲ:10~15g(片手いっぱいに乗るくらい)
ぬるま湯:適宜(乾燥黒キクラゲを戻すのに使用)
エビ:150~200g
塩:適宜(エビの下処理、味付けに使用)
片栗粉:少々(エビの下処理に使用)
ヤマイモ:80g(または長芋、長さ10cmくらい)
ピーマン:2個
セロリ:2/3本
ニンニク:1片
ゴマ油:適宜
黒コショウ:少々(コショウで代用可)
XO醬:大さじ1(オイスターソースで代用可)
クルミ:適宜(なくても可)
血行促進の「香味炒め」の作り方
1.乾燥黒キクラゲは、たっぷりのぬるま湯へ20~30分浸して戻し、柔らかくなったら1口大に切っておきます
2.エビは殻を剥いたら、包丁で薄く切り込みを入れながら、背ワタと腹ワタを取ってボウルへ入れ、塩、片栗粉を順に揉み込んで汚れを取り、よく洗い流しておきましょう
3.ヤマイモまたは長芋は約2cm角の拍子木切りに、ピーマンは1口大に、セロリは幅7mmほどの薄切りに、ニンニクはスライスしておきます
4.ゴマ油を熱したフライパンでニンニクを炒め、香りが立ったらエビを入れて火を通し、黒キクラゲ、塩、黒コショウ(またはコショウ)を加え、炒めましょう
5.次に、刻んだヤマイモ、ピーマン、セロリを入れて加熱し、最後に塩、コショウ、少々のお湯で溶いたXO醬を回し掛け、全体を絡めたら出来上がりです
6.お皿に盛り付け、セロリの葉と、あればクルミを散らしていただきましょう
野菜は、全ての種類を使わなくても大丈夫です。またXO醬を使うとピリ辛味に仕上がるので、辛い味が得意でない方は量を加減してくださいね。XO醬はベースに味噌かオイスターソースを使い、そこへ、お好みで刻んだ干しエビ、干し貝柱、唐辛子を入れると似た味になります。ここまでしなくても、味噌+中華ダシ+唐辛子での味付けでもOK。野菜も調味料も、ご自宅にあるものを組み合わせて作れますよ!
「エビの下処理方法」や、「エビの旨味」について気になったときは、下記記事を参考にしてみてくださいね。
◇【調理の下処理5】殻と背ワタの取り方、臭味取りまで、エビ下処理のコツ
◇【調理の化学】旨味を引き出すエビの茹で方
薬効1「エビ(海老)」
薬膳では、「ワカメ」「コンブ(昆布)」といった海藻類や、「アサリ」「シジミ」「カニ(蟹)」などの食材を、体の熱や火照りを取る「涼寒性」に分類しています。一方「エビ(海老)」は、体を温める「温性」であるうえ、五臓の「腎(じん)の働き」を助けるので体力を補い、寒い季節におすすめの海鮮食材です。また血行を促進するため、肩こりや冷えも改善してくれますよ。
薬効2「黒キクラゲ(黒木耳)」
「黒キクラゲ(黒木耳)」は乾物と生タイプがあり、乾燥キクラゲは水かお湯で柔らかくなるまで戻してから調理します。効能は、今回使った「セロリ」と同様で「食物繊維」が豊富なため、便秘を軽減し、腸内環境を改善します。
薬膳では、血流(「血」)と関わりが深い食材なので、子宮の病に効くと考えられていて、【始めよう薬膳レシピ10】では、疲労や生理痛対策として、「シイタケと黒キクラゲ炒め」を紹介しました。
似た名前でも色が違う「白キクラゲ」は、肌乾燥を和らげる食材です。レシピでは、「白キクラゲのひんやりデザート」をご紹介していますので、プルプル肌になりたい方は【始めよう薬膳レシピ16】をチェックしてみてくださいね。
エビは尻尾(しっぽ)まで食べる⁉
薬膳には、食材をなるべく丸ごといただく「一物全体」という考えがあります。「丸ごと」と言うのは、よく洗った野菜や果物の皮などを剥かずに調理したり、今回なら、エビの尻尾まで、残さず食べるといった具合で、食べ物の恩恵を全て受け取ります。「一物全体」とは言うものの、キウイの皮や魚介の硬い殻など、なかには消化が良くない部分もあるので、無理のない範囲で取り入れるのがおすすめですよ。
エビの尻尾には「カルシウム」を始め、生活習慣病の予防になる栄養素「キトサン」などが豊富なので、苦手でない方は召し上がってみてくださいね。また前述の「アサリ」や「シジミ」の殻には、ミネラルが豊富なため、殻ごと煮込んだスープにして、いただいてもいいですね。