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【不調の薬膳18】朝が辛いあなたに!元気の出るおすすめ食べ物&ドリンク
2016年 10月 1日 06:30
季節を問わず、朝から「シャキッと」活動できたら、気持ちよく1日を始められますね。薬膳でご紹介する食材なら、頭を起こして集中力を高め、体にエネルギーを満たしてくれますよ。まずは朝食を摂ることで体にエネルギーを満たして、「気」「血」「水」のバランスを良くしていきましょう。「朝は苦手だな」と感じる方は、生活のリズムを見直したり、朝から「噛んで食べて」「動く」のもひとつの方法です。眠気を覚ましたり、体がスッキリする野菜やお茶も紹介していきますので、できることから始めて、自分にとって過ごしやすいライフスタイルをゆっくり作っていきませんか。
食べることから始める!消化しやすい「ごはん」や「お粥」
東洋医学や薬膳では、「薬食同源(やくしょくどうげん)」という言葉を使い、食べ物も薬と同じで、毎日の食事によって病気から遠ざかり健康を維持するという考え方をします。漢方薬だけでなく、お粥やお茶も体を建て直すと考えて、薬膳で使われていますよ。そして「食べる」=「噛む」という動作も、脳に刺激を与えて脳の働きを良くしてくれるので、朝からしっかり食べることが重要なのです。朝食の主食は、「小麦」だとやや体を冷やすため、万能食の「ごはん」をよく噛んで食べるのがおすすめで、「朝はあまり食欲がないな」という方は「お粥」を試してみてください。また人気が続いている玄米は、ごはん(白米)よりも確かに栄養素が豊富ですが、消化が良いのは「ごはん」の方。薬膳の「五味調和」で食材のバランスを摂りながら、焦らず長い目で食生活をみていきましょう!
「ピーマン」に「セロリ」、緑の野菜で朝の体を起こす
薬膳で朝の体に効く野菜といえば、「ピーマン」や「セロリ」です。生で手軽に食べられるので、サラダやスムージーに加えても食べやすい野菜ですよね。ピーマンは豊富な「ビタミンC」で「鉄分」の吸収を高めたり血流を良くし、セロリは熱を冷ましたり頭痛にも効くほか美肌に一役買ってくれますよ。いずれもそれぞれの爽やかな香りが、「気」を整え、ボーっとした頭をスッキリさせていきます。また胃に優しいスムージーを作りたいときは、「キャベツ」を多めにしてみてくださいね!とは言うものの、生野菜やスムージーだけでは体を動かすエネルギーがちょっと足りないので、朝食へ卵料理やウインナーなどのタンパク質も使って「活力」のもとになる食材もプラスしていきましょう!
「珈琲」の豊かな香りで、頭スッキリ!
五味で「苦」の「珈琲」は、眠気を発散させて頭をスッキリさせるほか、集中力のアップも期待できます。豊潤な香りが「気」を巡らせるので、やる気を起こすとされています。また豊富な「ポリフェノール」の抗酸化作用で体内の脂質が酸化するのを防いだり、「便秘」も解消するため体をスッキリさせて衰えを回避できますよ。一方で珈琲は「温性」に分類されていますが、利尿作用が強いため冷え性の方や、大事な場面の前では控え目に!さらに飲み物のなかでは作用が強く、摂り過ぎると不安感が増したり、覚醒作用で眠れなくなる、胃痛を起こすといったこともあるので、自分の体調に合わせて量を調節しましょう。
「ミント」の「涼性」パワーを借りて、気分爽快!
先に紹介した珈琲以外にも、「ペパーミント」や「ローズマリー」を使ったハーブティーは気分を爽やかにする作用に優れ、また疲れを取る「ハチミツ」を入れても美味しいので、朝はもちろんリラックスにもおすすめのドリンクです。珈琲や紅茶は「カフェイン」が入っているので、心臓系疾患がある方は避けたほうが良く、胃がゴロゴロしてしまうなど苦手な方もいらっしゃると思いますが、ハーブティーなら低刺激のお茶も多く、乾燥茶葉やティーパックも販売されていて手軽なのも嬉しいですね。なかでも「涼性」の「ミント」は、サラダに和えたりスムージーにプラスできるので朝食にも使いやすく、体のほてりを取ったりイライラを鎮めてくれます。冷え性が気になる方は生食なら日の高いうちに、量を控え目にいただきましょう!
熱を解いて「体サッパリ」、「抹茶」を試してみよう
日常で飲む機会の多い不発酵の「緑茶」は、「涼性」なので体の熱を取り除いて、体を冷やしてスッキリさせる作用があります。体に熱を溜めやすい「熱証」タイプの方は、熱バランスをうまく調整できないために、朝から不調を感じることがあるので「緑茶」を飲んだり、茶葉の栄養素を丸ごと摂れる「抹茶」を試してみましょう。抹茶の良い点は、リラックス効果のある「テアニン」を摂りやすいこと。朝から落ち着いた気分で過ごせるのはもちろん、「ビタミンC」や「カテキン」の作用でお肌もキレイになりますよ。また抹茶は、煮物やカッペリーニに振りかけて食べても美味しく、朝に限らず、おやつやドリンクでも楽しめるのでぜひ試してみてくださいね!
まとめ
これから寒さが強まるので、朝起きるのを億劫(おっくう)に感じる場面が増えてくるかもしれません。そこで薬膳を活用すれば、朝が楽しくなる工夫を試していけますよ!東洋医学や薬膳では、寝不足で「血」が消耗してしまうと考えるため、出来るだけホメオスタシスに従って早めに寝るのが理想なのですが、忙しいとそうもいきませんよね。もし家事や仕事で朝が辛いと感じたら、食べ物の「香り」の力もぜひ使ってみてください。野菜の効果は栄養素で測れますが、薬膳では調理する前に生の野菜の香りを嗅いで体に「気」を流し、リラックス効果を促すこともできますよ。香りが「気」に効く代表的な野菜は「セロリ」、「シソ」、「ミョウガ」などで、もちろん食べて免疫力を上げたり、胃腸の働きを良くしたりもできるので、みなさんの味方になってくれること間違いなしですね!