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【不調の薬膳25】「水」不足で不調に?「脱乾燥」して、滋養も補うレシピ

これまで、余分な「水」で「水毒」や「水太り」を起こすと紹介しました。ですが「水」は、不足しても肌乾燥を起こしたり風邪を引くので、今回は肌や粘膜の乾燥を和らげて、体にも優しい料理を3品お送りします。特にこれから乾燥が強まると、肌が乾燥して荒れるほか、乾燥した喉(のど)や鼻の粘膜にウイルスが入り込んだりと、風邪を引きやすくなります。薬膳では適した食材で乾燥を緩和したり、滋養を補ったりできますよ。

 

イソフラボンで女性の体にも嬉しい「豆腐」グラタン

乾燥を和らげてホルモンバランスも調える、豆腐や豆乳を使った女性に嬉しいグラタンです。マカロニを茹でる間に、フライパンで刻んだ長ネギ(【不調の薬膳9】食材紹介)をバターで炒めて香りを出し、長ネギを取り出します。ほぐした豆腐、豆乳、塩、コショウを炒めてソースを作り、バターを塗った耐熱容器へ流し、炒めた長ネギ、マカロニ、ツナ、溶けるチーズを加え、オーブンかトースターで約5分焼いたら出来上がり。パセリを散らしたり、茹でたブロッコリーを添えていただきましょう。

 

「豆腐」は、体に必要な「水」の不足で起こる皮膚や粘膜の乾燥に効果的で、【基本の薬膳19】でご紹介した通り、気温の高い季節にはそのまま食べると熱冷ましにも適しますよ。「豆腐」と「豆乳」のそれぞれが、ホルモンバランスを調えるので女性の体に優しく、「パセリ」は「苦」味で利尿や解毒の作用があり、老廃物を体外に出したり、食欲増進の効果で体バランスを調えてくれます。

 

「レンコン」や「ダイコン」で作る、あったかみぞれスープ

肌や粘膜の乾燥を和らげて、胃腸にも優しい「レンコン」と「ダイコン」のみぞれ(すりおろし)で作るスープです。鰹(かつお)ダシのスープに、スライスしたニンジンとコンニャク、鶏団子を入れて温め、すりおろしたレンコン(【不調の薬膳23】レシピ紹介)とダイコンを加えて吹きこぼれないように加熱します。みりん、薄口醤油で調味し、春菊(【不調の薬膳19】レシピ紹介)と刻みショウガを加えたら完成です。 

 

「レンコン」「ダイコン」「コンニャク」はそれぞれが「食物繊維」を含むので、腸内環境を改善して免疫力をUP、美容面や風邪予防も期待できます。「コンニャク」の代わりに「白キクラゲ」(【不調の薬膳15】食材紹介)を使うと、お肌がプルプルに!「ショウガ」は、風邪予防になるほか、適度に温めたものを継続して食べると代謝を上げて、ダイエットに効果をもたらしますよ。「レンコン」「ダイコン」「コンニャク」「ニンジン」は炒めて調理しても美味しく、「ダイコン」の代わりに「ナシ(梨)」を使っても甘みのある味付けが美味しく、喉の痛みや渇きを和らげます!

 

「カボチャ」や「ヤマイモ」の温野菜、柿コンポート添え

電子レンジであっという間にできる温野菜です。600Wの電子レンジで、スライスしたカボチャを約3分、皮を剥いたヤマイモを約2分、小房に分けたブロッコリーを約1分、水を振り掛けてから加熱します。お皿に盛り付け、カットした水菜、パプリカを添えたら、玉ネギドレッシングを回しかけて出来上がり。マヨネーズやクリームチーズを、ディップのようにして食べても美味しいです。

 

柿のコンポートは、やわらか目の柿を切って鍋に入れ、水、黒砂糖(【不調の薬膳10】食材紹介)と一緒に煮たら出来上がり。レモン汁(【旬の薬膳11】食材紹介)を絞っていただきましょう。

 

「カボチャ」は「血」を巡らせる力があり、「βカロテン」が豊富なので皮膚や粘膜を丈夫にする食材です。「ヤマイモ」も肌乾燥を防ぎながら美肌を目指せる食材で、滋養を補って体を助けてくれます。また手軽に買えるときはストレスを和らげる「ユリ根」をプラスするのもおすすめで、喉の渇きを和らげたり、粘膜を潤す作用も。コンポートにした「柿」は、薬膳でデザート以外にもよく登場する食材で、咳や喉の乾燥に効いて「水」を補うので乾燥する季節の強い味方になってくれますよ!

 

まとめ

インフルエンザへの注意喚起も聞かれるようになり、風邪や乾燥に注意したい時季に入りましたね。今回は肌や粘膜の乾燥に焦点を当てながら、体にも優しく免疫力を上げて風邪予防にも繋がる簡単メニューをご紹介しました。「水」の不足(「津液虚(しんえききょ)」)は、体質によって日常的に感じる方もいれば、乾燥の強まる季節にだけ感じる方もいるのではないでしょうか。いずれも水分だけ摂っても改善されないため食材(薬膳)で調整していきましょう。また髪の乾燥には、「血」「腎」の働きを補うことが必要で、「ホウレン草」「黒豆(【不調の薬膳15】食材紹介)」「黒ゴマ」などがおすすめなので、併せてお試ししてみてくださいね!

A's Pumpkin(薬膳マイスター)

日々健やかに過ごしたいと考える、おばちゃまライターです。
薬膳マイスター資格を取得、自然由来食材のエネルギーをよりよく活かすことで、ひとりでも多くの方が健やかに過ごせるお手伝いが出来ればと思っております。国際薬膳食育師3級。