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【不調の薬膳8】胃腸の機能を高め、夏の体を楽に「便秘改善」食材4選

夏は思った以上に水分不足になりやすいため、便通が滞りがちです。薬膳では、「気」「血」「熱」のバランスが崩れても便秘になると考えるので、「水」を補いつつ、適した食材で体バランスを整えてみませんか。水分をたくさん摂ったからといって、体に必要な水分である「水」が満ちるわけではありません。また老廃物と結びついた「水毒」が溜まっていることもあるため、まずは食生活を整えるようにしてみましょう。猛暑で食欲が落ちて食べる量が減ると胃腸での消化吸収力が落ち、腸の繊毛運動も促されなくなってしまうので、全身に「血」を巡らせて栄養素を補給できる食材も紹介します。腸は第2の脳とも呼ばれるので、腸の状態を整えながら元気を取り戻していきましょう!

 

「気」や「血」の滞りや不足で起こる便秘の種類

気の流れが滞る「気滞」が原因と考えられる便秘は、便自体は固くないものの、便意を感じるのに排便に至らなかったり、お腹の張りや残便感があります。その場合、ストレス過多な状況に陥っていることもあるので体調に留意しましょう。またエネルギー不足で起こる「気虚」関連の便秘では、老廃物を体外に排出する力が不足し、便が固くないときも排泄しづらく感じます。「血」が不足して起こると考えられる「血虚」の便秘は、便が固く排泄しづらい場合が多く腸内の乾燥が原因とされます。それぞれの症状は、重なって起こる場合もあります。みなさんのトイレ習慣を振り返り、便秘に効く食べ物(薬膳)を取り入れてみてください。便秘は「乳酸菌」や「食物繊維」の不足、運動や水分不足でも起こるため、食材や水分を補ったり運動で改善することもありますが、背後に病気が隠れている場合もありますので、症状が改善しない場合は病院を受診するようにしましょう。

 

ぬか漬けは万能薬!? 発酵食品で「気」を巡らせ腸を動かす

気がうまく流れていない「気滞」の便秘は、便意を感じるのに排便に至らなかったり、お腹の張りや残便感もあります。また「気」が足りないと、老廃物を体外に排出する力もなくなってしまいます。お腹の張りがあるときに食べても大丈夫なぬか漬けは、日本が誇る発酵食品で「気」「血」を体に循環させ、消化吸収を促すだけでなく、「乳酸菌」が腸内環境を整えるほか、活性酸素を消す作用があるとされるので免疫力が高まります。ぬか漬けにすると野菜そのものの栄養素にプラスされて、「ビタミンB1」が豊富に摂れます。「ビタミンB1」は疲労回復効果に優れるので、暑さで疲れた体に最適ですよ!

 

煮物やサラダ、ごはんにヒジキをプラスして「血」を巡らせる

「血」が不足して起こる便秘は、便が固く排泄しづらい場合が多く、腸内の乾燥が原因とされます。ヒジキをはじめとした海藻類には「食物繊維」が多いので便秘を改善するだけでなく、「ミネラル」が豊富なので汗で「ミネラル」が流出しやすい夏にはたくさん食べたいですね。特にヒジキは「血」の不足を補うのに適し、「鉄分」を補えるので貧血対策にもなります。ヒジキは煮物やサラダにはもちろん、パスタやごはん、納豆へ振り掛けてかけて食べてもいいので、摂り入れる方法はたくさん。お子さんのお弁当やおにぎりにも使えますね。腸の潤いを促すためにはゴマやオリーブオイルも効果的なので、普段のメニューに追加してみましょう。

 

腸を健やかに!いつものスープを味噌汁に、ネバネバ食材も

腸は第2の脳とも呼ばれる重要な臓器ですが、ストレスや疲労、冷えによる負荷がかかりやすく便秘になりがちです。味噌は、発酵食品であるほか「温性」食品なので体を温め胃腸に穏やかに作用し、解毒作用で二日酔いにも効果があります。味噌汁にすると、一緒に調理する「寒性」や「冷性」の食材を温められる利点もあります。海藻類は熱を冷ます作用があるため、体内に熱がこもって便が出にくい便秘は、海藻類を使った汁物を朝食へ加えて腸を動かすと良いでしょう。また山芋やオクラといったネバネバ食材も、「ムチン」が胃腸の粘膜を保護しつつ腸の働きを促進するので具におすすめですが、お腹が張る場合はサツマイモなどの芋系を摂り過ぎないようにするといいですよ!

 

腸内環境を整えて、疲労回復や不眠に効く牡蠣

「血」が不足する「血虚」で起こる便秘は便が固くなり、食材では牡蠣がおすすめです。牡蠣には「鹹味(かんみ)」と呼ばれる作用があるので、しこりや固いものをほぐす作用があります。このほか、海のミルクの異名で知られるほど疲労回復に効果があり、コレステロールを下げたり、含まれる「亜鉛」で免疫力を付けられるとあり、夏にはもってこいの食材でもあります。「微寒」食材なので、熱を溜めやすい人の熱を冷まし、冷えが気になる方はカキフライにしてもおいしく食べられますが、消化力が落ちているときの揚げ物はやめておきましょう。腸内環境を良好に保つには良質な睡眠が欠かせないため、痩せ型で不眠やめまいがある場合は牡蠣が効くとされます。気になる方はお試しくださいね!

 

まとめ

今回は便秘を解消し、胃腸の機能を助ける食材を紹介していますが、糠(ぬか)や味噌といった日本古来の発酵食品がどれだけ機能的か、改めて実感する方も多いのではないでしょうか。穀物酢や黒酢といったお酢や麹、味噌は体を温めるので、夏によく食べる冷製パスタなどの味付けに使うと食材の冷性を緩和し、ともに発酵食品なので栄養素の吸収力が高まります。旨味成分が豊富なため、お子さんやパパにも喜ばれる味付けが嬉しいですね。もともと和食は、汁物や発酵食品、ごはんが含まれていてバランスが良いです。小麦が体を少し冷やす性質を持つのに対し、お米は「平性」食材でどの体質にも当てはまりやすく、「ミネラル」や「ビタミンB群」が豊富なことに加え、余分な糖を吸収しない働きもあります。炭水化物ダイエットが流行してから特にごはん離れが進んでいるようですが、ごはん中心の献立でしっかりエネルギーを摂取して夏を乗り切りたいですね!

 

 

A's Pumpkin(薬膳マイスター)

日々健やかに過ごしたいと考える、おばちゃまライターです。
薬膳マイスター資格を取得、自然由来食材のエネルギーをよりよく活かすことで、ひとりでも多くの方が健やかに過ごせるお手伝いが出来ればと思っております。国際薬膳食育師3級。