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アイロボット、ダスト容器が水洗いでき90分稼働、5万円以下の中堅機「ルンバ e5」
2018年10月10日 18:38
使いやすさと、導入しやすさを目指した「ルンバ e5」
ルンバ800シリーズの後継となるロボット掃除機。水洗い可能なダスト容器や稼働時間の拡大、低価格化など、使いやすさとともに、導入しやすさを目指した機種だという。ルンバ800シリーズからの変更点は4つ。
1点目は、日本法人からの要望により、ダスト容器が水洗い可能となったこと。従来機は、ダスト容器内にモーターが配置された構造だったため、水洗いができなかった。本機では、本体の設計を刷新したことで、ダスト容器からモーターがなくなり、フィルターを取り外しさえすれば、水洗いが可能になった。
2点目は、稼働時間の拡大。バッテリー容量には変更がないとしているが、電力を効率良く利用できるように改良されたため、通常清掃時の稼働時間は、ルンバ800シリーズの1.5倍である90分に拡大された。
3点目は、ゴム製のデュアルアクションブラシの羽根の改良。羽根を長くしたことで、清掃時に床材とより密着できるようになり、吸引力が向上したという。
4点目は価格。800シリーズ発売時の希望小売価格は、ルンバ880が76,000円、ルンバ870が66,477円だったが、本機は49,880円で、5万円を切る価格を設定。「1家に1台」のキャッチコピーを掲げ、広く普及させるための戦略的なモデルだとしている。
従来モデル同様に、「AeroForce(エアロフォース)3段階クリーニングシステム」を搭載。デュアルアクションブラシの1本目がゴミを浮き上がらせ、2本目が逆回転することで、床にピッタリと密着し、ハイパワーモーターで強力に吸引する。
数十のセンサーと40以上の行動パターンを搭載し、部屋の状況を毎秒60回以上も判断しながら、最適な清掃を行なう高速応答プロセス「iAdapt」や、汚れが多い場所をセンサーで感知して、集中的に清掃する「ダートディテクトテクノロジー」も引き続き搭載。
2.4GHz帯の無線LANを搭載し、スマートフォン専用アプリ「iRobot HOME」と連携することで、外出先からの清掃や、清掃完了通知とレポート、スケジュールによる清掃も行なえる。Amazon AlexaとGoogleアシスタントを搭載するスマートスピーカーでの音声操作も可能。
ホームベースヘ自動で帰還する「自動充電」や、エラーメッセージ、ソフトタッチバンパー機能なども引き続き搭載される。
本体サイズは、351×92mm(最大幅×高さ)で、重量は約3.9kg。充電式リチウムイオン電池を搭載し、充電所要時間は約3時間。本体カラーは、チャコール。デュアルバーチャルウォール1個、ホームベース、電源コード、交換用フィルター1個が付属する。
なお、ルンバ800シリーズは、市場在庫がなくなり次第終了するという。
4.5%の世帯普及率、2023年には10%を目指す
新製品発表会では、同社 代表執行役員社長・挽野 元氏が、同社のビジネス戦略についても説明した。ルンバは2002年に日本へ上陸し、2017年4月に日本法人が発足。そして2018年9月末までに、ルンバおよびブラーバの国内累計出荷台数が、300万台を突破したという。
GFKの調査によれば、日本のロボット掃除機市場において、同社のシェアは60%強。しかしながら同社の調査では、2017年時点でのルンバ・ブラーバ合計の世帯普及率は、4.5%だったという。一方、内閣府の消費動向調査を分析したところ、主要耐久消費財においては、世帯普及率が10%を超えると、その後普及が一気に進むことを確認したという。
そこで同社では、ルンバ・ブラーバ合計の世帯普及率について、2023年に10%という目標を掲げたとしている。その上で、同社製品の世帯普及率は、共働き世帯に限って調査すると17.3%、ペット世帯に限ると20%超という結果もあるとした。
さらに2015年の国勢調査によれば、1996年には共働き世帯数が専業主婦世帯数を逆転しており、政府による政策の後押しもあり、引き続き女性の社会進出が進むなか、結婚や出産による女性の退職数も減る傾向にある。家事も夫や子供などの家族と分担しながらこなす時代だ。本機の普及も、時代の流れに後押しされているとしている。
ロボット掃除機に興味を持ちながらも、購入を躊躇している人の意見として多い「きちんと掃除しないのではないか」「価格が高い」といった課題に向き合い、普及モデルとして発表された「ルンバ e5」は、"ルンバ史上最高の価格性能バランスを誇る戦略モデル"だとして、締めくくった。