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わが家にロボット掃除機は必要か!? ルンバ2週間レンタルサービスを試してみた

 使ってみたいけど、高額でなかなか手が出せないロボット掃除機。家電のレンタルサービスはよく見かけるが、実際に試してみるのはちょっとハードルが高い。最近はメーカー公式で行なっているところもあり、アイロボットではルンバとブラーバのレンタルサービスを提供している。そこで今回は、ルンバの最上位モデル「ルンバ980」を15日間借りてみたので、手続き方法から使用感、返却までの流れをレポートする。

「ルンバ980」を15日間借りてみた
メーカー名アイロボット
製品名ルンバ980 15日間レンタル
価格7,000円(税込)

 アイロボットでレンタルできる製品は、「ルンバ980」「ルンバ885」のほか、床拭きロボット「ブラーバ 380j」「ブラーバ ジェット240」の4つ。価格は4,000円~7,000円で、いずれもレンタル期間は15日間。

4製品をレンタルできる

 今回借りたのは最上位モデルの「ルンバ 980」。直販価格は135,000円と高額なので、あらかじめお試しできるのはありがたい。ルンバのモデルは複数あるが、ルンバ980の特徴はカーペットやラグの上で吸引力がアップする「カーペットブースト」モードを備えている点。

 自宅のリビングには毛足の長いラグがあり、これまで使ってきたロボット掃除機はラグの上でエラーになることが多く、“ボタン1つで部屋中掃除”という訳にはいかなかった。カーペットブーストモードがあるのはルンバ980だけなので、ラグの上も掃除できることを期待して最上位モデルを選んだ。

 また、赤外線で見えない壁を作り、一部エリアにルンバが入らないようにする「デュアルバーチャルウォール」も2つ付属する。ペットのごはん置き場や姿見あたりはルンバに避けてほしいので、デュアルバーチャルウォールが2つ付属する点も、ルンバ980を選んだ理由のひとつだ。

「カーペットブースト」モードを搭載している
一部エリアにルンバが入らないようにする「デュアルバーチャルウォール」が2つ付属

注文から3日で到着! ウェブで簡単申し込み

 レンタルの申込みは、アイロボット公式サイトから行なえる。住所、電話番号、クレジットカード情報などを入力するだけで、簡単に注文できた。なお、支払いはクレジットカード決済のみに対応。

 配送希望日は、注文日から1週間後以降で指定できる。希望日を指定しない場合は、注文日から約2~5日営業日で届く。できるだけ早く使いたかったので、配送希望日を指定せず注文したら3日で届いた。

 届いた箱の中には、ルンバ本体以外に、返却品のチェックリストや返送用の着払い伝票が同梱されていた。返却時は元の状態に戻さなくてはいけないので、付属品などはなくさないように気をつけよう。

注文から3日で届いた
返却品のチェックリストが同梱されている
同梱品。デュアルバーチャルウォール2個、交換フィルターなどが入っていた

複数の部屋をしっかり掃除! 猫の毛もごっそり取れる

 さっそく動かしてみた。本体中央の「CLEAN」ボタンを押すと、自動モードで運転がスタートする。ルンバ980の動き方は直線的で、障害物に突き当たると位置をずらしてまた掃除する。

 ルンバ980は、独自のナビゲーションシステム「iAdapt 2.0ビジュアルローカリゼーション」を採用しており、カメラと多彩なセンサーで部屋全体のマップをリアルタイムに作り、ルンバ自身の位置情報を把握し続ける。これにより、ルンバは自律して動き、家具の下も迷うことなく掃除でき、リビングや廊下、寝室など複数の部屋もまたいで、すみずみまで清掃してくれる。

 ルンバが掃除する様子をしばらく見ていると、確かにかしこく動いている。テーブルや脚まわりもくるっと回って入っており、ゴミの取りこぼしがない。気になっていたラグもなんなく乗り越え、数秒でゴーーーという音がし、カーペットブーストモードに切り替わったのがわかる。音は大きいが、ラグ上の掃除は5分ほどだったのでそこまで気にならない。

ラグを乗り越えるとゴーーーという音がし、カーペットブーストモードに切り替わった
テーブルや脚まわりも、ゴミの取りこぼしなくキレイに掃除している

 リビングの掃除が終わったら、廊下→書斎→寝室と部屋をまたいで稼働。デュアルバーチャルウォールは、ペットのごはん置き場と姿見周りにそれぞれ置いたので、ルンバに入ってほしくない場所はかしこく避けながら掃除してくれた。

 75m2の自宅を掃除するのに掛かった時間は1時間15分で、途中で充電が切れることはなかった。なおスペック上の最大値は、連続運転時間が2時間、掃除面積が112畳(185m2)。充電時間は3時間で、万が一途中で充電が切れても、ルンバは一度充電台に戻り、充電できたらまた充電が切れた位置から掃除を再開してくれる。

デュアルバーチャルウォールにより、ペットのごはん置き場は避けて掃除
途中で充電が切れた場合は、一度充電台に戻って再び掃除する

 驚いたのは、ダストボックスの中身。一度の掃除でかなりゴミが取れており、猫の毛もごっそり入っていた。フローリングにも猫の毛は落ちていたが、それ以上に普段掃除を怠っていたラグからかなり取れたようだ。

 また、ルンバはブラシではなく、特殊のゴムローラーを備えているため、髪の毛や猫の毛が巻き付かないのも特徴。独自の「AeroForce(エアロフォース) クリーニングシステム」により、ローラーでゴミを浮き上がらせ、ハイパワーモーターユニットで強力に吸引してくれるのだ。

ダストボックスの中はゴミでいっぱいに。猫の毛がごっそり取れている
ゴムローラーでゴミを浮き上がらせて吸引するため、毛が巻き付かない。輪っか状にくっついた端の毛は簡単に取れる

ガツガツ攻めて部屋中しっかりお掃除

 毎朝ルンバを動かしていると、特徴もわかってくる。部屋のすみずみまで掃除をしてくれるので、家具の下や脚まわり、部屋の隅まで果敢に攻めて入っていくのだ。前方にはバンパーを備えているので、家具にぶつかったときの衝撃は少ないが、ルンバの掃除の仕方は“ガツガツ攻めて掃除する”といった印象。

 これまでどのロボット掃除機でもエラーが生じていた毛足の長いラグも掃除できたので、ルンバは本当に人間の代わりに掃除をしてくれるんだなぁと感じた。ただ、コード類は巻き込みやすいので、ルンバを動かす前には床にある障害物を片付けておく必要がある。

バンパーを備えているので障害物にぶつかったときの衝撃は少ない

 反対に、以前使ったエレクトロラックスのロボット掃除機「PUREi9」は、ラグやコード類など障害物を見つけると、繊細に避けて“四角い部屋を丸く掃く”というイメージ。掃除前に床上の障害物を片付ける必要はないが、当然ラグやコード類の周辺にゴミが溜まるので週末は人の手で掃除することになる。

 どちらが好みかは人によるが、「家の掃除は全部ロボット掃除機に任せたい」という人にはルンバが向いている。ルンバを動かしやすい環境作りは必要だが、それさえしておけば毎日ロボット掃除機を動かすだけでキレイな部屋が維持できる。

スマホやAmazon Echoと連携

 スマートフォンとの連携も簡単にできた。アプリをインストールし、画面の指示に沿って接続していく。5GHzのWi-Fiには対応していないので、あらかじめチェックしておこう。

 アプリからは、掃除した範囲や時間を確認できるほか、モード設定も可能。カーペットブーストモードのON/OFFも切り替えられる。曜日ごとのスケジュール設定もでき、一度設定しておけば毎日操作する必要なく、決まった時間に掃除してくれるのも便利だった。

アプリをインストールし、画面の指示に沿って接続していく
カーペットブーストモードのON/OFFも切り替えられる
掃除した範囲や時間を確認できる。前に借りた人の履歴が残っていたようで、合計清掃面積が凄いことになっている
スマホ連携は簡単にできた

 スマートスピーカー「Amazon Echo」とも連携してみた。AlexaアプリからiRobotのスキルを追加し、こちらも簡単に接続完了。「アレクサ、ルンバを使って掃除して」というと、ルンバが動き出すのは近未来感があって面白い。ただ、アプリでスケジュール設定していると、音声操作でルンバを動かすことは正直あまりなかった(笑)。

スマートスピーカー「Amazon Echo」と連携。音声操作で運転スタートできる
AlexaアプリからiRobotのスキルを追加する
とはいえ、iRobotアプリでスケジュール設定していると音声操作はあまり出番がなかった(笑)

返却日はメールで通知。着払いで返送OK

 レンタル期限が近づくと、メールで返却日のお知らせが届いた。返却日は指定されているので、遅れないように発送する。製品到着時に着払い伝票が同封されているので、送料が掛かることはない。

 最後は返却リストに基づいて梱包、伝票を貼って返送し、約2週間のルンバとの生活が終わった。再び自分で掃除をする日々になると、掃除って面倒だなぁとやはり思う。ロボット掃除機もさまざまな製品があるが、高機能なルンバ 980の使い勝手は申し分なかった。

 なおレンタル完了後は、製品購入に使えて、レンタル料の7,000円がまるっと値引きされるクーポンも発行される。わが家はまだ購入を迷っているが、一度自宅で使ってみると、店頭で見るだけではわからない特徴も掴めてくる。購入を迷っている人、一度ロボット掃除機を使ってみたい人はレンタルしてみるのもオススメだ。

最後は元に戻して返送
同梱の着払い伝票を使う

西村 夢音