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従来機との大きな違いは5つ、新しい「ブラーバ ジェットm6」 を写真と動画で解説
2019年7月24日 00:00
従来モデル「ブラーバ ジェット250」との主な違い
「ブラーバ ジェットm6」と、従来モデル「ブラーバ ジェット250」の主な違いは以下の通り。
1)部屋や間取りのマップを作成し、また部屋の日々変化を学習して、清掃に反映
2)ルンバと連携可能になり、ルンバの清掃後に床の拭き掃除を行なえる
3)Wi-Fiを搭載し、外出先からの操作やスケジュール清掃などに対応
4)充電台となるホームベースを採用し、清掃中の充電と清掃再開が可能になった
5)進入禁止エリアを、物理的なバーチャルウォール以外に、スマホアプリ上でも指定可能
1)マップ作成や部屋の状況変化に応じた清掃
本体に搭載したカメラやセンサーと、「iAdapt3.0ビジュアルローカリゼーション」により、部屋のマップや間取り図を作成できるようになった。また同じ部屋に対して、複数のマップを内部的に保持することで、例えば「ダイニングのイスの位置が毎日違う」というような部屋の状況変化にも対応しながら、最適な清掃を行なうという。これは、2019年2月に発表されたロボット掃除機「ルンバi7」シリーズにも搭載される「Imprintスマートマッピング」によるもの。
最大10の異なる間取りを記憶でき、またユーザーは各部屋に「リビング」「キッチン」といった名称をつけることができる。その結果、「リビングは週3回、キッチンは毎日」というように、各部屋ごとに別々のスケジュール清掃を行なうことが可能になる。
「ブラーバ ジェットm6」と「ルンバi7」シリーズは、同一のマッピングシステムを搭載するが、カーペットの上の清掃有無など、ルンバとブラーバでは進入できる場所が異なるため、連携動作をさせている状態でも、マップや部屋の情報は別々に保有するという。
2)ルンバと連携した清掃
今回の目玉とも言えるルンバとの連携清掃は「Imprintリンク」と呼ばれる機能で、「ルンバi7」シリーズの清掃完了後に、「ブラーバ ジェットm6」が清掃を開始するという機能。ルンバの清掃が完了してホームベースへ帰還すると、Wi-Fiを通じてその情報がクラウドへ送信され、それをブラーバが受信して、清掃が開始される。
この連携機能では、同一の部屋をルンバとブラーバが順番に掃除できるほか、例えば「ルンバがリビングの掃除を終えたら、ブラーバがキッチンの掃除を開始する」というように、別々の部屋を指定した連携もさせられる。
また連携機能は、「ルンバ900」シリーズとの間でも2019年末までに行なえるようになるという。その際ルンバ900シリーズは、本体のソフトウェアアップデートが必要。なお「ルンバ900」シリーズには「iAdapt 2.0 ビジュアルローカリゼーション」によるマッピング機能が搭載されており、「Imprintスマートマッピング」がないため、この際の連携は「Imprintリンク」とは呼ばれないという。
3)Wi-Fi搭載でできること
「ブラーバ ジェット250」は、専用のスマートフォンアプリに対応していたが、本体とスマートフォンの接続は、Bluetoothで行なっていた。本機はWi-Fiが搭載されたため、これまでできなかった、外出先からの清掃指示、あらかじめスケジュールを指定した清掃、清掃する部屋の選択が可能になった。またアプリでは、清掃時の水量調節を3段階で行なうことも可能。そのほか、Amazon Alexa、Googleアシスタントを搭載するスマートスピーカーでの操作も可能となった。
4)ホームベースの採用
「ブラーバ ジェット250」は充電池のみを取り外して充電する方式を、「ブラーバ390j」は充電スタンドによる充電を採用しており、ホームベースによる充電は、同社床拭きロボットでは本機が初となる。ホームベースでの充電が可能となったことで、清掃途中での電池切れに対応。自動充電と、清掃の自動再開も行なえるようになった。
ホームベースと同時にドリップトレイも採用。「清掃完了後に本体を放っておくと、濡れたパッドが床を傷めてしまう」というユーザーの声に応えたものだという。また「ブラーバ ジェット250」と同時に発表された床用洗剤も使用可能。
「ブラーバ ジェットm6」ならではの機能
「ブラーバ ジェットm6」は、マップ作成のためだけに動作することはなく、清掃しながらマップを作成する。過去に清掃している箇所であればそのマップと比較しながら、最適な清掃を行なうという。
ロボット掃除機同様に段差で落下しないことはもとより、床拭きロボットだけにカーペットに乗り上げない点もポイント。また水拭き時のスプレー動作は、1度前進して前方に物や壁がないことを確認してから、後退したうえで行なわれるので、物や壁に誤って水を掛けてしまうことはないという。
付属するパッドは4種類。「水拭き(ウェットモード)/乾拭き(ドライモード)」それぞれについて、パッドは「洗濯可能/使い捨て」が用意される。それぞれのパッドの違いは、本体接地面の切り欠きで判別されるので、パッド装着時点で、清掃モードが指定される仕組み。
またウェットモードでの清掃稼働面積も、「ブラーバ ジェット250」の12畳、「ブラーバ390j」の20畳から、60畳に大幅に増強された。
同社の考えるスマートホームと、2019年上半期までのロボット掃除機市場
アイロボットジャパン 代表執行役員社長・挽野 元氏は、本機の発表に際し、同社の考えるスマートホーム構想として、「Simple」「Automated」「Personal」を挙げた。「Simple」は特別な操作などを必要とせず単に暮らすだけでよい状態、「Automated」は自動化されていて操作やメンテナンスが不要なこと、「Personal」は住む人の嗜好に合わせてくれることだという。
今回の「ブラーバ ジェットm6」によるルンバとの連携は、この構想を実現するものだという。これまでの1台のロボットによる掃除が「Responsive Intelligence」だったのに対し、今回の2台連携による掃除を「Collaborative Intelligence」とし、人が操作などをせずとも、家庭をフィールドに複数のロボットをワンストップで利用できると説明した。
また同氏は、2019年上半期までのロボット掃除機市場について「ロボット掃除機のメーカー別販売金額では、当社製品のシェアは2019年1~6月期が73%で、前年同期比では10ポイントもアップしています。また掃除機カテゴリのメーカー別販売金額では、6月頃からシェアが10%を上回る状況です」と、同社製品のシェアが順調に伸びているとした。