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猛暑に日傘5本を差し比べ! 心地よい日陰を作れるのはどれ!?

日傘5モデルをインプレッション

東日本でも梅雨が開け、猛烈な陽差しが照りつけてくる。そんな容赦ない陽差しを遮るべく、日傘を差して歩く男性も少なくない。もうカッコ悪いとか恥ずかしいとか言っている場合ではないのだ。

だが、雨水を遮ればいいだけの雨傘と比べて、遮光性に加えて遮熱性や、人によっては晴雨兼用がいいなど、選ぶポイントが多いのが日傘だ。そこで、「そろそろ日傘を買おうかな。もしくは「もっと良い日傘がほしいな」という人に向けて、人気かつ購入しやすい5本の日傘を、編集部で差し比べてみた。

インプレッションしたメンバーは、日傘歴10年の鄭、同4〜5年の西村、同2カ月の河原塚、そして未体験の編集長・中林の5名。

頭上からほぼ真下に太陽光が突き刺さる、7月某日の昼前後に試してみた。

熱心に日傘を差し比べて歩き回るメンバー

インプレッションした5本のラインナップ

今回、インプレッションした5本の日傘は、いずれも親骨の長さは55cm前後で、晴雨兼用。なおかつコンパクトに折り畳める3段折のモデルから選んだ。

インプレッションした5本の日傘は、いずれも3段折

まずは日傘歴の長い鄭と西村の推しブランド、サンバリア100の「折りたたみ日傘 3段折/moku」。こちらは、今回最も高価な14,300円。

そのほか、高コスパブランドの代表格であるユニクロの「UVカットコンパクトアンブレラ遮熱/親骨55cm」(価格3,990円)、コンビニで気軽に購入できるローソンとコールマンがコラボした「晴雨兼用・自動開閉折りたたみ傘 55cm」(価格2,980円)、アウトドアでも活躍しそうな、モンベルの「サンブロックアンブレラ 55」(価格6,380円)、そしてAmazonで人気だったリーズナブルなKONCIWAというブランドの日傘の、計5本だ。

価格重さ親骨の長さ
サンバリア10014,300円約270g55cm
ユニクロ3,990円約300g55cm
ローソン×コールマン2,980円約280g(実測)55cm
モンベル6,380円200g55cm
KONCIWA3,199円約230g53cm

差すと本物の木陰のよう! サンバリア100

サンバリア100の「折りたたみ日傘 3段折/moku」は、紫外線も赤外線も可視光線も、100%カットするという完全遮光日傘。ミックス調の糸を使用した、綿のような風合いの生地で、カラーは、グレーだけでなくピンクやブルーなど爽やかな色から選べる。価格は14,300円。

サンバリア100「折りたたみ日傘 3段折/moku」

河原塚:差した瞬間に、木陰に入ったような感覚になり、日傘によってこんなに違うものかと驚きました。

西村:この頭の周りのモヤッとした熱気を感じなくなりますよね?

河原塚:そう。他の日傘だと、頭の上がモヤッとするのが気になっていたんですよね。サンバリア100は、それを感じず、涼しかったです。これは欲しくなりましたが、さすがに14,300円の日傘を買うっていう勇気が……。

中林:たしかに効果は分かるけど、日傘を初めて買う時に、この値段だと躊躇してしまいますね。

鄭:でも長持ちしますよ。私は、サンバリア100の別のモデルを使っていますが、使い初めてから9年が経ちました。折り目のあたりの生地がちょっと薄くなってきたので、来年は買い替えかなと思っていますけど、特に夏は毎日使うものだから、良いものを買った方がいいですよ。

河原塚:これって雨傘としても使えるんですか?

鄭:私は雨でも、気にせず差しちゃってます。ゲリラ豪雨みたいな時には、縫い目からじわじわと漏れている気もしますが、そうじゃなければ、ぜんっぜん大丈夫です。

西村:撥水加工が施されているから、雨の日も使えます。でも、雨で汚れてしまうから、なるべくきれいな状態で長く使いたい人は、避けたほうがいいっていうのが公式な説明です。でも私も、不意に雨が降ってきた時には使っています。使ったあとは、よく乾かした方がいいんでしょうけどね。そこは日傘だから、晴れた日に使えばすぐに乾きますし。

ファブリック感のある傘の表地。撥水加工済みなので、雨の日でも使える

河原塚:なるほどね。そうであれば、夏場は晴れても雨でも毎日使うことになるから、良いものを買った方がいいかもしれないですね。頭では分かるんですけどね……。

天然木の取っ手は高級な印象。長めのストラップは手首に通しやすい

ユニクロはコスパが最高!? 約4,000円でもしっかりシャットアウト

ユニクロの「UVカットコンパクトアンブレラ遮熱/親骨55cm」は、UVカットが99%で遮光は99.9%、遮熱は45%。生地には東レと共同開発した、熱を反射する層と、反射しきれなかった熱を吸収し透過させない層の、多層ブロック構造のものが採用されている。小雨程度の水を弾く撥水加工が施されているとする一方で、耐水圧は10,000mmと強力。カラーはベージュとブラックの2色。価格は3,990円。

ユニクロ「UVカットコンパクトアンブレラ遮熱/親骨55cm」

中林:少し使った感じだと、サンバリア100と同等とまでは言えないけれど、遮光性や遮熱性は今回の5モデルの中では高かった気がします。

河原塚:これはプライベートでも使っていますが、確かに良いです。生地が厚いからか、やってくれそう! という印象もありますね。それに晴雨兼用で4,000円なので、折り畳み傘の購入を考えているのなら、こちらの日傘をおすすめしたいです。

太陽光をしっかりとシャットアウト

西村:生地は厚いですよね。折り畳んだ時にかさばる印象がありましたけど、どうですか?

河原塚:生地が厚くて少し硬いからか、ほかと比べてかさばるなぁとは思いました。僕は普段の移動が自転車なので、日傘をリュックに入れて持ち運ぶことも多く、そういう時には少し困ります。モンベル(後述)みたいにコンパクトだといいなぁと思ってしまいますね。

中林:でも終始使うのなら、少しかさばるかどうかは、あまり関係なさそう。外側の生地の色がベージュというのは、日傘っぽさもなく、男性でも使いやすくて好印象でした。

西村:あえて欠点を挙げるとすれば、ちょっと重いような気がします。

中林:約300gなので……モンベル(200g)のように軽量化は考えられてはいないでしょうね。

鄭:そうですね。ただ、日傘なので、外出時には常に差しているだろうし、差している時に気になるような重さではなかったです。

木目調のグリップ

ハイキング時にも使えそうな超軽量なモンベルの日傘

表面に日射しを反射するシルバーコーティングを施し、高い遮熱効果を実現したモンベルの「サンブロックアンブレラ 55」。生地の裏面が黒く、光を吸収しやすいため、良好な視界を確保する。親骨には軽量かつ高強度のカーボン繊維強化樹脂骨を8本使用。本体の重さを200gに抑えている。価格は6,380円。

モンベル「サンブロックアンブレラ 55」

西村:モンベルの日傘は、すごく軽いうえに突風でも傘がひっくり返りにくくて、とっても使いやすいし心強いです。何本か同時に使っていた時期に、持って出かける頻度が多かったです。

河原塚:軽くてコンパクトなのはいいですね。それに、これも生地表面に撥水加工が施されている晴雨兼用モデルなので、バッグに常備しておきやすいです。ハイキングやトレッキングの時はもちろん、登山の行き帰りには、晴れていても雨でも活躍しそうです。特に登山時には200gと軽量で、本当に小さく折り畳めるのは助かるはず。

鄭:木陰などが少ないキャンプ場でも重宝しそうですね。

ハイキングやトレッキング時に活躍

河原塚:あとは、傘を閉じた時に3段階ではなく2段階でも折り畳めるのは、大きめの袋にしてくれればいいのにとても良いと思いました。そのおかげで、例えば、またすぐ開くけれど一時的に閉じるといった時に持ち運びやすいです。まぁ、2段目と3段目が連動していないだけに、しっかり3段で折り畳みたい時には、やや面倒ですけどね。

鄭:そういえば、折り畳む時に生地が極薄なので、シワになりやすい点は少し気になりました。付属の袋に入れるのも、かなり難しいですよね。

河原塚:きちんとキレイに折り畳まないと袋に入れられず億劫です。街中で使う人は、もう少し大きめの袋にしてくれればいいのに……と思うでしょうね。あと、傘の外側が銀色なのも気になりました。使っている本人は良いのですが、太陽の光が反射して、街中では周りが迷惑に感じないか気になります。

中林:たしかに、けっこう反射しますね。まぁこの反射のおかげで、傘自体の温度上昇を抑えているんでしょうけどね。

西村:そういう視点もあるんですね。でも、軽くてコンパクトで、しかも遮光や遮熱効果も高かったので、さすがモンベル! という感じです。

中林:パフォーマンスの高さは感じました。特に、使うかどうか分からないという日にも、コンパクトな傘を持ち歩く感覚でラクにバッグやカバンに入れておけて、いざ使ったら涼しいという、うれしい1本です。

表面に日射しを反射するシルバーコーティングが施されている

コールマンのテント地を使ったローソンの日傘

ローソンとアウトドアメーカーのコールマンがコラボした「晴雨兼用・自動開閉折りたたみ傘 55cm」。生地には、同社製テントやタープの「ダークルームテクノロジー」が採用されている。遮光率が90%以上でUV遮蔽率が99.9%以上。手元のボタンを押すとバサッと瞬時に傘が開き、もう一度押すと閉じる。価格は2,980円。

ローソン×コールマン「晴雨兼用・自動開閉折りたたみ傘 55cm」

中林:テントやタープの技術が使われていると言われると、反射的に良さそうだなって思ってしまうなぁ。実際、陽差しは遮れているし、問題なかったです。こんなにコンパクトでも、あるのとないのでは大違いだと実感しました。

河原塚:2カ月前くらいに、初めての日傘として使い始めて、この日傘がきっかけで、あぁもう日傘が手放せないなぁと実感しました。それくらい良いと思います。ただし、サンバリア100を使ってしまうと、もっと遮熱効果の高い日傘があるんだなと分かってしまいましたが……。

西村:価格が2,980円ですからね。この手頃な価格で考えると、十分な気がします。

生地には、テントやタープの生地に使われている技術を採用

鄭:自動開閉式という点はどうですか? 河原塚さんは好きじゃないと言っていましたが、どんな時にそう感じました?

河原塚:使っていると、何度か間違ってボタンを押してしまい、不意に傘が閉じたことがあったんですよね。そういう時に、バネで開閉しているので、ぎゅぎゅぎゅぎゅぎゅぅ〜って、けっこうな力で、一度傘を完全に折り畳まなきゃいけないんです。片手に荷物を持っていると、その動作ができないので、そうした時に「イラッ」とします。

中林:それでも、家や会社のビルを出た時や日陰から日向へ出た時に、荷物を持っていても片手のワンボタンでパサッと差せるのはいいですよね。目的地に着いた時にも、ワンボタンで回りの邪魔にならずサッと閉じられるのも便利そうです。

柄の部分に配置されているボタンを押すと、傘を開閉できる

西村:それに、日傘を忘れたり、どうしても欲しくなった時に、ローソンでパッと買ってもいいなぁという価格ですよね。

中林:ローソンで手頃な価格で買えるのはいいですね。街を歩いていて、陽差しが耐えられないって時に、私も買ってしまうかも。

Amazonで人気のリーズナブルな日傘

Amazonで人気だったKONCIWAの日傘は、遮光率とUVカット率が100%で、完全遮光としている。防水ファブリック生地を採用した晴雨兼用。ワンタッチで自動開閉できるのもポイント。実売価格は3,199円。

KONCIWAの日傘

河原塚:KONCIWAを調べてみると、日本の日傘メーカーのようです。同社のラインナップでも低価格なモデルが、今回レビューしたものです。

中林:遮光性については問題ないと思いますけど、高級モデルほどの遮熱性は感じられませんでした。

河原塚:傘を差していても、頭の上がモヤッと暑い感じは残りますね。

西村:色々と使ってみて分かりましたが、遮光率やUVカット率は、どのモデルも100%かそれに近い数値です。じゃあ違いはどこにあるかと言えば、圧倒的に遮熱性ですね。これが意外と違うものだなと……。

遮光率とUVカット率は100%

中林:ただ、比較用に持ってきた折り畳みの“雨傘”と比べると、断然、こちらの方が良かったです。けっこう軽量ですし、自動開閉なので開くのも閉じるのもラクです。

ワンタッチで傘を開閉できる

西村:さらに価格も安くて、Amazonでポチッとして翌日に配送される、気軽さもいいですね。価格から考えたら、パフォーマンスも悪くないですし。

中林:これも「日傘ってどんなものだろう?」って、最初の1本として試しやすい。晴雨兼用ですし、私も次に折り畳みの雨傘を買う必要があったら、日傘としても使える、こういう日傘を選択すると思います。

遮光やUVカット率は同じでも遮熱性は大きく異なる

今回、日傘を5モデル揃えて使ってみたところ、同じ日傘でもこれだけ効果が異なるものかと感じた。特に、前述のとおり、遮熱性については差があることが分かった。

遮光性よりも遮熱性に大きな違いがある

編集部のメンバーの感想を総計すると、今回の最高級モデル「サンバリア100 折りたたみ日傘 3段折/moku」の効果は抜群。ユニクロもしくはモンベルの日傘が、それに次ぐ効果を感じられ、価格が3,000円前後のローソンとコールマンのコラボモデルも、それらに比べると違いはあったが性能はしっかり感じられた。KONCIWAの日傘は、雨傘と比べると遮光や遮熱効果はあるものの……といった感じ。今回のラインナップでは、価格に対する性能、つまり満足度は、だいたい比例。ただ、初めて日傘を買うなら、高額モデルでなくても十分に違いは分かる結果となった。

以上のファーストインプレッションも一つの参考に、強すぎる日差しや日焼けへの対策として、興味を持った1本を選んでほしい。

河原塚 英信