10分こそうじ

仕事部屋を見直すことは、人生を見直すこと 物置化した書斎を片付けるには

年に一度の大掃除より、日々の“小”掃除。整理収納アドバイザーとお掃除スペシャリストの資格を持つ筆者が、1日の終わりに10分でできる掃除や片付けのポイントをお伝えします
仕事部屋が物置化しているご家庭は、実は少なくないんです

テレワークが当たり前になった今、自宅の一部が“職場”になっている方も多いのではないでしょうか。ただ、その仕事部屋を見渡すと……

  • 資料の山
  • 読んでいない本や書類
  • いつか使うかもと置いたモノたち
  • 小腹が空いた時のお菓子やジュース
  • 仕事とは関係のない私物

これらが机周りを侵食している場合も少なくありません。

仕事に関係のない私物が机周りを侵食している場合も

「なんとなく散らかっている」は危険信号

オフィスであれば他人の目も気になり、リセットするタイミングがありますが、自宅はそのままの状態で明日を迎えることができます。こうなると、仕事部屋はもはや「物置き状態」になってしまいます。

実は、無造作に置かれているモノからのエネルギーは、じわじわとストレスを生み、パフォーマンスの低下だけでなく自己否定感すら引き起こします。寝ている時間と同じ、もしくは、それ以上。1日の3分の1の時間を過ごす仕事部屋を見直すことは、自分自身の働き方や暮らし方、まさに「人生の優先順位」を見直すことに直結します。仕事部屋にいても落ち着かない・気が散るなど、集中できない時は、“自分へのヒアリング”から整理収納を始めましょう。

整理収納の第1歩は「モノ」ではなく「自分自身」

整理収納というと、「モノを捨なければならない」「収納のテクニック」が先に思い浮かぶかもしれません。ですが、「自分の現状把握」と、どんな暮らしがしたいのか……そこに近づくための「目的意識」が最優先!

そこで大切なのが“ヒアリング”です。これは、整理収納アドバイザーが行なう大切なプロセスの1つですが、自分自身に対しても行なうことができます。

作業前ヒアリングで見えてくる「本当の課題」

以下のような質問を自分自身に投げかけて、それに回答してみましょう

どんな風に過ごせる空間にしたい?

  • 清潔感がある
  • 仕事に集中できる
  • 机周りがスッキリして使いやすい

なぜ今、部屋を見直したいと思った?

  • 仕事の効率が下がっている
  • イライラする、集中できない
  • 時間に追われている気がする

何が問題だと思う?

  • 仕事に関係のないモノが多い
  • 部屋が暗い、狭い
  • 収納の中が満杯で入れられない

この部屋にあるモノは、どんなモノ?

  • いつか使うと思って取ってあるモノ
  • アウトドア用品や趣味グッズ
  • 食品や飲料のストック
飲料のストックなども仕事部屋に置きがちです

自分の気持ちを整理することで「現状と改善点」が見えてくる

このヒアリングを通じて、自分がどこでつまずいているのかが見えてきます。

現状

  • 「仕事に集中できない」本当の原因は“視界に入るモノの多さ”かもしれない
  • 「自宅にいるのに時間に追われる」背景は、“居心地の悪さ“と雑然とする環境で気が散るから
  • 「部屋が暗くて狭い」のは、窓側にモノが積まれ、圧迫感を感じるから

改善点

  • デスク周りは、仕事で使うモノ以外は減らしていき、私物は引き出しやカゴに入れ視界に入らないようにしよう
  • 部屋の中を「区切る」意識を持って物の置き場所を見直そう
  • 清々しさを感じる空間にするために窓周りを明るくしたり、お気に入りのグッズを飾れるようにしよう

仕事部屋を見直すことは、人生を見直すこと

今回はお片付けを進めていく前に、「どんな暮らしがしたいのか」を自分にヒアリングする大切なプロセスをご紹介しました。次回は「実践編」として、物置化した仕事部屋にお悩みのお宅へおうかがいして、整理収納のビフォーアフターをお届けします。

実際におうかがいしたお宅の仕事部屋です。こちらがどのように変化したのかお楽しみに
丸 マイ

整理収納アドバイザー、クリンネスト(お掃除スペシャリスト)講師。個人宅の整理収納サービス「mawaru暮らし」主宰。片づけ苦手主婦だった自身の経験から、楽に片づく収納提案を行なっている。ほかにも、子供からシニアまで幅広い層へ片づけや掃除の楽しさを伝える講師としても活動中。