家電製品レビュー
ロボット掃除機なのにこんなところも入れるの!? ペット運転にも対応した「ミニマル」で抜け毛を一掃
2019年4月8日 06:00
今回紹介するのは、日立のロボット掃除機「minimaru(ミニマル) RV-EX20」。名前の通り小さなボディが特徴だが、無線LAN経由でスマホ連携でき、さらに大型アップデートでペット/夜家事運転が新たに追加された。長毛種の猫がいるわが家では、気がついたら猫の抜け毛があちこちからモサモサ出てくる。アップデートされたミニマルで、ペット運転を中心に使ってみた。
メーカー名 | 日立アプライアンス |
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製品名 | ミニマル RV-EX20 |
実売価格 | 72,000円 |
ミニマルの第一印象は、なんといっても直径250mm、高さ92mmとコンパクトなボディ。ころんとした、小さく丸いフォルムが可愛らしい。まずはスマホ連携の前に、本体のボタン操作でミニマルを動かしてみた。
自動モードで運転スタートすると、壁際や部屋の隅、椅子の足周りなどから掃除。その後は自動で走行方向を変えながら部屋中を走り、ゴミが多いと判断するとそのエリアを念入りに掃除してくれる。
また、床質とごみの量に合わせて吸引力は自動調整され、本体のパワーモニターの色も切り替わる。基本的にはパワーモニターの色は標準の緑だったが、たまに橙色に切り替わり、音も大きくなっていたので吸引力を強めているのがわかった。
しばらく見ていると、今まで使ってきたロボット掃除機では入れなかった、あらゆる隙間にミニマルがスイスイ入っていくのが確認できた。ソファの下や、壁とラグの間など、なんとも言えない微妙な場所にもすんなり入ってくれるのである。
もはやミニマルのための隙間なのでは……と思うくらいぴったりなサイズ。これまで微妙な隙間には髪の毛やホコリが残ってしまい、スティッククリーナーで掃除をしていたが、ミニマルではその二度手間がなくなった。高さもないので動かしていても圧迫感がなく、集合住宅の狭いわが家でも使いやすい。
ミニマルは小さいので、一度に取れるゴミの量は少ないが、ちょこまか走ってくまなく掃除してくれる。動いている様子をずっと見ていると、そこ髪の毛残っているよ……! と突っ込みたくなってしまうことがある。しかし存在を気にしないようにして、30分後にリビングに戻ってみると、さっきは取れていなかった髪の毛もなくなっていたので、動きは追わない方が良さそうだ。
なお自動モードの掃除時間は最長1時間で、稼働面積は32畳(約58m2)。70m2のわが家は一度の充電で掃除完了し、リビング、寝室、書斎と部屋をまたいでの走行も問題なかった。
ペット運転はアプリから、ゴミを圧縮してダストカップのスペース確保
今度は、スマートフォンにアプリをインストールしてミニマルと連携させてみた。連携が完了すると、ミニマルが無線LANへ接続できるようになる。無線LANの周波数は2.4GHzのみ対応なので、そこさえ注意すれば連携はサクサクできる。
本体のアップデートは、自動で行なわれる設定になっているので特別な操作は不要。追加されたコースは「おこのみ設定」の中にラインナップされており、スムースに確認できた。
スマホ連携の良いところは、ロボット掃除機の複雑な運転コースがひと目でわかることだろう。自動運転はわかりやすいが、おこのみ設定は「念入り/1(壁ぎわ走行重視)/2(反射走行重視)/3(足周り走行重視)/4(ペット運転)/5(夜家事運転)」と複数コースがある。しかも本体のみの操作だと数字でしか表示されないため、「2」はどんな運転コースだっけ? といちいち説明書を確認しなきゃわからない。
しかしアプリなら各コースはイラスト付きで表示されているため、直感的にどんな掃除方法かわかる。ちなみにペット運転は掃除中10分毎に、回転ブラシを逆回転させてクリーニングする「ブラシ自動おそうじ」と、ダストカップ内のゴミを圧縮する「ごみプレス」をその場で行なうコース。回転ブラシへの毛絡みを低減し、集じんスペースも確保する。
実際にペット運転で掃除してみると、途中で止まって本体のランプが赤くなり、ブラシの掃除とごみプレスの動作をしているのがわかった。そのまま1時間ほどリビング、廊下、寝室と掃除していたが、ダストカップが満杯でエラーになることはなく掃除が終わり、充電台に戻っていった。
掃除が終わりダストカップを開けてみると、何度か圧縮されたあとのゴミがパンパンに溜まっていた。毎日掃除しているはずなのに……とちょっと悲しくなったが、それだけミニマルがちゃんとゴミを集めてくれたのだと思うと頼もしい。
それからはミニマルを信頼してペット運転をメインに使っていたのだが、どうやら調子に乗りすぎた模様。2週間ほど使ってから本体裏面のブラシを見てみたら、猫の毛が絡まっていた。わが家の猫は長毛種なので、さすがに2~3日に1回掃除をしていたらブラシに毛が絡んでしまったようだ。
なおダストカップのゴミ捨て頻度は、スペック上は2週間に1回が目安となる。初回はがっつりゴミが取れたが、定期的に使っていると部屋が汚れなくなるので以降のゴミ捨て頻度は1週間に1回で十分だった。ペットを飼っていない家庭なら2週間に1回のゴミ捨てでも十分そうだ。
段差や脚の多いテーブル下の掃除も軽快で、5cm以上の段差はきちんと判別してくれ、落下することはなかった。毛足の短いバスマットの上も無理なく掃除。ごみの多そうなバスマットの上では運転音が大きくなり、吸引力も強めていた。
なお2cm以下の厚みのものは乗り越えられるため、テーブル下の段差も避けずに走ってくれた。面白かったのは、段差を前にしたときにちょっと止まってから、勢いよく走っていたこと。乗り越えられるかの判断をしていたのだと思うが、助走をつけているようで可愛かった。
今やロボット掃除機のスマホ連携は当たり前になっているが、家電の中でも特にIoT化の必要性を感じられるジャンルだと改めて思った。正直、外出先からの操作はしないが、アプリの操作画面は、本体よりもはるかにわかりやすい。スマホにつなげなくても使えるが、本体が無線LANへ接続できるようになることで、結果的に本体自体がアップデートできることも踏まえると、つないだ方がより便利に使える。
さまざまなロボット掃除機が売られる中で、自分に合う製品というのは人によって違うが、ミニマルをオススメできるのは集合住宅などあまり大きくない家だろう。こまごまとした隙間があるわが家では特に、ここはミニマルしか入れないなぁと思うエリアが多々あった。圧迫感もないので、小さいことのメリットを確実に感じられるモデルだ。