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初めてでも簡単! 都内6区で乗り降りできるレンタサイクル「ちよくる」を使ってみた

 東京都とNTTドコモが実施している、自転車シェアリングサービスをご存知だろうか。千代田区の「ちよくる」を始めとした、都内6区で提供されているレンタサイクルサービスで、貸し出し・返却場所が豊富にあることや30分150円と気軽に使えることなどから好評を博している。

 筆者も都内を移動するときによく使っており、街中でも「ちよくる」の特徴ともいえる赤い電動アシスト自転車に乗っている人を見かけることは多い。しかし初めて使うときにはスマホが必要になるため、気になるけど使い方がわからないという声も多く聞く。そこで今回は、この自転車シェアリングサービスの登録方法から基本操作、便利な使い方まで紹介しよう。

貸し出し兼返却場所となるサイクルポート。赤い自転車がまとめて駐輪されているのを見たことがある人は多いだろう

 貸し出し兼、返却場所となるサイクルポートは、「千代田区・中央区・港区・新宿区・文京区・江東区」の都内6区、全215箇所にある。区役所やオフィスビル、公園など、街中でもわかりやすい場所に設置されている。区をまたいでの利用が可能で、例えば歩くと少し時間の掛かる、赤坂(港区)から永田町(千代田区)までなど、“ちょい乗り”にも便利だ。

 基本料金は30分150円で、以降30分ごとに100円の延長料金が掛かる。このほか月額会員や1日パスも用意されており、価格は以下のとおり。支払い方法はクレジットカードがメインとなる。

プラン基本料金(税抜)延長料金(税抜)支払い方法
1回会員150円/回30分を超過した場合100円(30分)クレジットカード
ドコモケータイ払い
月額会員2,000円
1日パス1,500円/日なしクレジットカード
交通系ICカード
ポートは「千代田区・中央区・港区・新宿区・文京区・江東区」の都内6区、全215箇所にある
赤坂から永田町など、区を越えての利用も可能

1.いきなり行っても使えない! まずはスマホで会員登録

 筆者も初めてちよくるを使おうとしたときに戸惑ったのだが、いきなりポートに行って自転車を操作しても借りられない。まずは、スマホかパソコンから会員登録をする必要がある。この会員登録が少々面倒なのだが、一度登録してしまえば後は簡単に借りられるようになる。

 登録は公式サイトから可能で、6区それぞれがサイトを用意しているがどこからでもOK。任意のユーザーIDやパスワードを入力する方法と、dアカウントを使用する方法、2通りから登録できる。ここではユーザーIDを入力して登録してみた。

 IDやパスワードのほか、氏名やメールアドレス、電話番号などを入力する。レンタサイクルの運営はNTTドコモだが、他社キャリアの携帯電話を使っていても登録可能。会員プランもここで決定する必要があるが、まずは「1回プラン」で良いだろう。月に15回ほど乗る予定があるならば、月額会員の方がお得だ。

まずはスマホかパソコンから会員登録する
「会員証登録」という項目は、FeliCa(おサイフケータイ)対応のスマホを使っているなら登録がオススメ

 また、「会員証登録」という項目もある。これは実際に自転車を借りるときに、FeliCa(おサイフケータイ)対応のスマートフォンであればスムーズに借りられるようになるもの。自身のスマートフォンがFeliCa対応であれば、会員証を登録しておくことをオススメしたい。登録した会員証については後述する。

 後はクレジットカード情報を入力したら完了だ。利用料はクレジットカード決済のほか、ドコモであれば携帯の利用料金と一括で決済する方法も選べる。

2.おサイフケータイ対応ならスマホをかざすだけでレンタルOK!

 では、実際にサイクルポートに行って自転車を借りてみよう。自転車の借り方には2通りあり、スマホを自転車にかざす方法と、コードを入力する方法だ。

 まずはスマホをかざす方法から紹介する。この方法で借りるには、FeliCa(おサイフケータイ)対応のスマホを使っていることが前提条件になる。そしてここで必要になるのが、先程登録した「会員証」だ。会員証を発行しておくと、登録したメールアドレスに会員証登録用のパスワードが送られてくる。

 このパスワードを自転車の操作パネルに入力して、スマホをカードリーダーにかざすと連携完了になり、以降はスマホをかざすだけで自転車が借りられるようになる。

会員証を登録するとパスワードが発行される
自転車のサドル後方に操作パネルを備える
パスワードを入力
FeliCa対応のスマホをかざすと連携完了。以降はスマホをかざすだけで自転車が借りられるようになる

 実際に借りるときは、レンタルしたい自転車の操作パネルで「START」を押し、その後FeliCaカードリーダーにスマホをかざす。数秒経つと電子錠が自動で開き、利用開始になる。スマホをかざしただけで自転車の鍵が開くのはちょっとした近未来感があった。

 乗車中は、操作パネルで経過時間も確認でき、30分を越えていないかもわかりやすい。筆者の場合、10分くらいの利用が多かった。歩くと30分は掛かる距離が、自転車だと10分ほどで着いてしまうので重宝している。

「START」を押す
スマホをかざすと自動で開錠される。近未来感がある
乗車中は操作パネルで経過時間を確認できる

3.iPhone 6などFeliCa非対応はこちら! パスコードでのレンタルは20分前から予約もできる

 もう1つのレンタル方法は、サイトから自転車を選んでパスコードを発行するというもの。iPhone 6など、FeliCa非対応のスマホではこちらを利用する。

 まずはサイトからポートを選択し、レンタルしたい自転車を選ぶ。自転車はいずれもIDがあるので、一覧からIDをタップするとパスコードが表示され、レンタル完了。このパスコードを該当の自転車に入力すると開錠される。

マイページから「自転車を借りる」項目の「駐輪場から借りる」を選択
地域や場所を選べるようになる。ポートごとにレンタル可能な自転車の台数が表示される
6区すべてから選択可能
細かい地域分けもされている
ポートを選ぶとレンタル可能な自転車が表示される。ここで自転車をタップするとすぐにレンタル開始になってしまうので注意
自転車を選ぶとパスコードが表示されるので、該当自転車の操作パネルに入力

 パスコード入力でのレンタルは、特徴的なメリットがある。それは、20分間レンタル予約ができるということだ。ポートによっては駐輪されている自転車が1、2台しかないこともある。人通りの少ないポートでは日中利用者が少ないこともあり、いざポートに行っても自転車がないということがある。

 そこで、ポートに行く前にサイトから自転車を予約しておくことで、20分間レンタル権を独占できるようになる。FeliCa対応のスマホでもパスコードは発行できるので、確実にレンタルしたい時はこちらがオススメだ。レンタル予約がされた自転車に、他の人がスマホをかざして使おうとしても「他者予約中」と表示されるので問題ない。20分経つと自動で予約はキャンセルされる。

 なお、サイトにアクセスした時点で、選択したポートに自転車が0台ということもあるので、その場合は近隣のポートを探した方が良いだろう。

4.ポート内ならどこでも返却可! ポートマップはGoogleMapと連動

 返却の際は、ポートに駐輪して鍵を施錠。操作パネルの「ENTER」を押せば返却完了だ。ポート以外で返却の操作をしても、自転車自体にGPS機能が備えられているため「駐輪場外」と表示され、返却できない仕組みとなっている。

 なお、「貸し出し手続き完了」「施錠」「返却完了」、これらの操作をしたときにはメールが届くため、返却操作を忘れていないかも確認しやすい。自転車には通信機能も備えられており、メールはほぼリアルタイムで送られてくる。

 ちよくるのメリットは、借りたときと同じ場所に返す必要がないため、乗り捨てできる点にある。ポートは豊富に用意されているので、返却場所に困ることもない。全215箇所のポートはサイト上から確認でき、GoogleMapとも連動しているため見つけやすい。

返却の際はまず施錠する
「ENTER」を押せば返却完了
貸し出し手続きなどが完了するとメールが来る
ポートはGoogleMapと連動。神保町から秋葉原など、交通の便が良くない区間での移動が特に便利

5.借りる前にバッテリーの確認を!

 以上が基本的な使い方だが、1点注意しておきたいポイントがある。それは、自転車を借りる前にバッテリーをチェックすることだ。利用できる自転車はいずれも電動アシストタイプなため、重たいバッテリーが搭載されている。このバッテリーが0%の自転車もあるため、うっかりレンタルして上り坂に出くわすと悲惨なことになる。

 20分前に遠隔で予約するとき以外は、必ずバッテリーをチェックしてから自転車を選んだ方が良い。また、初めて電動アシスト自転車に乗る人は、慣れるのに少し時間が掛かるかもしれない。アシスト力が結構強く、漕ぎはじめは思いのほかグンと進むからだ。

 カゴも横長なものと正方形のものがあるため、カバンに合わせて選ぶのも筆者的にはポイント。A4ファイルが入るカバンやビジネスバッグは、正方形のカゴだとキレイに収まらないことも多い。また、サドルは高く設定されていることが多いので、女性はサドルの高さもチェックポイントになるだろう。

借りる前にはバッテリーの確認を
カバンに合わせてカゴのタイプを選ぶという方法も

 都内を自転車でスイスイ走るのはとても気持ち良い。普段オフィスで座り仕事をしている時間が長いと、風に当たって自転車を走らせるのは良い気分転換になった。また、電車に乗っていてはわからない景色が見れるのもポイント。興味がある方は、一度登録してみてはいかがだろうか。

西村 夢音