カデーニャ
便利な中国のレンタサイクル、深センではIoTバリバリより安さが人気!?
2018年7月4日 07:30
IoTが日本とは少し異なる発展を遂げた中国・深セン市に来ました! 中国の都市では、今レンタルサイクルが大流行。街で走っている自転車をよーく見ると、レンタサイクル、レンタサイクル、レンタサイクル……。オレンジ色はレンタサイクルですし、黄色もレンタサイクルですし、青もレンタサイクルです。
中国の皆さんに混じって私もレンタサイクルで走り回ってみましたが、これがもう快適で快適ですっかりトリコになってしまいました。中国のレンタサイクルは、スマートフォンにアプリをインストールし、会員登録すると借りられます。道路端に借りられる自転車がたくさん置いてありますし、
基本的にどこにでも乗り捨てOK。タクシーなどに比べると非常に料金が安く手軽なので、ちょっと近所に出かけたいときなどに多用しまくりでした。
「mobike」や「ofo」というのが中国では有名なレンタサイクル業者。mobikeは創業者(Joe Xia/夏一平)がUberの元社員だったり、シンガポールなどにも進出したりとニュースにも出ているので、名前を聞いたことがある方もいるかもしれませんね(mobikeは先日日本でもサービス開始の記者発表会を開きましたね)。
借りるときは、まず自転車のサドルについているQRコードをスマートフォンアプリから読み取ります。「mobike」は、自転車のロック部分がサーバーとの通信装置にもなっていて、スマートフォンでQRを読み取り、レンタルOKとサーバーが判断すると、カギが「ガチャ!」と自動で開きます。この様子がサイバーでなんだかすごくカッコよい。
ただこのmobikeは中国ではわりと高級な方のレンタルサイクルで、筆者が多く借りているのはofoというもっと廉価なレンタサイクル。こちらは、自転車には電子装置は一切付いていません。借り方はmobikeと同じでQRコードを読み取るのですが、スマートフォンに「あなたのカギの番号はこれよ」と表示するだけですので、ダイヤル式のカギを自分で開けなければなりません。
返すときもスマホで「返します」ボタンをタップします。すると「カギしておいてね、今回の料金はいくらですよ」と表示されます。どちらの業者も、借りるときと返したときの位置と時間を測定し、走った分の料金を徴収するわけですが、ofoはその距離測定も通信もユーザーのスマートフォンの機能を使うことで安くしているわけです。同じようなレンタサイクルでも自転車にサイバーなガジェットを載せてしっかりした仕組みをそれなりの値段で出すか、より低廉な値段で出すために仕組みを簡略化するか、発想の仕方次第で仕組みはいろいろと変わるもので、競争というのは面白いものですね。
ちなみに深センの場合、レンタサイクルのシェアでいうと2017年6月現在、ofoが5割くらいを占め、mobikeが3割、残りの2割をその他で分けているという感じだそう。どの業者がどの都市に力を入れているかという部分もありますが、安価で機能を絞ったofoが深センで人気だというのは、なかなか考えさせられるところです。
また、mobileとofoの大手2社に対し、新興のレンタサイクル2社が相次いで倒産したというニュースもあります。報道によれば、自転車の場所を特定するGPSが搭載されていなかったという点もありつつ、電子キーを破壊して盗まれた自転車が9割以上とのことで、いかに盗難に対して対策を講じるかも、ビジネス面におけるレンタサイクルの重要なポイントといえそうです。
▼乗り逃げ率9割以上……中国「シェア自転車」2社が相次ぎ倒産 – ITmedia NEWS
この記事は、2017年7月26日に「カデーニャ」で公開され、家電Watchへ移管されたものです。 |