家電レビュー
天井サーキュレーター照明で簡単にエアコンの温度ムラ解消できた
2024年7月26日 08:05
最近は電気料金の高騰が著しく、請求書を見るたびにそろそろ節電せねば……と考えていました。ただ夏場は消費電力の高いエアコンの使用を控えるのは難しく、サーキュレーターの併用を検討するものの、狭い自室の床にモノを置きたくないという葛藤もありました。
そんななかお借りしたのが、今回ご紹介するドウシシシャ「サーキュライト EZシリーズ スイング12畳 音声操作モデル」。LED照明にサーキュレーターが搭載されており、天井から送風することで室内の温度ムラを解消するため、冷房の設定温度を過度に下げることを抑えられ、省エネ効果が期待できます。
価格は39,800円で、サーキュレーター以外の多彩な機能を搭載しているのも特徴。調光10段階、調色7段階、常夜灯2段階の調整ができ、さらにシリーズ初採用のボイスコントロール機能により、ハンズフリーでライトとファンの操作が可能です。取り付けが簡単なのも魅力で、リビング用のメインライトとしても使えます。
今までLED照明は点灯と消灯だけの機能で十分と考えていましたが、実際使ってみると、生活の質や仕事の効率を向上させるうえで照明の利便性は重要だと感じるようになりました。
取り付け簡単、圧迫感なし
まず、よかった点は設置が非常に簡単なこと。設置方法は、サーキュライトを持ち上げて、天井コンセントに挿して、くるっと回すだけ。ドライバーなどの器具も一切使うことはなく、天井に穴をあけてネジ留めする必要もありません。
重量があるシーリングファンは、高く持ち上げる際に腕の力が必要ですが、本機は2.1kgと軽量で持ち上げやすく、1人でもラクに取り付けられました。
従来モデルよりも羽根径が20cmから25cmに大型化されており、風量が約150%に向上しているそうですが、想像以上にコンパクト。
天井が低めのアパートに設置しましたが、圧迫感がなく、部屋もスッキリとした印象に。シンプルなデザインで、生活感がある部屋でも悪目立ちせずになじみます。回転するファンで目が散る懸念もありましたが、とくに気になることもありませんでした。
設定温度が上げられるため、エアコンで体が冷えにくい
搭載されているファンの機能は豊富で、風量が7段階調整できるだけでなく、ファンの角度調節や360度回転も可能です。
角度を調整して、枕元あたりに送風して風量を検証してみました。風量レベル1〜2はほんのり風が届く程度。風量レベル3は、やわらかな風が届き涼しさを感じやすくなります。レベル5からは、しっかり風を感じられる印象でした。全体的にやわらかい風で、レベル7でもテーブルの上に置いた紙類が飛んでいくといったことはありません。
DCモーター採用で、気になる稼働音は抑えられています。風量レベル1はほとんど無音に近く、レベル2は気にしてみれば聞こえる程度。レベル3〜5はささやき声程度ですが、レベル6〜7になると音が非常に大きくなり、キッチンの換気扇レベルになる印象でした。
個人的には就寝時に気にならないのはレベル3程度まで。レベル7は非常に音が大きいので、帰宅直後に一気に空気を循環させたいときなどのピンポイントな用途での利用に向いていそうです。
本機は風向きを上下で切り替えられるのも特徴。冷たい空気は部屋の下のほうにたまりやすいため冷房時は正回転(下向き)、あたたかい空気は天井のほうにたまりやすいため暖房時は逆回転(上向き)が向いています。冷暖房に合わせて効率的に空気を循環させられるため、合理的な機能といえるでしょう。
このほか、2段階の「角度調整機能」と、低速・高速の切替ができる「360度回転機能」を組み合わせることにより、狙った位置に送風できます。
床置きのサーキュレーターと違って、本機は天井に固定されるので使い勝手に不安がありましたが、リモコンで調整して狙った位置に送風できるため、部屋全体に空気を循環させる用途や、直接風を体に当てたいときなどにも便利に使えました。また、床置きのサーキュレーターのように、モノで風が遮られることがないことも、天井に設置する大きなメリットに感じます。
冷房効率は実際に向上している印象で、いつもの設定温度より1〜3℃程度上げられました。自宅ではベッドがエアコンの正面に位置していたため、本機を導入する前までは体が局所的に冷える問題がありました。
しかし、本機は冷気をムラなく循環させて適度な温度に保てるため、寒さを感じてエアコンを消して、また暑くなったらつけるといった行動が減少。エアコンの入り切りの回数が少なくなったため、節電に対するインパクトも大きそうです。
デスクワークの妨げにならない、やわらかな光
調光は10段階、調色は7段階、常夜灯は2段階と幅広く調整可能。一番明るくしたいときは「全灯」ボタンを押せば調光100%で点灯します。
デスクワークのときは白い光、リラックスするときは暖色というように、シーンに合わせた調色の使い分けは重宝しました。
日中のデスクワークでは、自然光のみでは暗いときがあり、かといって電気をつけると明るすぎてしまいヤキモキしていました。本機は、調光・調色が細かくできるため、自然光を補完するような明るさや色に調整ができ、業務に集中して取り組みやすい環境をつくれます。また、就寝時に段階的に暗くできるので、睡眠に与える影響も大きい印象でした。テレビの画面に光が反射しない程度の明るさにできるのも、よかったポイントです。
生活していると思いのほか、ライトが明るすぎることにより不快感を覚える場面は多く、そうしたストレスを軽減することに大いに役立ちました。
なお、ライトは30/60分、ファンは1/2/4/8時間の切タイマーの設定が可能です。ライトでいうと、タイマーボタンを1回押すとピッと音が鳴り30分後に、2回押すとピピっと音が鳴り60分後に自動で消灯する設定になり、3回押すとピーという音が鳴りタイマーが解除されます。ちなみに、タイマーが設定されているかを目視で確認できない点は少し気になるポイントでした。
ボイスコントロール機能でQOL向上
また本機は、シリーズ初の音声認識、ボイスコントロール機能を搭載しているのが大きな特徴です。Wi-FiやBluetoothなどの接続は不要で、設置してすぐに音声操作が可能です。
「サーキュライト」と話しかけると、本体が青く光り、音声認識が起動。そのあと、指定の命令語で指示することでコマンドを実行できます。ライトの点灯や明暗の調整、ファンのON/OFFや風量調整などをリモコン不要で行なえます。
正直、おまけ程度に考えていた音声認識機能でしたが、「照明を買うときは、音声機能搭載をマストにしたほうがいいかも!」と思うほど便利でした。
ハンズフリーで操作できるので、両手が荷物でふさがっているときや、出かける準備や食事をしているときでも、気軽に電気の点灯や消灯、明るさの調整ができます。就寝時はとくに役に立ち、暗い部屋でリモコンを探す必要もなくなりました。
音声認識の感度は高く、小さめの声でも反応します。自室がアパートの通路側に面しているのですが、窓が閉まっている状態で外の通路から「サーキュライト! ライト消して!」といったら消灯できました(笑)。できる環境は限られると思いますが、電気の消し忘れに気づいたときも、いちいち部屋まで戻らなくてよいのはうれしいです。
やや気になるポイントは、決められた命令語以外は認識しない点。そのあたりは結構シビアで、たとえば「3段階明るくして」といった指示は通らないため、実行するとしたら「明るくして。明るくして。明るくして」と連呼する必要があります。命令語はある程度覚えておいたほうがサーキュライトを活用できる幅が広がりますし、細かい調整をする際にはリモコンを使ったほうが手っ取り早いと感じました。
今回はドウシシシャ「サーキュライト EZシリーズ スイング12畳 音声操作モデル」を使用しましたが、エアコンの設定温度を上げられて省エネにつながるだけでなく、調光調色や音声操作といった便利な機能により生活の質を向上してくれるものでした。
在宅ワークをしている筆者は、とくにライトを操作する場面も多く、操作しやすかったり、細かい調整ができたりすることは業務効率の向上に直結しました。家にいる時間が多い人はライトの利便性にこだわってみてはいかがでしょうか。