家電トレンドチェッカー

量販店スタッフがお薦めする新生活マスト家電(ヨドバシカメラ編)

 いよいよ3月に入り、入学や転勤などが決まった人も多いことだろう。そんな新生活をスタートさせる人にも、春だから気分を一新させようとしている人にも最適な家電製品を、知識もユーザーニーズも熟知した、家電量販店の担当者に聞いてきた。

 第3回目は、ヨドバシカメラ。レコメンドしてくれたのは、ヨドバシAkiba店、家電コーナー担当の髙澤浩二さんだ。

ヨドバシカメラ 秋葉原店
家電コーナー担当の髙澤浩二さん

コンパクトで使いやすいパナソニックの「衣類スチーマー」

 一人暮らしの新生活向けとして高澤さんがまず紹介してくれたのが、パナソニックの衣類スチーマー。シリーズ累計の出荷台数が100万台を超え、先日も新モデルがリリースされたばかりの製品だ。

パナソニックの衣類スチーマー(写真の型番は「NI-FS470-PN」)
メーカー名パナソニック
製品名衣類スチーマー「NI-FS470-PN」
取材時の価格7,370円

 「パナソニックの衣類スチーマーは、服を掛けたままスチームで、毎日のちょっとしたシワが伸ばせるという製品です。アイロンを持っている方にはもちろん、これだけを持っていればアイロンはいらないという方もいらっしゃいます。アイロンは使わないかなぁと考えている人にこそお薦めですね」

 衣類スチーマーと言っても、各メーカーから様々な製品が発売されている。その中で、パナソニック製を推す理由は、まずコンパクトであること、軽くて使いやすいこと、そして連続4分ほど使えることを挙げた。

 「結局、ヒーターが弱くて1分くらいでスチームが止まってしまうというのが、他メーカー製のスチーマーの弱点です。止まってしまうと、ヒーターが冷めるまで動かなくなってしまいます。それが、パナソニックのものは約4分使い続けられるので、シャツ1枚のシワが伸ばせます」

 また、他モデルと比較するとコンパクトで軽量な上に、バランスを考えた設計で、実際に持ってみるとより軽く感じられる。そのため、男性だけでなく女性にもお薦めできるモデルだという。

生地を傷めずにピンポイントで服を洗えるシャープの「超音波ウォッシャー」

 筐体がコンパクトで、一人暮らし世帯でも置いておくとちょっと便利、というのがシャープの「超音波ウォッシャー UW-A1」

超音波ウォッシャー「UW-A1」
メーカー名シャープ
製品名超音波ウォッシャー「UW-A1」
取材時の価格15,530円

 服の一部の汚れを集中的に洗う製品で、ケチャップや醤油を服に付けてしまったり、なかなか落ちない襟元の皮脂の汚れなどを、集中して洗う製品。

 「ソースやケチャップなどを付けてしまった直後であれば、ほとんどの汚れが落ちます。また、今まで諦めていたシミとかも、これを使えば落ちるかもしれません。今までは頑固な汚れを落とすのに、手でゴシゴシと洗っていましたよね? でも、それでは生地を傷めてしまいます。この超音波ウォッシャーであれば、そうした心配をしなくてもいいんです」

 どんな製品なのか想像が付かないという人には「メガネ用の超音波洗浄機を考えてもらえれば」と語る。汚れを落とす原理は同じだ。

人気製品のため、取材時には在庫切れだった

“元祖”ワイヤレススティッククリーナー、エレクトロラックス「エルゴラピード・リチウム」

 一般的なキャニスター型を始め、スティッククリーナーやロボット掃除機など、多彩なスタイルから選べる掃除機。そんな中で、一人暮らし向けとして一番人気がありお薦めなのが、バッテリー内蔵のワイヤレススティッククリーナーだという。

エレクトロラックス「エルゴラピード・リチウム」

 「キャニスター型はパワフルですが、収納場所などに困りますし、電源コードが必要です。ロボット掃除機も人気ですが、やはり価格面などで一人暮らし向けとしては敷居が高いです」

 ではスティッククリーナーの中でお薦めなのはどこか? 高澤さんは、価格や吸引力、バッテリー駆動時間、使いやすさを勘案して、エレクトロラックスの「エルゴラピード・リチウム」を挙げてくれた。

メーカー名エレクトロラックス
製品名エルゴラピード・リチウム「ZB3106AK」
取材時の価格35,200円

 「吸引力だけを考えればダントツでダイソンになります。ですが、3〜4万円くらいで購入できるもので言えば、このカテゴリーの元祖とも言えるエルゴラピードがお薦めです。中でもバッテリー性能が高いエルゴラピード・リチウムですね」

 他のスティッククリーナーにも言えるが、ワンタッチでハンディクリーナーにもなる点もメリットだとする。キャニスター型でも、掃除場所によってノズルを交換すればいいことだが、スティッククリーナーほど使いやすくはない。

 「紙パックがいらない点も、一人暮らしに向いていますよね。交換するものが少ない分、手間が減らせますよ」

ワンタッチでハンディクリーナーに早変わりする点も便利

新生活を期に「料理してみようかなぁ」という人に最適なシャープの「ホットクック」

 一人暮らしにもファミリーにもお薦めなのが、シャープの「ホットクック」だ。

ホットクック「KN-HT99A-R」
メーカー名シャープ
製品名ホットクック
取材時の価格48,470円

 「口コミで広がって、コンスタントに売れている製品です。特に、料理が苦手な人にお薦めです。圧力釜の代わりになるもので、いろんな料理を簡単に作れます。中でも分かりやすいのが、カレーや肉じゃがです。切った材料をザザっと入れて、ボタンを押せば勝手にカレーなどを作っておいてくれます」

 後はかきまぜから温度調整まで全部やってくれる。ご飯だけを炊いておいて、あとはホットクックに任せればいい。

 味はどうなのか?

「味では負けちゃいます」と語る高澤さん

 「私も料理が苦手なわけではないですが、私が作るよりも美味しく作れてしまいます。味では負けちゃいますね」とのこと。

 美味しく作れる理由として、人が何かを調節する必要がないからだという。

 「まず無水調理なので、水を入れる必要がありません。そのため水の量を間違えないし、考える必要がありません。また、火加減も勝手に調節してくれます」

 人が介在する要素が少ない分、エラーが少なく、コンスタントに美味しい料理が出来あがるとのこと。料理専用のロボットのような感じだ。

 「鶏肉とかを入れておくと、すごく柔らかくなりますよ。料理が得意な方は別ですが、料理の腕がフツーかなぁという人が作るよりもホットクックの方が美味しいです」

3つの機構で部屋の空気を徹底してキレイにしてくれるダイキンの空気清浄機

 空気清浄機と言えば、昔は花粉対策用というイメージだったが、最近では花粉以外の排気ガスや菌、PM2.5など、空気を総合的にキレイにしていこうというマインドが高まっているという。

 中でも高澤さんがお薦めするのがダイキン製の空気清浄機。そして、空気清浄機は適用畳数が高いものを選ぶほど良いという。

 「エアコンは部屋の広さに合わせたモデルを選んだ方が良いですが、空気清浄機に関しては適用畳数が広いほどいいです。高い分には全く問題ありません」

 そこで、ダイキンの中でもハイグレードタイプの「MCK70T」をプッシュする。適用畳数は31畳までとパワフルだ。

ダイキン「MCK70T」
メーカー名ダイキン
製品名MCK70T
取材時の価格59,800円

 「この機種に関して言うと、まず、吸い込んだ空気をフィルターで濾過します。さらにイオンを部屋内に放出して、フィルターでは取りづらい菌やニオイを分解します。さらにダイキンがやっているのが、本体内でバチバチと電気を発生させ、電気で花粉を分解してくれるんです。今まで、こうした機能を個々に備えた製品はありましたが、このモデルは1つにまとめられているんです」

 ダイキンのデメリットについても教えてくれた。

 「3段階で空気をキレイにするため、メンテナンスすべき箇所が増える点です。それだけ汚れを取ってくれていると考えればデメリットではないのですが、もし掃除はラクにこしたことはないという方には、他のモデルをお薦めします」

メンテナンスすべき箇所が多いのがデメリットと感じるなら、お薦めしないという
指をスーッと走らせるだけで、ホコリがたくさん取れていることが分かる

 ダイキン製を選ばないにしろ、空気清浄機を置くなら家の全ての部屋に配置してほしいという。例えばリビングだけをキレイにしても意味がない。

 また、空気清浄機は24時間付けっぱなしで使うものだと思って欲しいという。家にいる時にだけ付けるよりも、家を留守にしている時にも稼働させた方が断然効果的だからだ。最近のモデルは、消費電力も落ちてきている。付けっぱなしにしても、一カ月にかかる電気代は数百円程度。惜しまず付けっぱなしで使おう。

便利なものは、ファミリー向け製品でも一人暮らしにも最適!

 様々な製品をお薦めしてくれた高澤さんは次のようにも語った。

 「ファミリー向けに作られた製品でも、コンパクトで便利なものは、一人暮らしにも向いています」

 新生活向け! と謳うコーナーが多い季節だが、高澤さんがお薦めしてくれた製品を参考に、ファミリー向けの家電製品に目を向けてみると、自分にフィットした製品が見つかりそうだ。

河原塚 英信