家電製品レビュー

e-bike初体験! ビアンキ「レッコ-e」のなめらかな走り心地が忘れられない

 ドコモのシェアサイクルを使い始めて早2年、都内の移動手段として電動アシスト自転車が私の中でだいぶ浸透してきました。電車の乗り換えが面倒な場所は、10分ほどの移動であれば自転車の方がはるかに楽です。あらゆるところでシェアサイクルの便利さを話していたら、社内の人から「ビアンキのe-bikeに乗ってみない? ドコモのシェアサイクルと同じミニベロなんだけど」と声を掛けられました。

シェアサイクルの便利さを熱弁し続けていたら、ビアンキのe-bikeを借りられることに

 ビアンキはわかります。爽やかな空色のチェレステカラーが印象的で、街中で乗っている人を見るとかっこいいなぁと思っていました。

 ミ、ミニベロ……? ミニベロリンガ? ほぼ毎日のようにシェアサイクルで電動アシスト自転車には乗っていますが、自転車本体の知識はありません。ミニベロはフランス語で「ミニ(小さい)ベロ(自転車)」、タイヤの直径(外径)が14~20インチ程の自転車ということを教えてもらい、なるほど確かに普段乗っている自転車と同じサイズと納得。

 ちなみにe-bikeはスポーツ走行向けの電動アシストユニットを搭載した自転車のことで、いわゆる“ママチャリ”タイプの電動アシスト自転車はe-bikeではないそうです。

 知識ほぼゼロの私が乗っていいんですか……と思いつつ、ビアンキのミニベロe-bike「Lecco-E(レッコ-e)」をお借りしました。お値段約30万円、普段乗っている電動アシスト自転車(非e-bike)とは倍くらい違います。1カ月ほど都内をぐるぐる走り回ったので、その乗り心地をレポートします。

都内10区で乗り降りできるドコモバイクシェアの電動アシスト自転車。右は私の身長(158cm)では大きく感じるので、普段は左のミニベロタイプを借りるようにしています
ビアンキのミニベロe-bike「レッコ-e」。黒が基調ですが、チェレステカラーメインのタイプももちろんあります

スルスル進んで気持ちいい! もはやTURBOは漕いでる感がない(笑)

 e-bike、難しそうだなぁちゃんと乗れるかなぁと不安に思いつつ、いつも乗っている自転車と同じように街乗りで走ってみました。とりあえず電源入れておけばなんとかなるっしょ精神で。

 アシストレベルは「TURBO/SPORT/TOUR/ECO」の4段階、ギアは8段階で調整できます。ギアは1~8へ徐々に上げましたが、一般的な電動アシスト自転車との違いを感じたかったのでレベルはTURBOに設定。グイッと進む感じはありません。

 最終的にギアは「6」に固定して走りました。ぬるーーーっというか、するーーー一っというか、スルスル進む感じが気持ちよくなってきます。一漕ぎでかなり進むので、ガシガシ足を回す必要がなく快適。特に天気の良い日は、風を感じながら走れてかなり心地よいです。

右ハンドルでギアチェンジ。まずはギアを1~8へ徐々に上げ、アシストレベルはTURBOに設定
するーーーっと進むのでとても気持ち良いです

 ですがTURBOはちょっとアシストが強かった模様。街乗りだと、自転車を漕いでいる感覚が正直ありません(笑)。原付自転車のようで、他のモードと比べるとスピードも結構出る印象。ペダルを回して、程よく漕いでいる感も欲しかったので「TOUR」に下げました。

 街乗りなら、やはりTOURくらいが快適。漕いでいる感がありつつ、なめらかに進むので自転車移動が楽しくなります。坂道はキツくなってくるので、そこはTURBOで。ECOはアシスト弱めで、バッテリー持ちを良くしたいときの利用かなと思いました。

 ディスプレイは明るい日光下でも視認性が高く、モード切り替えも手軽にできます。航続距離のほか、時刻、速度、平均速度、走行距離、走行時間、航続距離が表示されます。

TURBO
SPORT
TOUR
ECO
航続距離のほか時刻や平均速度も表示されます

バッテリーは重くてもスイスイ! ユニットはボッシュ製

 なぜスイスイ進むかというと、きちんと理由があるそうです。レッコ-eに採用されているアシストユニットは、ボッシュのプレミアム電動アシスト自転車用ユニット「Bosch eBike Systems(ボッシュ・イーバイクシステム)」。

 2017年発表時の記事では、「ドライブユニットは1秒間に1,000個の動きを測定し、最適なスピード・電動アシストを実現。ペダルを踏み込んだ瞬間からモーターが作動するため、こぎ出しのロスが少なく、アシストされていることに気付かないほど滑らかにこぎ出せる」と書かれています。

レッコeには、ドライブユニット「Active Line Plus」を採用
なめらかに進むので自転車移動が楽しくなります

 また驚いたのは、電動アシスト自転車なのにバッテリーの重さを感じないこと。レッコ-eのバッテリーは容量8.2Ahの「PowerPack 300」。ECOモードなら最長100km走れるほどの大容量なので、当然重いです。充電のためにバッテリーだけ持つと、ドシッと重さを感じます。

 このバッテリーが自転車の中心部に備えられているのに、不思議と重たくありません。むしろスイスイ進んで、快適だわ~~~という気持ちの方がはるかに強い。坂道でも軽やかに走れます。

バッテリー容量は8.2Ah。ずっしり重いですが、走っているときは軽やかです
バッテリーの取り外しは鍵がないとできないので、盗難の心配も少ないです
充電時もバッテリー残量は簡単に確認できます

行動範囲が広がる! どこでも自転車で行きたくなる

 スイスイ進むことで発見があったのは、今までよりも行動範囲が広がったこと。シェアサイクルの自転車では2~3駅(4km)ほどの移動が多く、それ以上走っていると正直疲れます。私の体力と筋肉がないからなのですが……。

 レッコ-eは同じ距離を走っていても全然疲れることなく、むしろどんどん自転車で移動してみようと思えるのです。普段なら電車で移動するような距離も、気負いなく漕げます。

 むしろ、ここは自転車で行くとどんなルートになるんだろう? と地図を開いたり、今まで通ったことない街を眺めながら走ったりするのも楽しくなります。電車ではわからない景色が楽しめるのは、やはり自転車の醍醐味だなぁと改めて思いました。

普段なら電車で行くような場所もレッコ-eで。皇居ランは体力的に無理なので、自転車で一周

 もちろんシェアサイクルも便利なのですが、最新e-bikeのなめらか走行を経験しちゃうと、こっちも良いなぁと惹かれます。正直それまでは、駐輪場の登録も面倒だし、街中で駐輪するのも盗まれたら怖い、レンタルで気軽に乗り降りしたいと思っていましたが、レッコ-eはかなり魅力的。

 ただ、この2つの役割は異なっており、シェアサイクル用の自転車はちょい乗り向けで、e-bikeはマイ自転車としてさまざまな街へ一緒に行きたくなるなぁと感じました。

マイ自転車としてさまざまな街へ行きたくなります

 またビアンキは、おしゃれなデザインなのも所有欲が刺激されます。実際街中を走っていると、ビアンキに乗っているだけでドヤっとしたくなりますし(笑)。駐輪場に停めるときも、同じマンションの人から「ボッシュの電動自転車? かっこいいですね」と話しかけられてニヤニヤしちゃいました。これが自転車沼……! とちょっと怖くなったのも事実(笑)。

 もちろんお値段はかなり高いので、すぐに買えるシロモノではありませんが、レッコ-eはかなり憧れる存在になりました。今回お借りしたブラックも格好良いですが、チェレステカラーもホワイトも可愛くてどの色がいいかなと考えるだけでも楽しくなってきます……!

西村 夢音