家電製品ミニレビュー

シャープの超音波ウォッシャーは、出先でうっかり付けた醤油のシミも落とせる!

 超音波振動で服に付いた部分汚れを落とす「超音波ウォッシャー UW-A1」がシャープから発売された。実機を試す機会を得られたので、レビューしていく。

超音波ウォッシャー「UW-A1」
メーカー名シャープ
製品名超音波ウォッシャー UW-A1
価格16,070円

 同機は名前通り、超音波振動を起こして服に付いた汚れを落としていく。叩いたり絞ったりする必要がないため、生地を傷める心配がないのも特徴だ。

 外観はシンプルな筒状で、見た目はステンレスのような上質ささえ感じさせる。持つとプラスチックだと分かるが、そのため本体は約200gと軽い。外観と大きさ、そして軽さを考えれば、旅行の際にスーツケースに入れておいても気にならないだろう。

バックに入れておけるほどコンパクトで軽い
キャップを取ると、超音波振動する金属部分「ホーン」が現れる
このホーンが毎秒約38,000回振動することで、衣類に付いた汚れを落とす
カバーを外せるので、ホーンの汚れが気になったら簡単に拭ける
バッテリーを内蔵し、USBケーブルで充電する。フル充電時の駆動時間は約30分間

 使い方はシンプル。本体のキャップを取り外し、底部の電源ボタンを1秒以上長押しすれば、振動し始める。あとは服に付いた汚れ部分を水に浸し、本機の先端「ホーン」でなぞっていくだけだ。

タッパーに水を張っておく。もちろん洗面台を使ってもいい
本体底部の電源ボタンを約1秒長押しすれば、振動スタート
服の汚れた部分を水に浸し、ホーンを汚れに沿って撫でるように動かす
超音波振動だけでは汚れが落ちない場合は、市販の液体洗剤を垂らしてみる

激しい汗染みが、どんどん落ちていった

 まずは超音波ウォッシャーの実力を遺憾なく発揮してもらえる、最高に汚い帽子を洗浄してみることに。夏用ということもあり、汗をいっぱいに吸っている帽子だ。しかも昨夏に帽子のてっぺんのボタンが取れて、洗わずに放置していたもの。

昨年退役した、とにかく汚い帽子を洗ってみることにした

 特に汚い、帽子のツバの裏側を洗うことに。キレイな水道水を入れたタッパーに、ツバがギリギリ浸るくらいに入れる。あとは超音波ウォッシャーの電源を入れて、帽子の表面をなぞっていった。

 電源をONにしても動いているのかはわからない。ほんとうに微かにだけウィ〜〜ンと音を立てている気もするが、完全に生活音に隠れてしまうほど微かだ。水の中に先端のホーンを入れると、水の深さによってはバシャバシャと音を立てる。この水を弾くパワーが、洗浄力に直結しているのだろう。

汚い帽子を「超音波ウォッシャー」で洗浄したら、どんどん汚れが落ちていった

 汚れた部分にホーンを当てると、水の中から煙が立つように、おそらくナノサイズの水泡が広がっていく。これが汚れを落としている証左なのかは判別できない。ただ、続けていくと確実にツバの汗染みが薄くなっていき、最終的には水がかなり濁っていた。

 これはかなり落ちると実感できた。

洗う前の状態
5分ほど洗った後の状態

24時間放っておいたシャツの汗染みは難なく落ちた

 次に試したのがシャツの襟元の汗染み。ひと晩、洗わずに置いておいたシャツだ。濃くはないが、よく見れば薄っすらと、汗染みが残っている。

 水を入れ替えたタッパーの中に汚れた襟元を浸し、先ほどと同じように超音波ウォッシャーのホーンを汗染みに沿ってスライドさせていく。帽子を洗った時のように、ぐんぐんと汚れが落ちていくという手応えはない。

 だが2-3回往復させた後に、シャツを水から上げてみたら、汗染みはすっかり落ちているようだ。念のため、乾かした後に見てみたが、やはり汗染みはなくなっていた。

洗浄前は、よく見ると汗染みが残っている
洗浄後は、キチンと汗染みが落ちていた

 1日や2日くらい放置していた汗染みであれば、洗濯機でも落ちるだろう。だが、それ以上の放置を何度も繰り返したら、繊維にまで定着してしまうかもしれない。

 子どもがいる我が家では、毎日洗濯する必要があるので、本機を襟元の汗染みのために使うことはなさそうだ。だがもし、洗濯するかどうか迷う2〜4日程度の出張や旅行であれば、スーツケースに超音波ウォッシャーを忍ばせておくのもいいだろう。

液体洗剤を併用すれば、年季の入った汚れも落ちた

 一番落としたいと思っているのが、真っ白なワイシャツ。汗染みが気になって、昨年あたりから着なくなったが、この汚れさえ落ちてくれれば着られるのに、という服。

 まずは同じように襟元を水に浸して、超音波ウォッシャーのホーンを当てていく。落ちていく実感はあまりない。水から引き上げて確認したが、洗っていない箇所との違いは分かりにくかった。

 そこで今度は液体洗剤を汚れた部分に染み込ませてから、ホーンを当ててみる。泡立ってくれれば、洗えている気分にもなれるのだろうが、洗剤にホーンを当てても目立って泡立つことはなかった。そうなると不毛な作業に思え、モチベーションが下がってくる……。

 だが! 洗ったシャツを引き上げ、水道水ですすいだ後に確認すると、けっこう頑張ったじゃないか、と褒めたくなるくらいには汚れが落ちていた。もしかすると、あと何度か続ければ、真っ白な襟元が復活できるのでは、と期待できた。

今回は襟元の左側だけ洗ってみた。洗っていない右側と比べると、洗浄した左側がキレイになっていることが一目瞭然で分かる

垂らしたばかりの醤油は、1ストロークで難なく落ちた

 餃子やカレーうどんを食べていると、注意していても、醤油やカレーが服に跳ねることがある。付いた直後に洗えば苦労しないで落とせるのだが、飲食店で食べている時には、なかなか洗えない。簡易的な染み抜きテクニックがあるとも聞くが、難しそうだ。

 そんな時に、持っていたら活躍しそうなのが、超音波ウォッシャーだ。

 お店の手洗いなどで洗うことを想定し、付属のパフとケースを使って、醤油を垂らしたシャツを洗ってみることにした。ケースの中には、汚れを吸い取るパフが入っている。このパフが浸るくらいに水を含ませる。あとは、先ほどまでと同様に汚れた部分をパフの上に置いて、超音波ウォッシャーを当てていく。

付属のパフとケースで洗ってみた
垂らした醤油を1ストロークで洗い流した「超音波ウォッシャー」

 結果から言うと、すぐに落ちた。あっけないくらいに落ちた。付いた直後なら水洗いでも落ちるだろうから当然と言えば当然なのだが、洗面所で服を直接水洗いするよりも格段にラク。

 しかも洗った後も、一部分が濡れているだけなので、服を着直すこともできる。汚れた場所にもよるが、服を着たままでも使えそうだ。

醤油を染み込ませたシャツを洗ってみる
超音波ウォッシャーを1ストロークしただけで落ちた

 超音波ウォッシャーは持ち歩けるほどにコンパクト。とはいえ、毎日持ち歩くのは負担だ。そう考えるとオフィスに置いておくのが一番良いかもしれない。それなら、ランチ中に服を汚しても、オフィスのトイレでササッと洗って、そのまま来客対応するなんてこともできる。

 さらに、やはり洗濯をしづらい環境にある1週間以内の出張や旅行でも有用だろう。また、襟元に汗染みが定着してしまったお気に入りのワイシャツを、超音波ウォッシャーを使って家でコツコツと洗ってみようとも思う。

河原塚 英信