e-bike試乗レビュー

【手ぶらでe-bike離島旅】東京とは思えない裏砂漠! 絶景連続の伊豆大島へ行ってきた

そろそろまたe-bikeサイクリングに行こうと、メッセージをやり取りするe-bike部員たち。「混雑しないところがいいよね」「寒いところはちょっと」「おいしいものも食べたいな」と、いろいろな意見が出るなか、難波氏が「だったら伊豆大島ですっ!!! 大島が最適なのですっ!!!」と強烈に推してきました。

しかしメンバーから難色が。「でも遠くない?」「e-bikeどうやって持ち込むの?」などなど。すると難波氏は「近いですっ!!! 高速ジェット船で東京から最短1時間45分!!! そして大島にはe-bikeレンタルサービスがありますっ!!!」と。すごい鼻息なので、じゃあ今回は伊豆大島でe-bikeサイクリング、てなハコビになりました。

ちなみに、e-bikeとはスポーツタイプの電動アシスト自転車のことです。スポーツ走行に向く車体に、同じくスポーツ走行向けのドライブユニット(電動アシスト機構)を搭載している自転車。スポーツ走行対応のドライブユニットは、ペダルを高回転させてもアシスト力がしっかり働き、アシスト力が発生するレスポンスに優れています。例えばシマノSTEPSシリーズなどがそれにあたります。なお、シティサイクルタイプなどの一般的な電動アシスト自転車とe-bikeの違いも以前の記事で解説しています。

で、とりあえずココで伊豆大島e-bikeサイクリング後の感想を書いてしまいますと、心底驚きました!!! その体験に感動。なぜもっと早く訪れなかったのか、と後悔したほどです。今すぐリピートしたい。本当にサイコーでした!!!

・手ぶらで伊豆大島へ、高速ジェット船からイキナリ楽しい♪
・標高500mのホテルから下り坂e-bikeサイクリング開始!!
・裏砂漠? こっ……ここは地球なのか!? e-MTBが最高に楽しいスコリア地帯に感動!!!


手ぶらで伊豆大島へ、高速ジェット船からイキナリ楽しい♪

伊豆大島へは東海汽船の船で渡ります。今回は東京・竹芝桟橋から大島へ、高速ジェット船を使いました。なお、行ったのは平日、木~金曜日です。ちなみに、東京・竹芝桟橋以外にも多数の乗り場があります。

そして、今回は東海汽船の「金目鯛と伊勢海老の舟盛り&べっこう寿司プラン」を申し込みました。高速ジェット船往復の航路と1泊2食のホテル(1名1室)込みで18,670円(1名)です。さらにe-bikeレンタルが1日2,000円。約22,000円で1泊2日の伊豆大島e-bike旅が楽しめちゃうんです♪ もちろん日帰りでe-bikeレンタルのみも可能ですし、ほかにも魅力的なプランがあるので好みのスタイルで。

東京・竹芝客船ターミナルから高速ジェット船に乗りました。
8時35分出発で、大島へは10時過ぎに到着する予定です。最速だと東京・大島間は最短1時間45分とのこと。通常は大島の元町港に到着しますが、現在は元町港が工事中のため岡田港に着きます
左に見えるのがジェット船。当日は快晴で、伊豆大島でのe-bikeサイクリングに期待が高まる!!
ジェット船内の様子。全席指定です

率直なところ、船旅が苦手な筆者。フェリーなどで船酔いしがちなので、「高速ジェット船で2時間弱、船酔いしないかなあ」と心配していました。

ですが乗ってみると非常に快適。船特有の揺れはほとんどありません。電車よりも揺れない? といった感じ。

ちなみに帰りも高速ジェット船でしたが、そのときは海に白波が立ってうねりも少々出ていました。高速ジェット船の窓には水しぶきがかかる程度、海が荒れていましたが、それでもほとんど揺れない高速ジェット船。非常に快適です。

……でも、「退屈なんだろうなあ」とは思っていました。高速ジェット船はデッキに出たりできず、基本的には航行中にシートベルトを締めて座っている必要があります。きっと周囲に見えるのは海だけなんだろうし。

ところが実際は違いました。高速ジェット船からの風景が楽しい♪ 左を見れば木更津や富津や館山が、右を見れば川崎や横浜や三浦が見えます。さらには富士山も。

竹芝桟橋から出た船は、レインボーブリッジをくぐり、浦賀水道へと抜けていきます。半分以上の時間を東京湾内航行に使いますので、その間は「海上から見た大都市」という風景が続きます。東京湾遊覧船気分。大井コンテナ埠頭の“キリン”ことガントリークレーン。コンテナ船などの貨物を積み下ろしするクレーンです。船からの風景がどんどん移り変わって楽しい。富士山も見えました。富士山の手前に見えるのは横浜のベイブリッジ。あ~双眼鏡持ってくればよかった!
まだe-bikeに乗ってないのに、もう楽しい。すでにとても得した気分になっているe-bike部の面々です

いや~高速ジェット船、揺れないし風景もいいしで、快適です。意外なほど楽しい船旅となりました。


標高500mのホテルから下り坂e-bikeサイクリング開始!!

伊豆大島・岡田港には10時10分頃に到着。1時間35分で到着してしまいました。元町港より若干近距離にある岡田港着だったから? ともあれ「すぐ着いちゃった」という感覚です。大島ってメチャ近いんですね。

約1時間35分の船旅で伊豆大島に到着
船を降りるとすぐに「岡田港船客待合所・津波避難施設」があります
「岡田港船客待合所・津波避難施設」の屋上が津波の避難施設になっていますが、そこからは富士山がクッキリと見えました

e-bikeは「大島温泉ホテル」でレンタルします。ホテルへはバスやタクシーで行けますが、今回はタクシーを使いました。料金は3,000円程度で到着です。

先述しましたが、もともとのプランが18,670円でe-bikeレンタルが2,000円×2日間で計22,670円。タクシーもひとり1,000円程度で往復なら2,000円程度。我々は一刻も早くe-bike旅をスタートさせたかったのでタクシーを使いましたが、ホテルの送迎バスもあります(※予約制)。

大島温泉ホテルは標高約500mにある老舗ホテルで、e-bikeレンタルも開始しました。三原山火口から直線距離で約3km。火口のすぐ近くにあり、トレッキングや登山をする人の拠点にも
ホテル内レストランからは三原山が真正面に見えます
ホテル内の「三原山温泉」の露天風呂からも三原山! 写真は男湯ですが、もちろん女湯もあり、そこからも三原山が見えるそうです
ミヤタ「リッジランナー」や「クルーズ」をはじめとする5台のe-bikeをレンタル中。手ぶらで大島に来て、気軽にe-bikeサイクリングを楽しめるというわけです
大島温泉ホテル利用客および大島在住者の場合、1日2,000円でレンタル可能です

8時35分に東京・竹芝桟橋を出て、岡田港に10時10分着。そこからホテルへ15分程度で到着し、e-bikeレンタルの手続きなどしつつ準備を整えて、e-bikeサイクリング開始です。

この間、だいたい2時間少々。さっきまで東京にいたのに、その2時間後くらいには伊豆大島でe-bikeサイクリングを始められる。このスムーズさに驚きました。これはイイですね~♪

e-bikeサイクリングを始めたのはだいたい11時頃。都内から離島に移動して午前中にe-bikeサイクリングを開始できるなんて、お手軽!
途中で気になるスポットに寄ってみたり
標高約500mにある大島温泉ホテルが出発点ということで、序盤は下り主体のサイクリングになります。高所から風景を見ながらラク~にサイクリングできます。人もクルマも全然いないのでリラックスして走れます
ちなみに今回レンタルしたe-bikeは3台。左から、メリダ「eONE-SIXTY 500(2021モデル)」、ミヤタ「リッジランナー6180」「リッジランナー8080(旧モデル)」です
絶景もた~くさん。頻繁に立ち止まって風景を楽しみました
伊豆大島は伊豆七島(大島/利島/新島/神津島/三宅島/御蔵島/八丈島)のうち、もっとも本州に近い島。本州も目視できます。水平線上に見えるのは、千葉県・房総半島の館山あたりです


裏砂漠? こっ……ここは地球なのか!? e-MTBが最高に楽しいスコリア地帯に感動!!!

続いてやってきたのは「裏砂漠(うらさばく)入口」という場所。東京都(伊豆諸島も東京都です)には5つの“砂漠”があり、そのうち3つが伊豆大島にあるそうです。具体的には、奥山砂漠、表砂漠、そしてここ三原山火口の東にある裏砂漠です。

砂漠をe-bikeサイクリング? ナニそれ? 写真を交えながらご紹介いたします。

大島一周道路(東京都道208号大島循環線)の東側を走っていると、突如現れるこんな場所。MTBなら入っていけそうですが……?
三原山火口の東にある砂漠こと「裏砂漠」への入り口です
入り口から約1.3kmに裏砂漠があります。裏砂漠は自然公園特別保護地区で、車両の乗り入れは禁止されています。が、その保護地区の手前1.3kmは自転車など車両で入っていくことができます。ただし、レンタカーなどで入ったりすると、その特殊な地面でクルマがスタックして帰って来られなくなる危険があります。そのためレンタカー進入禁止の案内も出ています
我々はe-MTB。なので思い切って入っていきます
進むほどに見たことのない光景になっていきます。三原山へ向かう道なので上り坂。地面は細かな砂利のような軽石のような……。そこをグイグイ上がっていきます
地面は、三原山の噴火によって火口から噴出されて固まった黒っぽい多孔質の石「スコリア」(黒い軽石)で埋め尽くされています。富士山の5合目などにもこれと同様の石がありますが、ここのスコリアはサイズ的に「MTBで走る砂地としてちょうどいい大きさ」だと感じます。タイヤを取られることなく走れて、舗装路を走るよりずーっと楽しい!
振り返ると、谷間の中央にわずかに海が見えます。入り口から500m程度進んできました。この先にもまだまだスコリア帯が続きます
人力自転車で上ってくると四苦八苦すると思われるスコリア斜面ですが、e-bikeだと楽々。e-bikeの特性を最大に活かせるような道なので、走っていて本当に楽しいです
これまで下りメインのe-bikeサイクリングだったので、裏砂漠を上ってもまだまだバッテリーは残っています。この素晴らしいスコリア・ロードで思いっきり遊べます
どんどん上へ。静かに走っている雰囲気ですが、実は「すっげー」とか「おもしろすぎる」とか大騒ぎで走行中です
クルマの轍も見え隠れ。オフロード系の乗り物を存分に楽しめる地面です
かなり上まで来ました。周囲が開けてますます景観がよくなります
向かう先には三原山が見えていますが、後方は海。まだ12時です。東京から4時間くらいでこんなワイルドな場所に来られて、しかもe-MTBで遊べるなんて、信じられません
やや見にくいですが、ロープが張ってある場所まで上ってきました。ここから先は自然公園特別保護地区となり、車両進入禁止です。裏砂漠入り口から標高差にして100mくらい上ってきた感じ
ロープの先は、徒歩なら入ってもOK。保護地区に入って絶景へ感謝のポーズを捧げてみました
しかしまあ本当に素晴らしいエリアです。見たり歩いたりしているだけでも笑顔がこぼれてしまいます。サイッコーです!!!
しばらく歩き回ってみました。立ち止まると、人工的な音が一切聞こえてきません。風景も美しいんですが、環境そのものがスゴい。そして、誰もいない! この世界に我々e-bike部メンバーしかいないのかと錯覚します
その後もしばらくスコリア帯をサイクリング。素晴らしい環境のなか、最高に気持ちいい走行感。このスコリア・ロードをe-MTBで走るためだけに伊豆大島を訪れるのも「アリ」だと思います
帰りはスコリアの上をダウンヒル。けっこうな坂なのでスピードが出ますが、それもまた楽しい
ここを一日中上ったり下がったりしていてもいいなあ、とは思いましたが、伊豆大島にはまだまだ素晴らしいスポットがあります。なので、後ろ髪を引かれつつ、スコリアの道を後にしました

なんと初日の移動から裏砂漠までしかご紹介できませんでした。ということで、まだまだ続きます。

スタパ齋藤