e-bike試乗レビュー

身近で楽しむe-MTBアドベンチャー。多摩川のダートを中心に100km走ってみた

e-bikeはMTBタイプが楽しい! と何度も書いてきましたが、MTBコースや山まで出かけるのがハードルになっているという話も耳にします。そこで、今回は身近にある河川敷のダートでどのくらい遊べるか試してみました。

舗装路を避けてダートをつないで走る

走ってみたのは多摩川の河川敷。川沿いにはサイクリングロードもありますが、土手を降りるとダートの道もあって、場所によってはシングルトラック(自転車が1台通れる程度の細い道)もあったりします。誰かと一緒に走ったほうが楽しいのでe-bike部・清水氏も誘って、ダートをつないで100kmを走るという計画。アップダウンはあまりないので、バッテリーも持つはず! と意気込んで出発しました。

用意したのはXROSS(クロス)のe-MTB2台。昨年発表されたハードテイルの「AX511A」フルサスの「AX611」です。どちらもドライブユニットはシマノSTEPS「E5080シリーズ」を搭載しています。

ハードテイルの「AX511A」。ドライブユニットはシマノSTEPS「E5080シリーズ」を搭載し、バッテリー公称容量は504Wh(36V/13Ah)。価格は376,200円
フルサスの「AX611」。こちらもドライブユニットはシマノSTEPS「E5080シリーズ」を搭載し、バッテリー公称容量は504Wh(36V/13Ah)。価格は460,900円
マルチポジションのハンドルバーが特徴的な「AX511A」。長距離のアドベンチャーライドに対応しているので、それを試したいというのが思いついたきっかけ
軽量なドライブユニットのシマノSTEPS「E5080シリーズ」を採用することで、車重は19.9kgに抑え、価格も376,200円と買いやすくなっています

スタート地点に選んだのは東京・大田区の六郷土手。ここから多摩川サイクリングロードの起点である羽村の止水関までがだいたい50kmなので、多摩川沿いだけで往復100kmを走ることができます。

2021年12月下旬の週末ですが、雨上がりの早朝ということもあり誰もいません
基本的にダート部分を走ろうと、舗装路があってもできるだけ未舗装の部分を選びます
マルチポジションのハンドルバーは4種類の握り方が可能なので、長距離ライドでも姿勢を変えて疲れを分散できます。個人的にはこの位置がしっくりきました

走り出してから気づいたのですが、多摩川の左岸(東京都側)は工事をしているポイントが多い。護岸強化工事らしいのですが、川沿いの部分にあったシングルトラックが走れなくなっているところが多々ありました。仕方ないので、途中から左岸に渡り、神奈川県側を走りましたが、こちらも工事しているエリアが結構ありました。

大規模な工事をしているところが多く、土手の上の舗装路しか走れないところも
仕方ないので丸子橋で神奈川県側に渡り、左岸のほうを走ることに

土手の上のサイクリングロードは幅も狭く、ロードバイクに乗った速い人たちがいたり、その中をランニングや散歩をしている人などが混在しています。e-bikeでのんびり走るのは気を遣う部分が多かったりしますが、土手の下のダート部分は広い上に自転車はほとんど走っていないので、気軽に走れます。

舗装されていないので、普通の自転車だと体力を使いますが、e-bikeそれもe-MTBなのでむしろこっちを走るほうが楽しい。スタート前は雨がパラついたのですが、途中からは青空も見えてきて、かなり気持ち良く走れました。

神奈川側に渡ったあたりは幅の広い砂利道が続いていて、自転車もいないので走りやすい
工事中のエリアでは、自転車とランナーが分けられたり配慮もされていました
かつぐ必要がありますが、ところどころで水際の砂利のところに降りられたりします
e-bikeなのでついつい寄り道してしまいます。休憩したら先を目指します
河川敷に降りられないところはサイクリングロードも使いますが、基本的に舗装されていないところを走るスタイル

川沿いのシングルトラックが楽しい!!

舗装路とダートがあったら、できるだけダート部分を走る。分かれ道があったら、細くて人がいないほうを選ぶのが、おもしろいルートを見つけるコツ。今回は100km走るという目標もありますが、せっかくe-MTBで走るので、できるだけ走って楽しいルートを開拓しながら進みます。

青空も出てきて、砂利道でもダートを走るのが気持ちいい
迷ったら人が走ってなさそうな道を選ぶと楽しいルートに出会えます

今回走ったルートの中で、一番楽しかったのは稲城市に入ったあたりで見つけた川沿いにあるシングルトラック。もう少し土手寄りには幅が広い砂利道もあったのですが、やはりe-MTBではシングルトラックを走るのが楽しい。途中まで写真を撮るのも忘れてガンガン走ってしまいました。

河川敷なので、土手の向こうはすぐに街なのですが、川沿いのほうに入って行くだけでこんなシングルトラックに出会えるとは。MTBコースや山へ出かけなくても、e-MTBを楽しめるルートを見つけられたのは収穫でした。

河川敷で見つけたシングルトラック
街中からちょっと入っただけで、こんなルートに出会えるのが河川敷の魅力
e-MTBの楽しさを満喫できるルートも
周回できるようになっているルートもあり、楽しすぎてついついグルグル走り回ってしまう
泥だらけのe-MTBは絵になります

ここを走れただけでも満足度は高かったのですが、今回は100km走るという目標もあるので、先へ進みます。東京オリンピックのロードレースのオフィシャルスタート地点だった是政橋を渡って、左岸に戻り、ダートを探しながら上流を目指します。しかし、工事で入れなくなっているエリアがあったり、昨年の台風の影響などで荒れていて走りにくいところもあったりで、気持ち良いルートばかりではありませんでした。

是政橋
是政橋を渡った先はダートは荒れ気味
シングルトラックを探して草むらに踏み込んでみても、ルートが見つからず押して戻る場面も結構ありました
さらに先へ
途中でこんな看板も見つけて怖くなってきたので、このあたりからは無理してダートに入ることはやめました

保温ボトルでカップラーメンを作って食べる

目標は羽村の止水関に設定していましたが、途中で50kmに達してしまったので、このあたりで昼食を取って引き返すことに。あまり帰りが遅くなると、暗い中を走ることになるので、それを避けたいという思いもありました。

日当たりの良い公園を見つけ、昼食として持ってきたカップラーメンを食べます。このために持参したのがニトリ「N-HEATEX」という真空断熱の超保温・保冷ボトル。真冬だったので途中で暖をとるために、容量900mlのものにそれぞれお湯を入れて持ってきました。中身を入れたら1kg超えてしまう重さですが、e-bikeなので問題なし。カップラーメンとコーヒーを飲むのには十分です。

日当たりの良い公園のベンチを見つけて昼食をとることに。この日は風もなく暖かでした
ニトリの真空断熱の超保温・保冷ボトル「N-HEATEX」
この保温ボトルはかなり優秀
朝、家を出る前にお湯を入れたので6時間以上経っているはずですが、まだ十分に熱く、カップラーメンを問題なく作れます
50km走って来たので途中で補給もしましたが、空腹さで美味しさ倍増

途中、ダートで遊びすぎたのもあって、この時点で結構疲れていたのですが、お腹がいっぱいになると、不思議とまたエネルギーがみなぎってきます。ただ、お尻は結構痛くなっているし、時間的にも帰りも同じくらいかけてしまうと暗くなりそうなタイミング。そのため、帰り道はあまり寄り道せず、舗装路を中心に戻ることにしました。

まだ遊びたい気持ちはあったのですが、復路も50km走ることを考えると、あまり遊んでもいられません

一時は復活したと思っていた体力も、走り出してみるとやはり結構削られています。正直なところ、アシストのあるe-bikeでなかったら、電車に乗って輪行で帰りたいと思うくらい。それでもペダルを回してさえいれば、e-bikeはある程度の速度で進み続けてくれるので、何とか走り続けることができました。

途中からはサイクリングロードを中心に走り、何とか暗くなる前に帰り着けそう

ギリギリ暗くなる前に、スタート地点まで戻ってくることができました。やはり同じ100kmでも、抵抗の大きいダートを走ると、体力の消費はかなり大きいと実感。河川敷のダートを走るのは楽しいですが、やはり100kmはやり過ぎ(笑)。半分程度の距離で、楽しいルートだけを選んで走るのがちょうどいいなと思いました。

特に、往路で走ったシングルトラックが楽しかったので、また走ってみたいところ。あの区間だけを走るのであれば、朝早めに出て、昼には帰ってくることができそう。都会に住んでいる人でも、河川敷は近くにあったりすると思うので、こういうお気に入りのルートを探してみるのをオススメします。e-MTBで楽しく遊べるはずです。

何とか暗くなる前にスタートした場所に帰着。最後はかなりヘロヘロ……やりすぎました
100kmを走破したあとも、バッテリーはまだ半分以上残っていたので、平坦な道だとダートでもあまりバッテリーは消費しないようです
今回走ったルートの記録。100kmはなかなか大変でしたが、半分くらいの距離でも十分楽しめるはずです
増谷茂樹

乗り物ライター 1975年生まれ。自転車・オートバイ・クルマなどタイヤが付いている乗り物なら何でも好きだが、自転車はどちらかというと土の上を走るのが好み。e-bikeという言葉が一般的になる前から電動アシスト自転車を取材してきたほか、電気自動車や電動オートバイについても追いかけている。