e-bike試乗レビュー

2022年初日の出サイクリングへ!! そしてグラベルロードe-bikeが欲しくなった

2022年にはぜひ、元旦e-bikeライドを!!! 初日の出とか最高の富士山で新年スタートを!!! と希望を持っていたら、e-bike部・清水氏が年末にe-bikeを2台借りていました。2021年は新型コロナウイルスの影響で自粛しましたが、2020年はガツンと絶景の富士山を拝むことに成功!!! 実に2年ぶりとなる初日の出e-bikeサイクリングを敢行することにしました。

元旦e-bikeライドを楽しみました。今回のe-bikeは、ミヤタ「ROADREX i 6180」とシマノが関係者の試乗用に制作した非売品のスペシャルe-bike(公道走行可能)です。どちらもグラベルロードe-bike。新しいe-bike購入を考えている筆者としてもヒジョーに気になっています

走るエリアは? 初日の出がバッチリ見えて、昼間は富士山なんかも見えたりして、もちろん密を避けて人が集中しない場所がいい。そんな指針でマップを調べること数日間、駿河湾沿いを走ることにしました。

駿河湾なら、水平線から(もしくは伊豆半島越しの)初日の出が期待できます。また駿河湾沿いには太平洋岸自転車道が整備されていて、海沿いサイクリングを楽しめそうです。多くの場所にて「陸側にでっかく富士山が見える」のも、駿河湾のステキなところです

実は我々e-bike部、伊豆や富士山周辺は頻繁に訪れていますが、駿河湾沿いはじっくり走っていません。そんなエリアでもありますので、今回は2022年のロケーション・ハンティングをかねてのe-bikeサイクリングです。

ということで、どんな感じでロケハンして、どんなふうに移動などしているのかも含め、時系列でご紹介していきますネ。では、さっそく出発!!

いきなり美味! そして強風!! さらに「あの絶景」も!!!

駿河湾e-bikeライドの予定は、2021年12月30日から2022年1月1日の3日間。初日は都内から出発して午前中に沼津港(ぬまづみなと)付近に到着し、海岸沿いのサイクリングロードを走ってみることにしました。

商用バンにe-bike×2台を積んでトランポ。都内を9時前に出発し高速道路へ。富士山が見えてくると、気分が一気にアガります
沼津港には昼前に到着。食事をしに港へ来た人のクルマですでに渋滞気味。我々はクルマを漁港から離れた場所に駐め、漁港へはe-bikeで向かい、食事どころが混雑する前に昼ごはんを食べることにしました
漁港近くの食堂で海鮮丼! さすがの鮮度、実に美味です
こちらはしらす丼。うまそ~♪ 漁港近くの食堂ってすご~い!
食後はさっそくe-bikeサイクリング。この防波堤の上がサイクリングロード(太平洋岸自転車道)になっています。しかし風が強く、向かい風です。でもe-bikeなのでツラさはなく、ぐいぐいと進めます
海も富士山も見えて、真っ直ぐで走りやすいサイクリングロード。なのですが、風がさらに強くなってきて、このまま走行するのは危険というレベルに
防波堤のすぐ内側には防風林があります。防風林内側に道があり、そこを通って目的地を目指すことにしました
防風林の中は風がほとんど吹きません。さっすが防風林。木漏れ日も気持ちいい
道は踏み固められたダート。松葉もたくさん落ちていますが、グラベルロードe-bikeなのでまったく問題なく走破できます。この道はときどき歩行者や自転車とすれ違います。地元の人が「海風が避けられる道」として使っているようです
目的地に近づいたので再び防波堤に出ます。この右方面1kmほどが目的地だったんですが、防波堤上のサイクリングロードが工事中でたどり着くことができませんでした
左に見える防波堤の上がサイクリングロードになっています。風が弱ければ水平線や富士山を眺めながらサイクリングができる最高のロケーションだと思います
工事中で通れないなら仕方ない。再び防風林の中を走ってクルマの場所まで戻ります
松林の中のサイクリングは意外なほど楽しい。グラベルロードe-bikeの走破性があってこそですが、ダートロードを快速で走り抜けられる爽快感が素晴らしい
沼津港付近からトランポで移動し、ちょっとヒルクライムして有名な峠へ行ってみました
「東海道一の絶景」を見られる薩埵峠(さったとうげ)です。自転車で向かうなら南西側からのヒルクライムが比較的に安全なのでオススメです。北東側からもヒルクライムできますが、崖側にガードレールやフェンスがない箇所があり、狭く急な坂道なので、あまり安全ではありません
絶景に感謝のポーズを捧げるの図。……これで富士山に雲がかかっていなければ最高ですね

峠で絶景を眺めたら、来た道を下り、再びトランポ。初日の出に良さそうな場所を下見しに行きます。

三保松原か御前崎か? 初日の出&赤富士? それとも水平線か?

続いて向かったのは三保松原(みほのまつばら)。富士山世界文化遺産の構成資産として登録された景勝地で、駿河湾越しの富士山を見ることができます。伊豆半島越しの初日の出を期待できる場所で、初日の出直後には赤い太陽光で照らされた赤富士も?

しかし実際に三保松原を訪れてみると「う~ん、これは……」と問題が。まだ大晦日前なのに、海岸手前の大きな駐車場付近では屋台が準備されていたり、駐車場案内の看板が作られていたり。

三保松原のすぐ近くには御穂神社(みほじんじゃ)があり、三保松原の羽衣伝説ゆかりの神社として有名です。また、海岸から神社へは「神の道」という松林の間を歩くボードウォークがあったりもします。

これは……三保松原で初日の出を見て、そのまま御穂神社へ初詣に向かう人々でごったがえす予感。三保松原で初日の出e-bikeサイクリングは、混みすぎたりして無理そうです。ということで三保松原は初日の出スポットの候補として除外。次のロケハン場所、御前崎(おまえざき)へ移動します。

御前崎は静岡県最南端の岬です。海岸に立つと遮るものがほぼなく、水平線が見えます。晴れ予報ですし抜群の初日の出を拝めそうです
海岸沿いは太平洋岸自転車道となっています。サイクリングロードとしてはアスファルトで、太平洋を眺めながら気持ちよくサイクリングできます
すでに夕方ですが、少し走ってみました。片側全部が海! ずっと走っていたい気分に
夕暮れの空もキレイです
薄明光線が美しい。天使のはしごってヤツですね
そうこうしていると、日没間際に
日が暮れる~
海と雲と空と、そして沈みゆく太陽。なかなかイイ!

御前崎なら、晴れさえすれば、水平線から上る初日の出が見えるハズ! そして御前崎付近には観光駐車場がけっこう多い。じゃあ初日の出e-bikeサイクリングは御前崎にしよう♪

と、いったんは決めかけたんですが、トランポ車内で作戦会議をすると、問題点がいくつか浮上。まずホテルからの距離です。予約時には周辺のホテルが空いておらず、三島のホテルを予約していたのでした。そして三島から御前崎までクルマで2時間以上かかります。初日の出は7時前くらい。余裕をもって4時くらいに出発となります。

まあ早起きはいいとしても、やはりこういう「初日の出には絶好のスポット」は混むのではないか? いや混まないはずがない。駐車場もいっぱいになるのではないか? それどころか、海岸沿いの道路が渋滞するのではないか?

そう考えて例年の情報を集めてみましたところ、どうやら毎年混雑するらしい。初日の出e-bikeサイクリングどころではないのかも。混雑無縁なe-bikeに慣れてしまっており、事前のリサーチを怠っていました。いつも無計画でも絶景に出会えてしまうので。

ともあれ、1日かけてある程度ロケハンしたのは正解でした。「初日の出e-bikeサイクリングに良さそうかも」と思って候補として三保松原も御前崎も「初日の出e-bikeサイクリングは無理そう」と判明したからです。ん~、じゃあ、どこにしよう? ホテルにチェックインして再び作戦会議です。

「ラスト日の出」からの海岸グラベルロードe-bikeサイクリング

初日の出e-bikeサイクリングのほかに、もうひとつ目的がありました。「ラスト日の出」の撮影です。12月31日の日の出、つまり1年最後の日の出をバックに、e-bikeをカッコよく撮りたい! というわけです。

ラスト日の出を撮りに、海岸近くの防波堤の上にやってきました。ここも太平洋岸自転車道。サイクリングロードです。朝6時30分頃ですが、誰もいな~い。って、ラスト日の出を見ようなんて人はあまりいませんよね
東の空が徐々に明るく色づいてきました。しかし寒い! 風もそこそこあって超寒い!
6時45分頃。そろそろかな~。大晦日の日の出、すなわちラスト日の出がキタ!
2021年最後の日の出です。しかし太陽のエネルギーはすごい。太陽光に照らされた体が温まっていく
海岸に出て感謝のポーズを捧げてみました
禁止されていなかったので、海岸をe-bikeで走ってみました
少しは走れたものの、砂浜になるとタイヤを取られて走れませんでした。グラベルロードe-bikeとはいえ、砂浜になっちゃうと無理っぽい
砂浜の手前にはダートロードが。誰もいな~い! でもクルマが通るようで、踏み固められていました。ここをグラベルロードe-bikeで走ってみることに
おおお! 予想外のおもしろさ。こういう道はグラベルロードe-bikeの天下。グイグイ走れて、スピードもけっこう出せます
楽しすぎてずーっと走ってしまいます。その楽しさで、寒さはすっかり忘れている
グラベルを夢中で走っていたら、海岸沿いの公園に出ました。田子の浦港(たごのうらこう)の近くです
田子の浦港の港口。静かな港で、小さな灯台があります
港には釣り人が。釣り納めですね
横を向くと富士山が

海岸沿いをe-bikeサイクリングしていて見つけた田子の浦港。当初は、ラスト日の出を見たポイントで初日の出も見ようと考えていましたが、「田子の浦港付近で初日の出でもいいんじゃない?」という雰囲気が濃厚に。

この港は「田子の浦しらす」で有名ではありますが、そーんなに大きな港でもないし、すぐ近くに広い公園とずっと続く防波堤もあり、全体的に広々としています。なので、初日の出で大混雑ってこともなさそう。ということで、初日の出e-bikeサイクリングは田子の浦港付近で、と決定しました。

田子の浦港を後にして、ラスト日の出ポイントまで戻ります。しかしまあこのサイクリングロードは見晴らしがいいし道もキレイ。太平洋岸自転車道はとても気持ちよく走れます

ミヤタ「ROADREX i 6180」はオールマイティに走れて楽しい! 欲しいかも!!

ラスト日の出e-bikeサイクリングはひとまず終了。でもまだ午前9時前。

しかし、こういう時間になることを予想して、我々はe-bike部員からライター&編集者へと変身。e-bikeとはあまり関係もない別の仕事をするのでした。大晦日の朝から仕事! 勤勉です。

ラスト日の出e-bikeサイクリング終了後、富士市に行って別の仕事の撮影なども行ないながらロケハンも続行。富士市は町中たいていのところから富士山がバーンと見える、とても景観のよい場所です。撮影仕事も捗る!!
朝からしっかり仕事したご褒美にまたもや海鮮丼!!
筆者は海の幸だらけの定食を!!

まだ昼過ぎです。日の出とか見ちゃうと1日が長いですね。ということで、富士市内をサイクリングしました。富士山がよく見えるので、どこを走っていてもテンションが上がります。

潤井川(うるいがわ)沿いを中心にe-bikeサイクリング。大晦日ということもあり、人がほとんど出歩いていない
川沿いからだと、とくに富士山がよく見えます
一度はこういうロケーションに住んでみたいですね~。ワーケーションすればいいのかな?

ところで、今回メインで乗ったe-bikeであるミヤタ「ROADREX i 6180」ですが、筆者的にはヒジョーによかったです。買いたい!! と思ったほど。

まず最初に感じたのは、マイルドな前傾ポジションであること。ハンドルが少し上に上がっているからか、前傾姿勢がさほどきつくなく、体を少し起こして走ることができます。これがとてもラクでいい。ハンドルの握り位置を変えればしっかり前傾ポジションで走ることもできます。

それとグラベルロードe-bikeであること。舗装された道路を比較的に快速で走れますし、やや荒れた道でもタイヤのエアボリュームの大きさにより路面からの衝撃が少ない。そして砂利道OK仕様のタイヤゆえ、未舗装路や砂利道でも危なげなく走れる。またそういう道を走っても、タイヤのエアボリュームのおかげで突き上げが少なめ。

それから、ROADREX i 6180にはドライブユニットとしてシマノSTEPS「E6180シリーズ」が搭載されています。ハイエンドの「E8080シリーズ」は最大トルク70Nmで、この「E6180シリーズ」の最大トルクは60Nm。10Nmの差があって「STEPS E6180はパワーが少し足りないの?」とイメージしがち。ですが、パワー不足はまったく感じられませんでした。十分パワフル。激坂もグイグイ上れちゃいます。

ややラクな姿勢で、たいていの道を走れてしまうROADREX i 6180。パワーも十分。非常にまとまりがよく、オールマイティに楽しめるグラベルロードe-bikeだと感じられました。新しいe-bike購入を考えていますが、これもまたヒジョーに魅力的なモデルです。

ROADREX i 6180のドライブユニットは最大60Nmのトルクを発揮。十分高トルクで激坂もグイグイ上れます。モーター音も静か
バッテリーはインチューブタイプで、ダウンチューブに内蔵。満充電からの走行距離の目安は、ECOモードで105km、NORMALモードで85km、HIGHモードで70km
ドロップハンドルを装備。左右がわずかに上がったハンドルで、前傾ポジションが少しマイルドになる
タイヤは27.5×2.8でロードバイクと比べるとやや小さめで極太。エアボリュームが大きいので路面からの振動を大きく緩和してくれます
ダートロードでも滑りにくいブロックパターンで、砂利道などを安心して走れます

富士市をひととおり走って「やっぱりイイなあROADREX i 6180」とあらためて感じました。クロスバイクやMTBと比べてハンドルが狭いのも、街中を走るには安心感があります。走行時の安定性もあり、旋回性も好印象。ロードバイクタイプの自転車は、段差を越えるときにリム打ちを用心する必要がありますが、このくらい太いタイヤだとあまり神経質になる必要もない感じ。バランスのいいオールマイティe-bikeだと思います。

さて、サイクリング後は、帰りがてら田子の浦港にもう一度寄って、周囲の様子を確認。明日、元旦の未明に訪れるので、明るいうちに周囲の様子をよく見ておこうというわけです。

田子の浦港を再訪問。初日の出の撮影スポットになりそうな場所や駐車場の位置を確認しました
何らかのトラブルで田子の浦港へ行けなかった場合の撮影ポイントもチェック
大晦日の夕方は、富士山が雲をかぶってしまいました。元旦は顔を出してほしい!

2022年、初日の出e-bikeサイクリング成功!! そして絶景へ

元日未明、しっかり早起きしてクルマに乗り込み、田子の浦港までe-bikeをトランポします。田子の浦港までは40分くらいなので、余裕をもって日の出時刻の1時間前に出発しました。

そして田子の浦港まであと数百メートル……というとき! まさかの!!!

あと数百メートルで田子の浦港で初日の出ポイントの田子の浦港ですが、渋滞が始まりました。地元ナンバーが多い。初日の出を見に来た人たちのようです。我々は速攻で渋滞から抜け出し、少し離れた駐車場でe-bikeを下ろして自転車移動に切り替えました
渋滞のぶん時間を使いましたが、初日の出までにまだ十分な時間があります。富士山の頂上付近は陽に照らされています。高い場所ではすでに初日の出が見えているんですね
港の近くの公園の高台には人が集まっています。ほとんど地元の人? かな?
灯台付近にも人が。でも、まばらで、混雑という感じではありません
日の出前、港から大漁旗をかかげた漁船が海に出ていきます
新年のしらす豊漁を祈願した海上パレードだそうです
田子の浦港付近の海上で、漁船がぐるぐると円を描いてパレード
初日の出! 漁船のパレードは初日の出時刻の前後30分ほど行なわれました
公園の高台に灯台の影が
日が上がってオレンジロードが現れました
初日の出に照らされる富士山とe-bike。赤富士……にはならなかった
漁船が帰ってきました。パレード終了のようです
富士山をバックに大漁旗漁船。「日本」って感じ♪
ちなみに、公園の脇の道路には自転車がたくさん。近所の人が自転車に乗って初日の出を見に来たんですね
一方、そんなに近所ではない地元の人はクルマで。港の周辺がタイヘンなことになっていました。動くに動けないカオス状態です
e-bikeで来た我々は、カオスをスイッと抜け出して次のポイントへ

えっ? 初日の出見て、カッコよくe-bike撮って、ちょっとサイクリングして終わりじゃないの? 実はまだやることがちょっとありまして。

e-bikeをクルマに積んで、今回のロケ最後の目的地に到着。次のe-bikeサイクリングで訪れるエリアの下見……というか調査サイクリングです
富士山もバッチリ見えるエリア。e-bikeサイクリングに最適と思われる道です
こんなところ。このエリアのe-bikeサイクリングについても、近々記事にしたいと思いますのでお楽しみに!

といった感じの年末年始のe-bike旅。とても充実したe-bikeサイクリング体験となりました。

やはりe-bikeを使った観光はアレコレと好都合です。渋滞を回避して目的地にスムーズに到着できたこと。あるいはクルマで渋滞しがちな漁港付近をスムーズに通過できたことなどがそうです。e-bikeだと身軽に行動できてイイです。

また、人力自転車で行くには遠いところでも、e-bikeなら気軽に行くことができます。今回使ったグラベルロードe-bikeなら、荒れた道を長時間走ることも可能。そうしても体力を使いすぎることがなく、観光を楽しむための体力をしっかり残しておけます。

その一方で、移動中は常に過度でない運動をしていますので、クルマやモーターサイクルで移動するよりも健康的。今回はわりと「極寒のサイクリング」ではありましたが、しっかり着込んでe-bikeで走り出せば適度に体が温まるので「走行中は寒くなく快適」と感じられました。

クルマやモーターサイクルよりずっと手軽に寄り道できて、細道や裏道へも入っていけるe-bike。自転車ですから交通渋滞の影響もあまりありませんし、駐車場の制限も少ない。そして徒歩と同様の視野で観光を楽しめて、徒歩よりずっと広いエリアを巡ることができる。従来の観光とはまったく違う効率的で楽しい観光スタイルですので、ぜひ一度、e-bikeを使っての観光を楽しんでみてください♪

スタパ齋藤