e-bike試乗レビュー

三宅島を自由気ままに走る!! e-MTBアドベンチャーへ【e-bike離島旅.2】

まずはこちらをご覧あれ。今回のe-bike旅のダイジェスト動画です。本編も準備中なのでお楽しみに!!

年またぎで初めて訪れた三宅島。前回は火山島ならではのダイナミックなスポットが中心でしたが、今回は三宅島で楽しんだその他のスポットなどもご紹介したいと思います。

海から展望台を目指してヒルクライム

今回は気になるスポットに寄り道しまくるe-bike旅です。ちょこちょこ停まってはスマホで地図を確認。周辺におもしろいものがないか探しつつ、自分の位置も確認します。海岸で初日の出を狙ったあとは近くに展望台を発見。行くしかありません。展望台に繋がる林道に飛び込みます。

展望台までひたすらヒルクライム。結果として距離2.5kmで300m以上の標高が上がりました。つまり、平均10%以上の勾配を駆け上がったわけです。今回のメンバーはe-bikeにも乗り慣れていて、走行能力も心配ないので、アシストに頼り切って何も考えずに上り続けました(初心者が含まれる場合は下り坂が心配なので、無茶な走行はしません)。みんなで会話も楽しみながら上れるのは、やっぱりe-bikeならでは。

途中に未舗装路を発見し、緊急停止。朝日が差し込む林道が気持ち良くハイペースを刻んできたこともあり、いったん休憩タイムに。絶対に楽しいコースだと確信しました。村有地の可能性もあるため、走れるかは確認しないといけないですが、どこまで続いているのでしょうか……チャンスがあったら走っててみたいですね!

さらに上って行くと展望台に到着。山の上から遠くを眺めるのは気持ち良いものです。島の南東にいるため、見えるのは上り口あたりと海と御蔵島! 朝は雲がかかっていた海も、気づけばキレイに晴れ渡っています。ふと下を見ると美しい池が見えたので、次の目的地に決定し、リスタートします。

我々しかいない展望台で静かな時間を過ごします

三宅島観光協会の方にもオススメされていたのが「大路池(たいろいけ)」。数多い種類の野鳥がいる静かな池です。サイクリングにもオススメと聞いていたことを思い出し、「池イチ」チャレンジ(できないかもしれませんが)を開始します。

なんとe-MTBが似合う池なのでしょうか

序盤はグラベル(砂利道)の町道を気持ち良く下ります。味のある道です。下り切ると迷子椎(まいごじい)という大きな椎木が。

グラベルの町道というのがなんともいい
迷子椎(まいごじい)

私は大木を見ると、脳内にはトトロの曲が流れます(笑)。サイクリング中は「winding road(絢香×コブクロ)」「夏色(ゆず)」もよくリピートされる曲です。みなさんにもお気に入りの曲があるのではないでしょうか。トトロの曲が流れているなか、「丘を越え行こうよ、口笛吹きつーつ~♪」と息も絶え絶えで歌っている大学生を思い出しました。国道最高地点にある渋峠に向かう長い長い上りで、気を紛らわすために歌っていたのでした。今ならe-bikeで息も切れずに歌えるでしょう(笑)。

話を戻しますが、その大木の近くから湖畔に出られます。日向が気持ち良く、桟橋でチェアリングしたくなる場所です。椅子を持参しなかったことを少し後悔しながらも、日向ぼっこを楽しみます。冬の三宅島は風が強かったのですが、木々に覆われた大路池にはのどかな時間が流れています。

のどかな桟橋で日向ぼっこ

再開しようと思いましたが、実は池周遊路(南側半分)での自転車走行は推奨されていません。ということを知り、池イチは終了。できないものは仕方ないので、自転車を止めて遊歩道を進むと、いきなり出てきたのは横たわる木。よくある倒木かと思いきや、横に向かって生えています。

余談ですが、e-bikeはアシストで行ける場所が増えます。ただし、ドライブユニットやバッテリーを搭載する構造上、唯一の弱点が普通の自転車に比べて「重い」という点。それを体感しました。実は今回は自転車が走れない場所に入り込んでしまいました。できるだけ押し歩きなどをしない乗りやすい環境を選ぶと、よりe-bikeを楽しむことができます。

そして、テクニックが上達するほど乗れる範囲も広がります。通常の自転車同様に、楽しむためにテクニックを磨くことも大切です。なお、通常であれば体力や技術面に合わせるのがコース選びのポイントです。けっして強者が暴走して、メンバーに無理をさせてはいけませんよ!

予想台の押し歩きでお疲れモード。e-bikeは押すと重いところを避けるのがベストです

三宅島はe-bikeがオススメ

初めて訪れる場所では、知らない道でどれほど上るかわからず不安になることもあると思います。でもe-bikeであれば怖くないです。寄り道しても、道を間違えても、重たい荷物を背負っても、走力はアシストが助けてくれます。

ちなみに今回はメリダのe-MTB「eONE-SIXTY 10K」「eONE.SIXTY 500」も乗り比べました。カーボンとアルミというフレーム素材、サスペンションなどの違いもありますが、ドライブユニットは同じシマノSTEPS「E8080シリーズ」を搭載しています。走行シーンに応じて必要なアシストモードを切り替えつつ、時にパワフルに、時にナチュラルに優しく走行を手伝ってくれます。

今回の2台が搭載するドライブユニットはシマノSTEPS「E8080シリーズ」。ハイエンドモデルです

e-MTBの経験もまだ少ないのですが、両モデルともスムーズに細かく動けて、自転車としての性能の高さを実感しました。より“スポーツとして楽しめる”自転車だな、と。カーボンとアルミフレームの違いは、正直あまり感じなかったです。

個人的にはアルミフレームのほうが乗りやすいと思ってしまったほど。……ただその理由としては、カーボンフレームの「eONE-SIXTY 10K」が身長に合っていなかったことが判明(1サイズ展開)。「eONE.SIXTY 500」のXSサイズがジャストでした(2サイズ展開)。どんな良いモデルでも少しサイズが合わないだけで、こんなにも違いが出るのかと感じましたね。

慎重にサイズを選んでもらえればと思います。

とはいえ、重量的にはカーボンフレームのほうが明らかに軽く、スピードが落ちた状態(岩場など)での扱いやすさは感じました。同性能のドライブユニットを搭載していても、車体重量で扱いやすさも変わってきます。

メリダに関しては静岡・伊豆の国市にある「MERIDA X BASE」でレンタル可能です。試乗で乗り比べてみてはいかがでしょう。伊豆にもたくさんの魅力的なスポットがありますよ(笑)。

三宅島のe-bike旅を2回にわたってご紹介しましたが、正直、1泊2日では短すぎる旅でした。あと1回、次回はe-bikeや自転車でなくても楽しめる観光面などもお届けします。

平塚吉光

元プロロードレーサー。引退後、サイクルツアーなどを中心にe-bikeにハマり、自分の中での自転車の可能性を広げ続けるサイクリスト。ロードもトラックもMTBも、もちろんe-Bikeも大好きです。Instagram:@yoshimitsu_hiratsuka Twitter:@yokkun1113