e-bike試乗レビュー
海、空、飛行機、鉄道、工場……多摩サイ出発の都市部e-bikeサイクリングへ!!
2021年12月13日 08:05
ある日、e-bike部メーリングリストにて清水氏が「こういう場所を巡るサイクリングってみんなあんまり興味ないですかね? 個人的には好きで、多摩サイ混んでるときとか飽きたときとかに巡るんですが」というメッセージとともに送ってきたのが、上の写真。うっ……コンビナート地帯!!!
そんなん興味あるに決まってんじゃないスか!!! と、即座かつ前のめりに反応した筆者でした。
清水氏いわく「道によってはトラックやダンプも走ってますが、案外見どころがあるので、よければご案内しますけど」と。「行く行く絶対行く!!!」と、また秒で反応した筆者なのでした。
そしてコンビナート地帯e-bikeサイクリング決行。多摩川の河口付近、羽田空港や川崎浮島付近を巡るサイクリングです。清水氏は「人力自転車でも巡れますが、ひととおり巡ると50~70kmくらいの距離があります。見物して楽しめる地点も多いので、ストップ&ゴーが頻発しますし、橋の上とか風の強いエリアもあるから、やはりe-bikeが快適でいいですね」といいます。
そろそろ新しいe-bikeが欲しいなあと思っている筆者なんですが、それもあって今回はXROSS(クロス)のe-MTB「DX512A」に試乗しつつのサイクリングです。特徴的なハンドル形状に興味津々。
多摩川サイクリングコースを軽く流し脚慣らし
スタート地点は、神奈川県川崎市にある多摩川交流センター(Googleマップではココ)。まずは多摩川サイクリングコース(多摩川サイクリングロード)を少し走ります。“多摩サイ”で知られるサイクリング向けの道です。
なーるほど、どこも景色がイイからつい停車して眺めたくなります。こういう観光サイクリングには、やはりe-bikeがいいですね。ストップ&ゴーし放題でも疲れません。河川敷や橋の上は風が強いことも多々ありますし。
でも、単に多摩川サイクリングコースを走っただけのような……と思ったら、ここからが「お楽しみ」なんだそうです。大期待!!
誰もいない!! 羽田空港周辺サイクリングが愉快
大鳥居から羽田空港方面へ向けて再度走り出します。多摩川河口沿いの道ですが、物流のトラックは少々走っているものの、人けが非常に少ない! 「我々以外誰もいない」ということが多かったりします。でも迫力ある風景が広がっていたり、迫力あるものが現れたり。意外なほど愉快に走れます。
さらに前進。すると「えっ? ココって、通っていいの?」という雰囲気があるトンネルに突入しちゃいました。もちろん通っていいんですが、誰もいないし、ちょっとドキドキする感じ。環八通りなのだそうです。Googleマップではココからトンネルに入り、ココに出て行く感じ。トンネルの上には滑走路などがあるようです。
トンネルを過ぎて左に曲がると「ここは羽田空港内部なのか?」と思うほど、空港の施設が間近にあるエリアに出ました。東京モノレールの「新整備場駅」です。
クルマで来ると通り過ぎるしかなかったりする道でも、自転車だとちょっと寄って見物するようなことが可能。羽田空港付近は自転車で通れる道が意外に多いので、航空ファンにとっては非常に楽しいサイクリングになるかもしれません。空が広大だし、道が広いし、誰もいないし。
対岸から羽田空港を眺めてみる
今度は羽田空港の対岸、多摩川の河口部右岸にある公園に行ってみることに。浮島町公園というところ(Googleマップではココ)。わりと穴場の公園で、飛び交う飛行機や大型船をゆっくり眺められるそうです。
ところで、もう25kmくらい走っています。スポットとスポットの間を快速移動という感じなので、けっこう運動している感じ。ですが、今回試乗したXROSSのe-MTB「DX512A」が非常に快適。ゴツめのe-MTBなんですが、軽快に走れるし取り回しも良好。
DX512Aの詳細については公式サイトをチェックしていただければと思いますが、“アドベンチャーツアラー”と名付けられたとおり、“走破性が高い旅向けe-bike”だと感じられます。
特に好印象なのがハンドル形状とフレーム形状(ジオメトリ)、それから重心。まずは手がラクなんですね。状況に応じてさまざまな“ハンドルの握り方”ができる。手を自由に置けるので手や腕や肩が疲れにくい。
不思議な外見ですが、とても実用的なハンドルバー。アップライトからやや前傾まで、ライディングポジションの幅も広いです。
走ってみるとわかりますが、車体サイズのわりにはクイックに旋回するのもイイ感じ。これはドライブユニットやバッテリーの位置やフレーム形状からくるものだと思いますが、思う方向にバランスよく進んでくれるというイメージです。低速でもそういうことができるので、乗車時の扱いやすさが際立ちます。
それとワイドレンジの12スピード。今回の試乗では軽いギアはあまり使いませんでしたが、登坂が得意でありつつ、スピードもそこそこ出せるe-MTBだと思います。
また、ちょっと不思議なのが「よく転がる」ということ。スピードが落ちにくいという印象がありますが、ブロックタイヤだし……ナゼ? って感じです。ハブがいいんでしょうか。ともあれ、平坦な街中をスムーズに走って行けて快適です。
もうひとつ、ブレーキがガッツリ効く。ブレーキレバーは軽い力で操作でき、コントロール性もよく、イザというときの急制動が危なげなく確実に行なえるという印象がありました。でもパーツを見ても(まあ高級なパーツではありますが)ほかの同価格帯のe-MTBと大きな違いはないのに……ナゼ? これも不思議です。
それら要素が複合したからか「体が疲れにくいe-bikeだな」と感じました。今回は久々に50km以上走行し、後半は太腿が軽く攣りそうになりましたが、でも肩や腰や背中などにはあまり負担は感じられませんでした。
ともあれ、いろいろな点で「ほかのe-MTBとは一味違う」という印象になったXROSSのe-MTB「DX512A」。機会があればぜひご試乗なさってください。
何もかもスケールが違う! コンビナート地帯を観光サイクリング!
公園で飛行機を見つつ一休みしたら、今度はコンビナート地帯をサイクリング。公園を含んだ島のようなエリアは「浮島町」と呼ばれるひとつの町で、その大半がコンビナート地帯です。物流のトラックが行き交う目貫通りである「浮島通り」は交通量が多いですが、脇道に入るとグッと交通量が減り、また道幅も広いので、ゆったりとサイクリングを楽しめます。もちろん、数々の工場を眺めつつ♪
ほかの通りに移動してみます。コンビナートの敷地や道路など、どれもスケールが大きいので、隣の通りまで移動するのにけっこう走ることになります。でも、普段はまったく見慣れない建物だらけなので、「なにあの建物!」「すごい巨大さ!」という感じで楽しく観光できます。
海底トンネルを通ってむこうの島へ♪
先ほどまでは浮島町というコンビナートの島をサイクリングしてきました。このエリアにはほかにも似た島があり、別の島から浮島町を眺めることができるそうです。徒歩で通れる海底トンネルがあり、そこを使って別の島に行ける。海底トンネル? ちょっとおもしろそう!
ん~興味深い。島から島への海底トンネルの約1kmを、e-bikeを押して歩くのはちょっと疲れます(とくに階段の上り)。でもトンネル内の雰囲気も、島からほかの島を見た感じも、なんだか異次元。非日常的なおもしろみがある体験ですので、ご興味あらばゼヒ!
予想外に充実した工業地帯サイクリング♪ 次回は夜景で!!!
観光したり島に渡ったりしていたら、そろそろ日が傾いてきました。途中、川崎大師に寄りつつ、今回のライドは帰途となりました。
総じて満足度の高いサイクリングでした。初めて見る風景がたっぷり。工業地帯は道も広いし、道を選べばクルマも少ないし、サイクリングの穴場かもしれません。
帰途、清水氏いわく「そうそう、工場とか多摩川サイクリングコースとか、夕景や夜景もけっこうイイんですよ」と。あ、確かに良さそう。日暮れの工場とか夜間の工場とか、ぜひ見てみたいですね?。次回はぜひ、トワイライトライドやナイトライドを!
いいですね~いいですね~、夕方から夜のサイクリング。装備や安全に十分気を遣う必要がありますが、たぶんとても美しい風景を見られるハズ。また、こういた都市部のサイクリングだと、すぐエスケープできるのもいい。トイレが点在していますし、コンビニなどで補給も容易だし、万が一怪我をしてもすぐに手当できるのも都市部ならでは。また近々、e-bikで都市部でのサイクリングを楽しみたいと思います。