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ゼッケンやアップリケ付けに!「たてまつり縫い」の縫い方とコツ
2017年 6月 6日 11:00
ゼッケンやお名前ワッペン、フェルトのアップリケなどを手縫いで付けるときに便利な縫い方が「たてまつり縫い」です。今回はこの「たてまつり縫い」の縫い方と、きれいで丈夫に縫うためのコツをお伝えします。1針ごとの手順と、ゼッケンなどの「直線」、アップリケなどの「曲線」を縫うコツを、それぞれ写真付きで解説します。初めての方も、ぜひチャレンジしてみてくださいね。
「たてまつり縫い」の縫い目と特徴
たてまつり縫いは、付ける布の布端に対して直角に、短い針目が見える縫い方です。短い糸が小さな間隔で渡り、地の布へピッタリと縫い付けられます。丈夫で洗濯にもよく耐えるので、体操服のゼッケンやネームワッペンなどに適しています。また、針目が小さいので、アップリケの色に合った色糸で縫えば、針目が目立たず美しい仕上がりになりますよ。
たてまつり縫いの縫い方:手順1
玉結びをした糸を針に通し、付ける布の布端から2~3mmのところに針が出るように、地の布の裏から表へ針を出します(写真1)。玉結びを布の裏へ見せたくない場合は、付ける布の裏から針を入れると、地布と付ける布の間に玉結びが隠れます。次に、付ける布の布端と垂直方向に糸が渡るようにして、付ける布のきわ部分の地の布へ針を入れます(写真2)
たてまつり縫いの縫い方:手順2
そのまま地の布をすくい、手順1で最初に針を出した場所から2~3mm左側へ針を出します(写真1)。糸を引き、手順1と同様に、付ける布の布端と垂直に、地の布へ針を入れます(写真2)。同様に地の布をすくって、前に針を出した場所から2~3mm左側へ針を出し(写真3)、糸を引きます。写真2~3を繰り返します。針目が等間隔になるように縫っていくと、美しく丈夫に仕上がります。縫い終わりの玉止めは、地の布の裏でもいいですが、縫い始めの玉結びと同様に、玉止めが布と布の間に隠れるようにするときれいです(写真4)
実例1:ゼッケンやネームなどの「直線部分」を縫うときのコツ
最初に、アイロン式の両面接着テープ、布用ボンド、しつけ糸、まち針(写真左)などで、ゼッケンやネーム布を地の布へ仮止めしておくと、最後までずれることなく縫い上げられます。両面テープを用いると、ベタベタした接着成分が針に付着し、針通りが悪くなるうえ、に仕上がりも汚くなるので避けましょう。お名前ワッペンなど小さいものは、針目の間隔を小さくした方がしっかりと付きます(写真右)。大きいゼッケンの場合は、針目の間隔が小さいと縫うのが大変なので、もう少し間隔を空けてもいいでしょう。
実例2:アップリケなど「曲線部分」を縫うときのコツ
アップリケも、ゼッケンなどと同様に地の布へ仮止めしておくときれいに縫えます。曲線部分を縫うときは、針目が斜めに流れやすいので、カーブに対して常に針目が直角になり、きれいな放射状になるように気を付けて縫うと美しく仕上がります(写真左)。100均のポーチにフェルトでアップリケを付けてみました(写真右)。ちょっとした工夫で、世界に1つのオリジナル作品が出来上がりますよ。
応用:裏の針目が目立たない縫い方
最初にお教えした方法でたてまつり縫いをすると、縫い目の裏側には、斜めに針目が出ます(写真4上側)。洋服の胸部分に付ける名札などは、裏側が肌に直接触れるため、大きな針目を出したくないこともありますね。この場合は、地の布をすくうときに、付ける布と並行方向に0.5~1mmほどすくってから(写真1)、付ける布へ針を出します(写真2)。表から見ると通常のたてまつり縫いと同じですが(写真3)、裏はほとんど糸が見えません(写真4:上は通常のたてまつり、下は裏に針目が出ない縫い方)。
流しまつり縫いとの違い
裾まつり縫いに用いる「流しまつり縫い」と異なるのは、たてまつり縫いの針目が垂直で短いうえに、間隔が狭いので、よりピッタリと付く点です。ゼッケンのように布の上に布をしっかりと縫い付けるときには適していますが、裾まつりに用いるとカッチリとした縫い上がりになるため、特に柔らかく仕上げたいスカートの裾などには向いていません。反対に流しまつり縫いは、針目が大きく、また斜めに流れるため、ゆとりのある仕上がりになります。まつり縫いも用途に合わせて使い分けるといいですね。