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引っ掛けちゃった!ニットの「引きつれ」、簡単補修の方法とコツ
2017年 5月 9日 07:30
カーディガンやストールなどのニットを、バッグの金具やアクセサリーに引っ掛けて糸が出てしまったことはありませんか?今回は、引っ掛けてしまったニットの「引きつれ」を簡単に補修する方法とコツをご紹介します。飛び出た糸を切ってしまうと、そこから穴が開いてしまうのでNG。きれいに補修する方法をマスターして、引っ掛けてしまったニットを再生させましょう。
準備1:用意するものと使い方(その1)
今回は2種類の補修方法をご紹介します。
1つ目は、針と糸を使った補修方法です。この場合、用意するものは「針と糸」のみ。飛び出たニット糸を裏面へ出すために、針へ通した糸の輪へ飛び出たニット糸を引っ掛けて使います。針には、針穴の両側から糸を通すので、針穴が大きめの刺しゅう針や毛糸針などがいいでしょう。糸は、ニットの編み目が細かい場合は細めの糸、太い毛糸でざっくり編まれたニットの場合は太めの木綿糸などでOKです。
針穴へ両側から糸を通すので、「糸通し」があると便利です。100円ショップでも買えますよ。
準備2:用意するものと使い方(その2)
補修方法の2つ目は「ほつれ補修針」を使った方法です。こちらを使うと、糸を使わなくても補修できます。この針は、針穴がなく、針の長さの半分ほどにザラザラした加工が施されていて、飛び出たニット糸のそばに刺して引き抜くだけで、飛び出た糸がザラザラ部分へ引っ掛かり、一緒に裏面へ出てくるという仕組みです。
手芸用品店で2種類の太さが入った物を購入できますが、1本入りなら100円ショップでも買えますよ。1本でも、持っていると便利です。
手順1:飛び出た糸の周りの生地を整える
補修針を使わない場合も使う場合も、まずは同じステップから始めます。引っ掛けて飛び出た糸(写真1)の周りの編み目は、引きつれて乱れています。写真2は裏から見たもので、筋状に引きつれができていますね。編地によっては、この引きつれが表面に出ることもあります。この引きつれを、手で優しく引っ張りながら整えましょう(写真3)。引きつれ部分の片方の端を指でしっかりつまみ、もう片方の端を引きつれの方向に沿って引っ張りながら、飛び出たニット糸を編地の中にできるだけ収めるようにします。次に、引きつれ部分を中心に編地を縦、横に軽く引っ張りながら、編地を動かして整えます。編み目が広がって小さな穴が開いているなら、その部分に編地を集めるように動かして、隙間を埋めましょう(写真4)。
手順2-1:針と糸を使って、飛び出たニット糸を裏側へ出す
ここからは、2つの方法で手順が違います。まずは補修針を使わず、針と糸で補修する方法です。まず、糸を30cmほどの長さに切りましょう。針穴へ左右から糸を通し、糸の輪を作ります(写真1)。通しにくいときは「糸通し」を使うと便利です。次に、飛び出ているニット糸の根元へ針を入れ、少し離れたところへ出します(写真2)。飛び出た糸を、針に通した糸の輪へ引っ掛けるようにしながら針をゆっくりと抜いていきます(写真3)。ニット糸が、糸の輪から抜けないように注意しましょう。ニット糸は、針へ通した糸の輪に引っ張られて編地の裏面へ出てきます(写真4)。
手順2-2:補修針を使って、飛び出たニット糸を裏側へ出す
補修針を使って、飛び出たニット糸を裏側へ出す場合は、まず補修針を飛び出たニット糸の根元へ刺します(写真左)。次に、補修針のザラザラした部分へ飛び出たニット糸を絡め、そのままゆっくりと補修針を裏側へと抜いていきましょう(写真右)。ニット糸は補修針と一緒に裏側へ出ていきます。
手順3:裏側へ出たニット糸を始末し、アイロンで整える
最後はどちらも同じ手順です。裏面に出たニット糸を、針を使って始末します。飛び出たニット糸を、刺しゅう糸や毛糸針などの針穴へ通し、ニット糸の根元へ針を刺したら、編み目を数本すくって針先を出します(写真1)。このとき、飛び出たニット糸が短くてやりにくいようなら、先に針で編地をすくってから、針穴へ糸を通すといいでしょう。手順2-1と同様に「糸通し」を使うとやりやすくなります。次に、針をゆっくりと抜いていきます(写真2)。すると、ニット糸が編み目の中へ収まります(写真3)。最後に、表からスチームアイロンで整えます。必要であれば当て布をしてください。
まとめ
引きつれた編地を整え、飛び出た糸を裏へ出して始末することで、引っ掛けた部分がきれいに整います。衣替えの際にも、ニットをしまう前にチェックして、引きつれたものがあったらこの方法で補修すれば、来シーズンも素敵に身に着けられますよ。