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ミシンなしでもOK!丈夫な「本返し縫い・半返し縫い」やり方、小物作りも

ミシンを持っていないからと、布での小物作りをあきらめていませんか?今回は、小物などを丈夫できれいに縫えて、簡単な「本返し縫い・半返し縫い」のやり方とコツをご紹介します。それぞれの特徴や用途とともに、一針ごとの手順を詳しく説明していきます。最後に、手縫いで作った「ハギレの巾着袋」「ニット生地のスタイ」のポイントもご紹介しています。布地や材料も100均で手軽に手に入りますので、お裁縫初心者さんもぜひトライしてみてくださいね。

 

「本返し縫い」「半返し縫い」の特徴と用途

「本返し縫い」は、表から見るとミシン目のようにすき間なく針目が並んでいます(写真左上)。しっかりと縫えて丈夫なので、洗濯の頻度が高いものや、厚手の布、強度が必要な袋物を縫うときなどにおすすめです。写真右は、本返し縫いで作った巾着袋の縫い目です。ミシンで縫ったようにしっかりしているのが分かりますね。

 「半返し縫い」は、表から見ると「並縫い」のようで(写真左下)、本返し縫いより強度は劣りますが、本返し縫いよりも柔らかな仕上がりが特徴です。薄手の布や柔らかい布は、半返し縫いの方が適しています。また半返し縫いは、伸縮性のある布地にも対応できるので、ニット地の縫い物や、綿を詰めるために布が伸縮しやすい縫いぐるみにも向いていますよ。

 

 

本返し縫いのやり方

糸に玉結びを作り、布の裏から針を入れます(写真1【1出】)。糸を引き、1針分だけ右へ戻ったところへ針を入れ(写真2・【2入】)、最初に針を出したところをまたいで同じ1針分だけ左へ針を出します(写真2【3出】)。糸を引くと、1針目が縫えています(写真3)。次に、縫えた1針目の左端(【1出】の箇所)のきわへ針を入れ(写真4【4入】)、糸が出ているところをまたいで1針分だけ左へ針を出します(写真4【5出】)。糸を引き、写真4の工程を繰り返して縫っていきます。

 

本返し縫いの縫い目とコツ

本返し縫いの表面は、ミシンの縫い目のようにすき間なく針目が並びます(写真上)。裏面には、糸が重なった状態で並びます(写真下)。

 針目の長さを揃えるようにすることと、糸の引き加減を均等にすることが、きれいに縫うコツです。最初は2段落目の写真のように、チャコペンなどで布へ線を引いた上を縫って練習するといいですよ。

 

半返し縫いのやり方

糸に玉結びを作り、布の裏から針を出します(写真1【1出】)。糸を引き、半針分(写真2の⇔の分)だけ戻ったところへ針を入れ(写真2【2入】)、最初に針を出したところをまたいで1針分(⇔2つ分)左へ針を出します(写真2【3出】)。糸を引き、同様に、半針分右へ戻ったところへ針を入れ(写真3【4入】)、1針分左へ進んだところから針を出します(写真3【5出】)。写真4のように同様に繰り返して縫っていきましょう。

 

半返し縫いの縫い目とコツ

半返し縫いの表面は、並縫いのような針目が並びます(写真上)。裏面には、本返し縫と同様に糸が重なった状態で並びます。

「半針分返す」というところが、慣れないうちは難しいかもしれませんね。本返し縫いと同様に、最初はチャコペンなどで針目を書き、その通りに縫う練習をするのがおすすめです。繰り返しているうちに感覚がつかめてきますよ。薄い布や柔らかい布を縫うときは、細めの糸を使うときれいに縫い上がります。

 

作品例:「ハギレの巾着袋」「ニット生地のスタイ」

左は100円ショップのハギレで縫った巾着袋です。脇の縫い目は丈夫な本返し縫い、ひも通しの部分はステッチが目立ちにくい半返し縫いで縫いました。縫い代はまつり縫いなどはせず、ピンキングばさみで裁ち、ほつれにくくしてあります。

右は、リバーシブルのスタイです。着古したTシャツと水色のプリント地を中表に合わせ、半返し縫いで縫い合わせて表に返しました。周りの飾りステッチは並縫いで、ワンポイントにブランケットステッチでクマさんをアップリケしています。

ミシンがなくても、全て手縫いでかわいい小物が作れますよ。

 

まとめ

「本返し縫い」「半返し縫い」は、学校の家庭科で習って以来、縫ったことがない方も多いのではないでしょうか。確かに、ミシンがあればほとんどのものが縫えますし、ミシンがなければ既製品を購入すればOKなので、日常生活には必要のない技術かも知れません。でも、手縫いならではのぬくもりは素敵ですし、ちくちくと手を動かしているとストレス解消になることも。古くなったハンカチやサイズアウトした子ども服を使って、手縫いで気軽に布小物を作ってみませんか。

 

 

nontroppo

ライフオーガナイザー。ズボラでも簡単にすっきり暮らすための収納や、生活の仕組み作りを模索中。
料理、お菓子作りのほかに、洋服やインテリア小物なども手作りするのが好きです。
高校生の息子の母です。