家電ラボの徹底「本音」レビュー
ホコリが飛び散らない紙パックがうれしい! 日立のかるパックスティックのよさ実感
2023年4月6日 08:05
今年は花粉の量が多いので、掃除を念入りにしているという方も多いのではないでしょうか。しかし、せっかく吸い取った花粉も、サイクロン掃除機ではゴミ捨て時に広がってしまうので、鼻がムズムズすることも。その後も、内部に残ったホコリや花粉などをブラシで掃除したり、洗ったりするのは憂鬱でした。
そんな悩みを解消してくれるのが紙パック式掃除機です。紙パック式は、ゴミが溜まったら紙パックごと外して捨てるだけ。ゴミが舞い散ることがなく、アレルギー持ちにとっては頼もしい方式で、改めて注目されています。
今回ご紹介する日立の「かるパックスティック PKV-BK3K」(以下、かるパックスティック)は、紙パック式のコードレススティッククリーナーです。延長パイプやヘッドを含んだ状態で1.1kgという軽さも特徴。実売価格は67,100円前後です。
とにかく軽くて使い勝手がよい
充電時間は約2時間と短く、標準モードでは30分(ヘッドを使用しなければ最長で約45分)使用できます。
本体は約1.1kgと軽く、身長が低い女性でも掃除がしやすいサイズ感です。身長154cmの娘に持ってもらったところ、胸あたりまでくる大きさでした。162cmの私も使いやすいサイズで、取り回しのしやすさも魅力です。
サイズはスティックの状態で23×20.5×108.2cm(幅×奥行き×高さ)。ヘッド幅が23cmとコンパクトで、可動域が広く、狭い場所も掃除しやすい形状。すき間なども得意で、家具が多い家庭でもストレスなく掃除ができます。狭いところにもヘッドをスッと入れられますし、小回りが利くので狙った方向にヘッドを動かしやすいクリーナーです。
ただ、ヘッド幅が23cmと狭いので、広い部屋を掃除するのは少々時間がかかります。まとめて念入りに端から端まで掃除するというよりも、ゴミを見つけたときにその都度掃除する使い方に合っています。
ソファの下などの狭い場所も奥まで入ります。本体を横に倒すこともできるので、高さ10cm程度の狭い場所にも入れることができます。
ヘッドはブラシの回転で前に進む自走機能付きで、じゅうたんの上でもピタッとはりつくことがなく、軽い力で掃除ができました。以前使っていた日立の自走式クリーナーはぐんぐん進みすぎて逆に疲れることもありましたが、ほどよいブラシの回転で、引っ張られるような感覚もなく、ちょうどよい自走感です。
ヘッドのLEDでゴミの取りこぼしを防げる
白色に加え、緑色のLED「ごみくっきりライト」を採用。緑色はもっとも明るく感じる波長に近く、照らされたゴミとゴミの影のコントラストが大きくなるため、ゴミが見えやすくなる仕組みです。さらに、合計5灯の光をレンズで効率的に集め、床を照らします。これにより、暗いところはもちろん明るいところでも、見えにくかったゴミを浮かび上がらせることができるわけです。
実際に床で重曹をまいてテストしてみました。特に白っぽい床ではホコリなどを見逃しやすいのですが、このライトがあることで、重曹が浮き出ています。
日立のクリーナーはゴミを見つけたら教えてくれるセンサーなどはないのですが、この緑色LEDが搭載されていることで、ゴミの有り無しがはっきりわかります。ソファ下などの暗い場所でも照明代わりになるので、確認しながら掃除すれば取りこぼすことがありません。
パワフルでぐんぐんゴミを吸い込む
軽すぎるので不安になりましたが、吸引力は問題はありませんでした。重曹、ペットのトイレ砂でテストしたところ、きちんと取れています。
ただ、ヘッドの裏側を見るとブラシの両サイドにすき間があるため、壁際はぴったりくっつけても少しゴミが残る結果に。ただ、前方のゴミは壁ギリギリのところまで取れていたので、ヘッドの向きを変えながら掃除すると、全体のゴミを吸引することができます。
ブラシの回転が速いので、ペットのトイレ砂のような少し大きめのかたいゴミははじき飛ばすこともありました。ヘッドが軽量のために乗り上げて裏面が浮いてしまい、床に落ちている微細なゴミを取りきれないことも。大きなゴミがある場合はヘッドをスライドさせるのではなく、いったん上に持ち上げてヘッドをかぶせるようにして吸い込み、あとで通常通り前後に動かすと細かなホコリなどもきれいに取り切ることができました。
紙パック式なのでゴミ捨て簡単、紙パックの穴も自動で閉じる
紙パック式はサイクロン式が主流になる前はスタンダードな方式でしたが、紙パックを購入するのが面倒、ゴミが詰まると吸引力が下がるといったデメリットも大きく、サイクロン式が人気となりました。
一般的な紙パック式はゴミが詰まると風が抜けなくなるので吸引力が落ちます。しかし、こちらのモデルには紙パック底から空気が抜けにくくなると、複数の通り道から風が流れる「パワー長もち流路」を作っているので、吸引力が持続します。1カ月以上使って紙パックの半分くらいにゴミが溜まりましたが、それほど吸引力は落ちていませんでした。
紙パックは最初折りたたまれているため小さく見えますが、ゴミを吸っていくとどんどん膨らみ、想像以上にたっぷり入ります。紙パックの交換は約2カ月に1回でOKとのこと。4人家族でホコリが立つ我が家の場合、2カ月弱で満タンになりました。
2カ月ほど経って紙パックが膨らんでくると、やはりある程度吸引力は落ちます。ただ、紙パックが実際に2カ月近く使えたことには驚きました。一般的なサイクロン掃除機はダストカップが小さく、あっという間に一杯になってしまうので、もっとこまめなお手入れが必要となりますが、かるパックスティックはお手入れの回数そのものが少ないことも嬉しいポイントでした。
満タンになる頃には手元操作部にある「ごみすて」ランプが点滅します。吸引力を持続したままストレスなく使いたいのであれば、ゴミが満タンになる前に紙パックを新しいものに変えたほうがよさそうです。
紙パックを交換するときは、パックをスライドすると自動でシールふたが閉じるところもユニーク。穴からパラパラとゴミが飛び散らないので、交換はとても簡単でした。粉が舞い散ることもなく、鼻がムズムズすることもありません。
紙パック式なので、あとでダストカップ内部に残って絡まってしまった髪の毛を手で引っ張り出すこともなくなるわけです。花粉症持ちなので、改めて紙パック式のゴミ捨てのしやすさを実感することができました。
気になる紙パック(品番:GP-S120FS)の価格は6枚入りで、1,210円。ランニングコストはかかりますが、2カ月に1枚で計算すると1年間使えることになります。チェックしたところ、消耗品は大手量販店のネットショップをはじめ、Amazonや楽天市場といったショッピングモールでも販売されていました。
ハンディブラシや付属のノズルも使い勝手よし
付属品はハンディブラシと2WAYすき間ブラシ。ハンディブラシは本体に装着しておけるので、使いたいときにパイプを外せばすぐに棚などを掃除できます。その都度、ブラシを装着しなければならないものも多いのですが、これならすぐに使えます。見た目は正直スマートとは言えませんが、掃除の際に付け外しをする手間がなく、とても便利でした。
また、2WAYすき間ブラシもワンタッチでブラシを移動できます。棚の上などはブラシあり、家具のすき間、ソファなどを掃除するときはブラシ無しにできるので、状況に合わせて変えて使うことができました。
本体が軽いので、高いところも持ち上げてラクに掃除できます。床だけでなく、ハンディクリーナーとしても手軽に使うことができました。
メインの掃除機としても使える紙パック式クリーナー
残念な点は、ACアダプターのコネクターを本体の充電ポートに差し込んで充電しなければならないこと。スタンドは充電スタンドではなく、置くだけの収納スタンドです。掃除のたびにコネクターを本体に差し込まなければならないのは少々面倒でした。
布団ブラシも欲しいところ。吸引力が高いので布団クリーナーとしても使いたいのですが、布団ブラシがついていないのは残念です。
とはいえ、気になったところは他にはなく、使い勝手のよさと軽さが気に入りました。日立のコードレスクリーナーは、軽量でパワフル、取り回しがしやすく、ヘッドも小さいので家具などが多い日本の家屋には合っています。
紙パック式といっても吸引能力は落ちにくく、さらにゴミ捨て時にホコリなどが舞い散らない点も魅力でした。紙パックの穴を自動で塞ぐ機構もあるので、ゴミを見ることなく捨てることもできます。ゴミ捨てをストレスに感じる方、ホコリや花粉アレルギーの方にぜひ注目していただきたいクリーナーです。