藤原千秋の使ってわかった! 便利家事アイテム

カインズの巨大ゴミ箱が我が家の「生理用品問題」を劇的に解決!
2025年6月5日 08:05
瑣末な話だが、実際に体験してみて初めて身に沁みることというのは、瑣末なことにこそ、多い。
昔。一人暮らしを始めて、初めてトイレでトイレットペーパーが切れたとき。筆者は、驚いた。動揺して「おかァさーん!」と呼んでも、誰も来ない。一人暮らしなので当然なのだけど、すごくすごく驚いて、絶望した。このときトイレットペーパーというものは、切らさないように“自分で”買い続けなければならない、ということが初めて理解できたし、そうしないことの悲惨さを思い知った。
その後、案の定的なことなのだが、生理用ナプキンも同様に切れて、「これも切らさないように“自分で”買い続けなければいけないのか!」と再度驚き、ドラッグストアで金額を見てビックリした(高い!)。
実家にいたころ、これらは、こんなものらは自動的に補充されて然るべきものだった。然るべき? 傲慢か。そう、それまで自分がいかに守られ、甘やかされてきたのかというのを、痛い思いをしてようやく理解したのだ。
それから約30年が過ぎた。
今ほぼ大人サイズの女性4人と男性1人が暮らす我が家のトイレットペーパーは、光の速さで消費されていく。先日うっかり最後の12ロールにまで底をついてしまい、慌てて12ロールの10パックを買い足した。
大人女性が4人もいると生理用ナプキンもみるみる間に減っていくので、近隣のドラッグストアのセールや何倍ポイントデーなどを狙って大中小数種類をカゴにどんどん山にして買い足しているのだが、どういうわけか一緒に暮らしている女たちは不思議と周期が揃うので減る時は見事に一気に減る。
そんな中、ここ数年ストレスに感じていたのが「エチケットボックス(使用済み生理用品用ゴミ箱)の中がすぐにいっぱいになる」問題だった。我が家で十数年使用していたボックスは非常にいろんなところで目にする汎用品で、シンプルなスイングタイプの外見込みで気に入っていた。
しかし、「生理ラッシュ」が来るとすぐに満杯になった。そんなの「こまめに捨てればいい」だけのことだけど、日常生活の中では「そんなこと」すら、できないときもある。
今年のまだ寒い時期のことだ。別の仕事の商品探しで訪れたカインズで、通りしなこのくず入れを見かけた刹那、筆者は閃いてしまった。トイレだ。これ、生理用品ゴミ箱に使えないか?
しかしそれにしてもでかい。「うわ、でっか!」と手に取って、笑ってしまった。
ほぼ手のひらサイズの従前のエチケットボックスに比べて何倍くらいあるだろう。とにかく、でっかい。しかしこれは特にトイレ用品売り場にあったわけではないので、普通に、普通のゴミ箱なのだろう。しかしまあそれにしてもでかい。うーん。無しか。一度、見送って、通り過ぎた。
しかし筆者は待てよ、と思った。今使っているエチケットボックスは、子供たちが幼く、生理になるのが自分1人だけだった時代に買ったものだ。つまり1人用。その1人用を4人で使っているのって、単純に考えておかしくないか。ストレスを感じて当たり前なのじゃないか。回れ右。
というわけで購入しすぐに自宅トイレで差し替えたのだけど、「どうして数年前からこうしなかったんだろう?」というくらいに、快適なのである。
捨てても捨ててもいっぱいにならない。そしていっぱいにならないからこそ、物理的に捨てやすい。始末しやすいとも感じる。この理路はどういうことだろう。
「ちょっと考えてみれば」とか「想像してみろ」とか他人に言うのは容易い。しかし言った本人の身にも言われたその人の身にも沁みない。でも身に沁みたらすぐに理解できることって、ある。使ってみて、体験してみて、「なるほど」と漸く、分かる。分かることがある。
とっても、瑣末な話なのだけれど。