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梅雨でも熱中症になる? 早めのエアコン活用もアリ
2025年6月5日 07:05
パナソニックは、夏のエアコン利用と熱中症対策に関するアンケート結果を発表するとともに、近年増加している早期の熱中症や「梅雨型熱中症」への注意を呼びかけている。
気象庁の見通しによれば、2025年の夏は暖かい空気に覆われやすく、気温は全国的に高くなる見込み。2024年の夏の平均気温は、2023年と並び統計開始以降最も高くなり、今夏も厳しい暑さが予想される。
また、昨夏は記録的な猛暑により、5月から9月までの熱中症搬送者数の累計は 97,578人となり、平成20年の調査開始以降、最も多かったという。また、2023年の救急搬送者数の累計も91,467人と、統計開始以降3番目に多く、2年連続で記録的な数値となった。猛暑が予想される今夏も、引き続き熱中症対策が重要となる。
6月の熱中症にも注意を
同社アンケートによれば、「例年、熱中症対策をしていますか?」という質問に、「積極的に対策している」と「どちらかと言えば対策をしている」が67%だった一方で、「まったく対策をしていない」と「どちらかと言えば対策していない」が33%にものぼり、対策をしていないと回答する人も多かった。
熱中症対策を始めるタイミングについては、「7月」が最多の40%で、「6月」35%、「5月」14%と続く。4月〜6月の早めの熱中症対策を行なっている人も一定数いるが、ほぼ半数の46%の人が、7月〜8月に対策を始めると回答している。
だが近年は、6月の熱中症搬送者数が増加傾向にあり、早めの熱中症対策が必要。総務省の「熱中症による救急搬送状況」によると、6月の搬送者数は、2019年が4,415人にであったのに対し、2023年7,235人、2024年7,275人と増加中で、特に2022年は、6月としては統計開始以降最多の15,969人にものぼった。
熱中症に詳しい臨床教育開発推進機構理事の三宅康史医師は、「熱中症の発生ピークは7月〜8月ですが、夏本番前の6月の早期の熱中症には特有のリスクもあるため、十分な注意が必要です」と語る。
特に、湿度が上がる6月に注意したいのが「梅雨型熱中症」だ。これは、夏本番を迎える前の梅雨時期に起きやすい熱中症で、真夏ほどの気温でなくても湿度が高ければ起きやすく、風が弱い日にはさらに発症しやすい。また「室内での発生が多い」ことも特徴だ。
対策としては、体の暑さ慣れ(暑熱順化)、服装や居住環境の暑さ対策を早めに行なうことが望ましいという。また、梅雨時前から蒸し暑さに慣らしつつ、湿度管理を行なうようにしたい。
エアコン冷房をつける際の目安は「室温28℃以下・湿度70%以下を目安に、本人が暑さを感じない設定温度を見つけましょう」としている。体調、年齢、体格、性別によって体感温度には差があるため、個人差を意識して、状況によっては「28℃到達前のエアコン活用」を推奨している。
また、エアコンの設定温度が実際に自分のいる場所の温度とは異なる場合がある。三宅医師は「自分の生活する近くに温度計、湿度計を置いて、快適な温湿度になるよう設定温度を見つけましょう」としている。
節電、暑さへの体の順応、快適さと環境配慮など、バランスを取るのは難しいが、最重要なのは熱中症にならないこと。体調に合わせて柔軟に対策をとるようにしよう。