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自動でピント合わせて見やすいViXion01S アプリで機能拡張も

ViXion01Sの装着例

ViXion(ヴィクシオン)は、 オートフォーカスで見え方をアシストするメガネ型のデバイス「ViXion01S」の一般販売を6月5日より開始する。直販価格は88,000円。

メガネのように掛けて、見え方のわずらわしさから解放するという製品。見る距離に応じてレンズの形状が変化するため、目の酷使や加齢など、その人の状況に応じて調整ができ、スムーズにピントを合わせられる。約33gという軽さで長時間でも快適に装着できるという。外観はデザインオフィスのnendoが手掛けた。

なお、この製品は医療機器としての眼鏡ではないため、視力矯正や補正の効果を謳うものではなく「近い距離から遠くの距離まで、スムーズなピント調節をサポートするオートフォーカスアイウェア」としている。

ViXion01Sは、より一般的なメガネに近い形に

今回のViXion01Sは、2023年のクラウドファンディングで4億円超の資金を調達したViXion01のスタンダードモデルとの位置付け。より一般的なメガネに近い形状になったほか、乱視に対する要望も踏まえて改良した。アプリの機能もアップデートされている。

ViXionのこれまでのモデル。右は2023年のViXion01

基本的な見え方の仕組みは共通で、左右のレンズの間に備えたToFセンサーで見たい対象物との距離を測定。それに合わせて、見え方を調整する中央のレンズ形状を瞬時に変化させて、自動でフォーカスを合わせる。左右で視力が違う場合も、あらかじめ調整しておけばそれに応じた形でフォーカスを合わせる。

左右のレンズの間は手動で調整できる
見え方の調整は左右のレバーで行なう

アウターレンズと呼ぶ、通常のメガネのような外側のレンズも配置。乱視などを持つ人も個別に対応しやすくなっている。また、アウターレンズをサングラス仕様にすれば、中央の可変レンズが目立たなくなる。アウターレンズの交換は別料金。

アウターレンズをサングラス仕様にすることも可能

先行モデルのViXion01と中央のレンズ径は同じだが、重量を約40%削減し、長時間着けやすくなっている。

ViXion01Sの特徴

本体サイズは152×160×45mm(幅×奥行き×高さ)。既存のアウターレンズを含めた重量は47g。瞳孔間距離は55~73mmで調整できる。焦点距離は5cm~無限遠。

電源は3.7Vリチウムポリマー電池(150mAh)で、連続使用時間は最長15時間。受電時間は約3時間。

アプリで「プラモ作り」など目的に合わせた拡張機能の追加も

スマホアプリvixion connectの機能も強化。基本的な操作は本体だけでも行なえるが、アプリを使えば左右のフォーカス調整がより細かく数字を見ながらできるほか、プリセットを複数設定できて、職場などで複数人で使う場合もすぐに切り替えられる。

アプリで見え方の細かな調整も

そのほか、ViXion01Sがどのように動作したかをモニタリングでき、度数設定の変化などをグラフで確認可能。

使用状況をアプリで確認できる

また、アドオンのような形でアプリに拡張機能を適用でき、趣味など特定の目的に合った設定も簡単にできるようになる。

好みに応じて拡張機能を追加できる

拡張機能の例として、プラモデルなどの精密作業時に、より安定したフォーカスを可能にするものもある。パーツが細かいと、フォーカスを頻繁に合わせようとした場合に焦点が外れやすくなってしまう課題があったため、フォーカスの頻度をより抑え、遠距離から近距離への視点移動もゆっくりにすることで、不快感を抑制するという。

拡張機能の一例