家電レビュー

シャープの紙パック式スティック掃除機は超絶軽い! ゴミ捨てストレスゼロ

紙パック式を採用したシャープのスティッククリーナー「RACTIVE Air EC-KR1」

床のホコリが気になった時に、ササッと気軽に掃除ができて便利なスティッククリーナー。唯一の弱点ともいえるのが、本体に溜まったゴミを処理する行為の面倒くささだ。

筆者は最近、本体を充電ステーションに立てかけると、自動で本体内のゴミを吸い出してくれるモデルを手に入れた。これでもう完璧かと思いきや、月に一度は、充電ステーションに溜まったゴミを処理しなければならない。

そこで今回は、シャープの紙パック式のスティッククリーナー「RACTIVE Air EC-KR1」を試してみることにした。紙パックを購入する手間は残るものの、手を汚すような面倒はほとんどない。そこで、どれだけラクに使い続けられるかを検証してみた。

本体とスタンドと充電器

同機の売りは、超軽量モデルであることと、紙パック式だということ。さらに、耳障りな音(ピーク音)を低減するという独自の低騒音化技術も備えている。なお、シャープにおいて紙パック式の掃除機は、キャニスター型では存在しているが、コードレススティック型では今回が初となる。

まず軽さについては、自宅の玄関で配送業者から受け取った時にパッケージ全体でも「かるっ!」と思ったくらいに軽い。さらに開梱して本体を取り出すと、「やっぱりすごく軽い!」と感じた。バッテリーを装着した状態でもこれだけ軽いというのは、驚異的といえるだろう。

スティック時の重さは1.3kg。数字だけでは他社と比べて最軽量というわけではないが、持ってみたところ全体が軽いだけでなく、クリーナーヘッド部をクィッと持ち上げる時にも力はさほどいらなかった。そうしたことから、全体の重量バランスの配分が良いのだと感じた。

小3の息子が、小指で持ち上げられたほど軽かった

さっそく掃除してみた。何よりも手軽さを最優先した設計のためだからか、クリーナーのヘッド部の幅は狭い。そのため「ゆっくりと動かさなきゃ」と意識しないと、どうしてもサッサッサッと前後に動かしてしまいがちだ。

実際に使ったうえで、感覚値での吸引力は、弱いわけでは決してないが、それほど強くもない。そこでサッサッサッと急いで前後左右に動かしてしまうと、どうしても床の上にゴミやホコリが残ってしまった。

クリーナーのヘッドを見ると、ヘッドの右側は、端までブラシがある。壁際を掃除する際は、壁を右にしながら掃除すると良いだろう。

クリーナーヘッドの右端の際まで、ブラシがある

本体が軽いため、床に段差があっても全く苦ではない。ひょいっと持ち上げて掃除を続けられるので、段差が多かったり、階段のある家に住んでいる人たちは、とてもラクに感じるだろう。

紙パック式は想像以上にラクだった!

さて、ゴミやホコリは問題なく掃除できた。そこで今回のハイライトである、ゴミ捨てについて。結論からいえば、ものすごくラクだった。

手順は、ダストカップを本体から取り外し、ゴミ箱の上にかざしたら「ゴミ捨て」と書いてある黄色いボタンをポチッと押す。するとダストカップの底フタがパカッと開いて、紙パックがポコッと落ちる……これでゴミ捨ては完了。ポコッと落ちてこない時も少なくないが、その時には指でつまめば簡単に取り出せる。

本体のバッテリー下にあるレバーを押し下げて、ダストカップを取り外す
ダストカップがサクッと取り外せる
「ゴミ捨て」ボタン
ボタンを押すと、紙パックがポトッと落ちる(ことが多い)。これでゴミ捨ては終了

久しく紙パック式を使っていなかったので、このラクさには軽く感動した。なによりスティッククリーナーでありがちな「ホコリが舞って、床にもゴミが落ちる」なんてことがない。そうした点ではストレスはゼロ。

紙パックの交換も簡単だ。前述の通りダストボックスのフタが開いた状態で、新しい紙パックを装着する。装着方法はものすごく簡単。紙パック式に慣れていない人は「え? これで大丈夫だろうか?」と不安になるかもしれないが、全く問題ない。

このゴミ処理から紙パック交換までについては、本体にイラスト付きで解説されている。こういう気遣いは、とってもありがたい。イラスト解説で分からなければ、イラスト横にプリントされているQRコードをスマートフォンで読み込めば、解説動画がすぐに見られる。

ダストカップの中に、新しい紙パックを入れる
きれいな紙パックを入れたらフタをして、ダストカップを本体に装着
紙パックの装着方法が本体に記載されている。それでも分からなければ、スマートフォンでQRコードを読み取り、説明動画を見ればよい。とっても親切!

結論として紙パック式掃除機はラクだった!

ゴミ捨てについては、文句のつけようもなく、本当にラクだった。

一方で気になることもあった。それが充電する際に、バッテリーを本体から外して充電器にはめ込む必要がある点。バッテリーを本体に装着したままで充電できないのだ。そのためバッテリーを充電し忘れることが何度かあった。またスタンドと充電器が別々になっているため、設置場所を余計に用意しなければならない。

充電器はスタンドとは別にある
スタンドに関しては特筆点はない

ただしこれらは好みの問題もあるだろう。スタンドがなくても充電できるので、スタンドを使わずに収納する人には、むしろこの方式の方が良いかもしれない。またスペアのバッテリーを購入すれば、常にバッテリーを充電できるうえ、掃除できる時間も長くなる。

あとはクリーナーヘッド部の回転ブラシを取り外して元に戻すのが、少し難しかった。戻す際はヘッドの右側にある突起に、回転ブラシを差し込んでから、左側のギアにベルトを掛けるのだが……初めは取扱説明書を見ずに戻そうとしたのだが「本当にこれで良いのか?」と不安になって、改めて確認しながら元に戻した。

回転ブラシを外すのは簡単
戻す際に、ベルトの輪っかの中に回転ブラシの端をかけるのに、少し手こずった

本体はすごく軽いし、吸引力も問題ない範囲で、なにより紙パックにおけるゴミ処理のラクな点は、ほかには代えがたい。頭では理解していたが、実際に使ってみると想像以上にラクだったし、ストレスゼロだった。

シャープによる運転音の静かさ比較デモ(8月に実施したもの)。RACTIVE Air EC-KR1(右)と従来機種(左)

ちなみに交換用の紙パックの形名は「EC-330PN」。5枚入りで価格が1,210円なので、1枚242円。量販店などであれば、もう少しリーズナブルだ。ラクするためのコストとしては妥当だろう。同社の直販サイトでも、そのほかECサイトでも気軽に購入できる。

交換用の紙パック

筆者にとっては、余計に多くのアクセサリーが付属していない点も、好感が持てた。別売オプションが用意されているので、必要になったら追加購入できる。主なアクセサリーは「タテヨコ曲がるすき間ノズル(4,950円)」や「コンパクトふとん掃除ヘッド(3,080円)」など。

最終的に感じたのは、ワンルームから我が家のように広くない家に住んでいる少人数世帯にはピッタリな製品だということ。またロボット掃除機をメインに使っている広い間取りの家庭であれば、ロボット掃除機ではカバーしにくい場所を掃除するサブ機として適しているだろう。

河原塚 英信