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Shiftall、色とりどりの影を現出させるシーリングライト「RGB_Light」

 スタートアップによるIoT製品の製品化をバックアップする、パナソニック子会社のShiftall(シフトール)は、影をデザインする照明器具「RGB_Light(アール・ジー・ビー・ライト)」の年内発売を目標にし、先行予約を開始した。販売想定価格は15万円程度を予定。

RGB_Light(アール・ジー・ビー・ライト)

 光源としてフルカラーLEDを3つ搭載し、色とりどりの影を生み出せるシーリングライト。光の三原色の原理を利用し、影の色をコントロール。対象の角度を変えるだけで、見え方を変化させる。

 これは、加法混色という、赤(R)・緑(G)・青(B)を組み合わせて色を表現する手法を使ったもの。

フルカラーLEDを3つ搭載
色とりどりの影を生み出す

 3つのLEDの色や光量を、スマートフォンアプリで操作可能。3相の色相を変化させることで影の色彩も変えられる仕組みで、一般的な照明と同様の白色の光にもできるという。その幅広い光と影の表現により、個人の居住空間はもちろん、店舗などでの展開も目指すとする。

幅広い光と影を現出させる
花をかざしたところ
複雑なデザインのコップをかざすと、また違う影が表れる
光に手をかざしてみた
白い光にも変えられる
白色光の下では影も一般的な黒になる

 同ライトを発案した、グラフィックデザイナーの河野 未彩氏は、発想の原点を次のように語る。

 「グラフィックデザインを制作する中で、自然への畏敬や、実験への興味が湧きました。そうして、自分で光が生み出せればいいんじゃないかと思ったんです。このライトは、白い光から逆算して発想したのですが、そこから彩る影を楽しむ照明を思いつきました。そして、スマート照明として開発することで、新しい機能を持たせることもできました」

 また、シェードのデザインはUFOをイメージしたものだという。そのシェードは、ヘラ絞りという手法によって加工されたもの。へら絞りとは、板または管状の金属を回転させながら、へらと呼ばれる棒を押し当てて、少しずつ形作っていく手法だ。同製品では、アルミ素材を採用している。

アルミを、へら絞りによって加工されたシェード

 同製品は、パナソニックを中心とした3社が共同運営する、若い世代と新しい価値の創造に取り組む「未来をつくる実験区 100BANCH」で育まれたもの。この「100BANCH」が実施している、アクセラレーションプログラム「GARAGE Program」で採択され、製品化が進められている。

 発表会で、「100BANCH」を立ち上げたパナソニックの則武 里恵氏は、RGB_Lightを製品化する意義を次のように語った。

 「RGB Lightは、当たり前の世界に居続けていたら、見えなかった価値を提示しています。それは、パナソニックの考え方では、できない商品なのではないかと思います」

 製品化については、パナソニック子会社で、IoT製品の設計・開発から販売までを、シフトールがサポートしている。同社 代表取締役社長・CEOの岩佐 琢磨氏は、「ものづくりをしたことがない、河野さんのようなアートの文脈の人が、こうした製品をつくり出せるというのはいいですよね」と語る。

左から、則武 里恵氏、河野 未彩氏、岩佐 琢磨氏

 なお、7月13日には「100BANCH」(東京都渋谷区渋谷3丁目27-1)にて、「RGB_Light」を体感できる「RGB_Night(アール・ジー・ビー・ナイト)」が、開催されるという。