家電レビュー

天井から風吹くサーキュレーター照明でムワッと熱こもる部屋が快適に

ドウシシャ「CIRCULIGHT(サーキュライト) EZシリーズ 音声コントロール スイングモデル 12畳タイプ DCC-SW12EV」

部屋の空気を循環させて、室温を均一にするのに役立つサーキュレーター。エアコンと併用することで冷暖房効率を高めて節電につながることでも知られています。比較的コンパクトなものが多いですが、狭い空間に置くとやや圧迫感があったり、動線の邪魔になって移動させなければならなかったりなど、ちょっと不便に感じることも。

そんなときは、天井に取り付けられるサーキュレーターが便利です。今回、サーキュレーターとLEDライトが一体化した照明器具、ドウシシャの「CIRCULIGHT(サーキュライト) EZシリーズ」の実機を借りることができたので、魅力に感じた点や使い勝手などをレビューします。

デッドスペースを有効活用できる! ライト一体型のサーキュレーター

お借りしたのは、ドウシシャ「CIRCULIGHT(サーキュライト) EZシリーズ 音声コントロール スイングモデル 12畳タイプ DCC-SW12EV」。サーキュレーター・LEDライト一体型の照明器具で、それぞれ単体で使う、あるいは2つの機能を同時に使うことが可能です。1台2役なので、サーキュレーターとシーリングライトを別々に揃える必要がありません。

サーキュレーター・LEDライト一体型の照明器具

天井に取り付けるサーキュレーターといえば、シーリングファン(シーリングファンライト)を使う方法もありますが、本体価格に加え、取り付けや配線工事、場合によっては天井補強などの設置費用がかかるのが難点です。

一方、本機は特別な工具や工事は必要なし。ネジ留めも不要で、一般的なシーリングライトと同様に自分で簡単に取り付けられるのも魅力です。

引掛シーリングなどの配線器具に製品の引掛刃を差し込んで回し、製品のシーリングカバーを押し上げて回すと、本体が固定されます。実際に作業したところ、重量が約2.1kgと軽量なこともあり、手にほとんど負担がかかることなく、スムーズに取り付けられました。

筆者宅では埋込ローゼットに取り付けました
ネジ留め不要で簡単に取り付けられる

設置したのは自宅の6畳の仕事部屋。本機(12畳用)は直径45cmほどあり、最初に本体を見たときは、部屋の広さに対してサイズが大きいのではないかと思ったのですが、実際に設置すると、さほど違和感や圧迫感はありませんでした。ライトをつけると部屋の中がパッと明るくなり、ファンを回すと隅々まで風が行き渡る感じがあって、むしろサイズは大きめの方が良かったと思いました。

何よりも、床面に置かずに済むので、狭い空間でも邪魔にならないのがうれしいポイント。デッドスペースになっている天井を有効活用できるのも良かったです。

サイズが大きめでもさほど違和感や圧迫感はない

羽根&軸が360度回転して送風! 部屋の中が冷えすぎず、ちょうどいい

本機のファン部分は、360度の首振り機能が搭載されているのも特徴です。羽根に角度をつけると軸が回転し、ファンのユニットがグルッと1周する仕組み。いってみれば、地球が自転しながら公転しているようなイメージです。羽根がクルクル回転しながら、同時にファンユニットも枠内をゆっくり回転します。

【お詫びと訂正】6月27日14時
記事初出時、ファンユニットがフラットな状態では回転しないと記載しておりましたが、誤りでした。本製品のファンユニットはフラットな状態でも回転します。お詫びして訂正いたします。

この360度の首振り機能により、部屋の中にくまなく風が行き渡り、空気が循環します。仕事部屋の空気がこもっていたときに本機のファンをつけたところ、しばらくするとよどんだ感じが抜け、空間がリフレッシュされたように思いました。

羽根に角度をつけるとファンユニットが360度回転する
羽根をフラットにしたところ

床置きタイプのサーキュレーターにも首振り機能付きの製品がありますが、付近に置いてある物や家具などで風の流れが遮られたり、風向きが変わってしまったりなどが起こり得ます。一方、頭上から送風すると、そのようなことは起こりにくくなり、空気が効率良く循環するように思います。

部屋の空気がこもった際に、風を送って循環させるだけでも、あの独特のむっとした感じを解消するのに有効です。実際に、本機のファンをつけるだけで体感温度も下がったように感じました。

ファンをつけるだけで体感温度も下がったように感じた

筆者はエアコンの冷房機能が苦手です。代わりに扇風機を使ってもずっとつけていられないほどの冷え性で、冷えを防ぎながらの暑さ対策が毎年の課題となっています。

その点、本機は、羽根の角度(2段階)、風量(7段階)、ファンユニットの回転速度(2段階)、リズム風、風向き切り替え(上向き・下向き)などを自分好みに設定できるため、冷えすぎないように調整することが可能です。

風量1に設定すると、天井からゆっくり送風されることもあり、時々空気が少し動いていると感じる程度。ファンユニットの回転を止めることにより、風が自分に当たらないようにも工夫できます。さらに、DCモーターが採用されていて、風量レベルが小さいほど運転音も静か。寒がりの筆者の仕事部屋にぴったりのアイテムで、室内がよほど高温にならない限り、筆者なら本機1台で暑さを凌げそうです。

風に当たることで体感温度が下がるため、エアコンと併用する際にも必要以上に設定温度を下げずに涼しく過ごすことができるのではないでしょうか。

羽根の角度は2段階に調節できる。細かな設定で自分好みの送風が可能

なお、本機には専用のリモコンが付属します。上部にはライト(照明)の操作ボタン、下部にはファンの操作ボタンが配置されているユニークなデザイン。ボタンには操作内容が記載されており、説明書を細かくチェックしなくても、直感的に使用できます。

付属のリモコン(全体像)
リモコンのライト(照明)操作部
リモコンのファン操作部

「ライトつけて」「ファンつけて」音声操作機能が超便利

本機には音声操作機能も搭載されています。商品名である「サーキュライト」というワード(または「ボイスコントロールオン」)を発声すると音声認識がスタートし、本体内側に装備されているインジケーターが青色に点灯。「ライトつけて」「ファンつけて」など、あらかじめ決められている命令語を話すと、本機がその通りに動作します。

音声操作では、電源オン・オフに加え、ライトの調光、調色、常夜灯の点灯・消灯、ファンの風量、首振りの傾き・回転といった設定が可能です。ただし、決められた命令語以外には反応しません。音声操作が可能なのはインジケーターが青色に点灯している間(約7秒間)のみ、音声操作中はリモコンでの操作は不可といった点にも注意が必要です。

インジケーターが青色に点灯している間のみ、音声操作が可能

音声操作の利用にはやや制約があるものの、実際に使用してみると想像以上に便利なことが判明。真っ暗な部屋の中でわざわざリモコンを探さなくても、「サーキュライト、ライトつけて」と言うだけで照明がつきます。また、「サーキュライト、ファンつけて」と言えば送風が始まるので、仕事中に両手がふさがっている時にも便利。周囲が静かであれば、声を張り上げなくても反応してくれます。

さらに、Wi-FiやBluetoothなどのワイヤレス接続が不要なのもうれしいポイント。本機を設置すれば、すぐに音声操作機能を使えます。リモコンが見当たらない、電池が切れてしまった、といったときにも役立ちそうです。

天井のあいたスペースを有効活用できる上、照明の明るさや色、サーキュレーターの風量・風向き・角度・回転などを自分好みに設定できる本機は、非常に便利でした。静音性が高く、消費電力も低め(LEDライト:約51W、ファン:約19W)。省エネで使えるのもうれしい限りです。

在宅ワーカーには仕事部屋への取り付けがおすすめ

リビングや寝室など、好きな場所に簡単に設置できますが、筆者のように在宅ワークをしている人には、やはり仕事部屋に取り付けるのがおすすめ。細かい調整により自分好みの風に設定できるため、快適な空間をキープできることに加え、運転音も静かなので仕事もはかどります。照明器具の購入や買い替えを予定している人は、サーキュライトを検討してはいかがでしょうか。

野本 美樹