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パナソニックのナノイー、布団に潜むアレルゲン抑制にも効果
2025年6月26日 16:05
パナソニックは、ナノイー(帯電微粒子水)技術が、寝具表面から1cmの深さに存在するダニアレルゲンを、抑制できることを実証した。また、ダニアレルゲンによる、かゆみや炎症に関する免疫反応を抑制することを、細胞レベルで確認したという。
厚生労働省によると、日本人の約2人に1人はアレルギー疾患を持っており、ダニアレルギーは、その中で2番目に患者数が多いアレルギーだとする。
そのアレルギーのもととなるダニは、布団や枕などの寝具に多く潜み、その数は布団1枚に相当する2m2あたり14万匹以上いると言われている。睡眠評価研究機構の代表・白川修一郎さんは、寝具表面から1cm以内の深さに存在するダニ由来のアレルゲンが、寝返りなどで空気中に舞い上がりアレルギー症状を誘発することで、睡眠を妨げる一因になっていると解説。特に梅雨から夏本番を迎える6月~8月にかけては、ダニが好む多湿環境となるため、増殖量はピークとなるとしている。
同氏は、多くの人が寝具ケアとして行なっている、布団などの天日干しは、アレルゲンへの効果がほとんどないという。というのも、天日干しすると、表面にいたダニなどが紫外線の届かない布団の奥へと逃げてしまうため。一方で、掃除機による吸引や洗濯には一定の効果があるものの、こまめに行なわなければならないため、手間がかかるとする。
そうした寝具ケアのなかで、ナノイーの照射にダニアレルゲンの抑制効果があるのならば、手間もかからず良いのではと、注目しているという。
そこで、寝具の中に潜むダニアレルゲンを、ナノイーによって抑制できるかを、パナソニックと麻布大学獣医学部の福山朋季准教授との共同研究により検証。6畳相当の24m3の空間で、部屋の隅に枕モデルを設置し、その表面から深さ1cmにダニアレルゲンを投入。ナノイー発生装置を内蔵する送風機を稼働した。
結果、枕モデル内のダニアレルゲンが99%以上抑制されていることを実証。また、炎症性物質(サイトカイン)の放出抑制と、かゆみ成分(ヒスタミン)を放出する肥満細胞の活性抑制を確認できた。
プレス向けの発表会場では、模擬的に試薬を使って、枕の繊維の中にまで、ナノイーの効果が達しているのかをデモンストレーションしていた。使われているのは青い酸化反応試薬。ナノイーなどは、酸化作用でダニアレルゲンを抑制しているものであるため、青い試薬の色が変わっていくと、酸化作用を与えていることが分かるという。
なお、パナソニックが福山准教授と共同で行なった検証では、実際にダニアレルゲンを使って、データを取得しているが、ダニアレルゲンは持ち出すのには不安全な物質のため、今回は安全に配慮して酸化反応試薬で代替している。
また、以上の検証は試験空間で実施されたものであり、実使⽤における製品の効果を検証したものではないとする。


