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靴や指輪にも! 「CEATEC 2015」で見つけたバラエティ豊かなウェアラブルたち
(2015/10/9 15:24)
幕張メッセで開催されているIT・エレクトロニクスの総合展「CEATEC 2015」。そのCEATECで各社が多用していたキーワードが、「ウェアラブル」と「IoT」。
多くの製品やコンセプトモデルが発表されている中で、今後のトレンドとなりそうなものやユニークな製品を紹介していく。
バンド部に機能を持たせた、ソニーのスマートウォッチ「wena wrist」
出展を見合わせたソニーだが、クラウドファンディング中のスマートウォッチ「wena wrist」を開発している、同社の「wena Project」だけはブースを設けていた。クラウドファンディングでは1日で1,000万円以上の資金を集め、現在は9,059万円を越えている。
「wena wrist」は大きく3つの機能に絞り込んだ時計。一般的になりつつあるスマートウォッチとは違い、時計のヘッド部ではなく、バンド部分に機能を持たせている。
3つの機能は、FeliCaによる「決済」と、LEDと振動モーターによるスマートフォンの「プッシュ通知」、そして歩数やカロリー数を計測する「活動量の計測」。ヘッド部分は純粋な腕時計だ。
プロジェクトを主導するのは、現在22歳でありながらソニー wena事業準備室 統括課長の對馬 哲平氏。wenaを着想したのは大学生の頃だという。ガジェットが好きな對馬さんは、両手にウェアラブルガジェットを着けて過ごしていたという。だが、そのあまりの不自然さを自覚し、なんとか自然な形で身に着けられないかと考えた。
「時計のヘッド部は、時計の文化や腕時計としての美しさを象徴していますよね。そこは大事にしながら、ガジェットとしての機能を埋め込むとすると、バンド部しかないなと思い立ちました」
ヘッドとバンドに機能を分散させることで、バンド部のバッテリーがなくなっても、ヘッド部は関係なく動き続けるのもメリット。ちなみにバンド部の連続動作時間は1週間で、時計ヘッド部はクロノグラフモデルで約5年動き続ける。
指輪で家電を操作する時代が、すぐそこに!
16Labは、電子部品メーカーのアルプス電気のブースにて、開発中の指輪型ウェアラブルコンピューティングデバイス「OZON(オズオン)」を出展。ジェスチャーコントロールで、家電やPCの操作ができるという。
もちろんスマートフォンと連携すれば、メールや電話着信時に通知してくれ、電子決済や電子鍵機能なども搭載。ワイヤレス給電にも対応する。
シーンに合わせて選べる、ファッション性の高い「Huawei Watch」
通信機器メーカーのファーウェイは、Android Wear搭載のスマートウォッチ「Huawei Watch」の最新モデルを出展していた。
これまでのようなブラックやシルバーなどオーソドックスな色使いのモデルから、金をベースカラーに採用したモデルまでラインナップ。
ヘッド部と合わせるバンド部も、レザーやステンレス、メッシュメタルなどをバリエーション展開。スマートウォッチとしての機能性だけでなく、使うシーンやスタイルに合わせられることを訴求している。
スマートフォンのプッシュ通知に特化した“ちょっとだけ”スマートなメガネ
スマートフォンが大事な電話の着信、メールやSMSを受信した時に、レンズを光らせることで知らせてくれるメガネ「FUN'IKI」。これは、Bluetooth 4.0でスマートフォンと連携させ、専用アプリであらかじめ設定した通知を、内蔵のフルカラーLED 6基でレンズ全体を光らせることで知らせるという仕組み。
38.5gのメガネの中には、通信デバイスやLEDのほかにも、照度や加速度センサー、小型スピーカーが内蔵されている。アプリ開発者向けのSDKの配布も開始されているため、今後、新たな使い道が生まれる可能性もある。
もの作り大国・ニッポンを実感できる部品の数々
「ウェアラブル」や「IoT」などのキーワードに沿った製品を作り出すには、品質を保ったまま小型化された部品は重要だ。製品として完成されたものを展示するのと同時に、それらに搭載されるセンサーなどの部品を供給する、多くのメーカーが出展しているのもCEATECの面白いところ。
メガネの本場、鯖江市と協力して作ったスマートグラス
福井県の鯖江市と言えばメガネが有名だ。その鯖江市と村田製作所とのコラボで作られたのが「スマート眼鏡」。レンズに情報を映すAR(拡張現実)機能を搭載。フレーム脇に配置したダイヤルボタンを使って、家庭内の家電を操作できるという。
メガネの前面にはセンサーを内蔵し、例えばテレビに顔を向けるとテレビの操作メニューが、レンズ内に表示され、ダイヤルを使って電源やボリューム操作が可能に。エアコンに顔を向ければ、エアコンの操作が可能になるという。
さらに腕時計型のウェアラブルデバイスも展示。これは同社の、多彩なセンサーをコンパクトにパッケージングできる技術を訴求したもの。
時計型デバイスの中には、温度/照度/気圧センサーのほか、BluetoothやNFCなどの通信系、ワイヤレス給電用のチップなども内蔵されている。こうした技術を使い、カスタマイズすることで、プロダクツメーカーはより高度でファッショナブルなウェアラブル端末を完成できる。
センサーの小型化で、健康管理にも役立つ
センサーの小型化や省電力化で、色々なデバイスに各種センサーが搭載されている。中でも注目されているのが、健康管理用デバイスへの応用だ。
太陽誘電は、セラミックコンデンサやインダクタなどの生産している。ブースで展示されていたのは、圧電圧力波(脈波)センサーを搭載した腕時計型のデバイス。動脈硬化指数や痒みやストレス、点滴漏れなどを検出できるのではないかと、病院と共同で検証中だという。
先日の記事でも紹介したオムロンの「超小型 貼り付け体温測定技術」も、センサーの小型化によって、24時間、常時体温を測定することを現実にしそうだ。