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シャープ、-2℃で日本酒を楽しむ保冷バッグと純米吟醸酒のセットをクラウドファンディングで募集開始
2017年3月29日 12:22
シャープは、独自技術の「蓄冷材料」を活用した、日本酒専用の保冷バッグを開発した。限定醸造された純米吟醸の雪どけ酒「冬単衣(ふゆひとえ) 4合瓶」とのセットで、クラウドファンディングサイト「Makuake」にて購入の募集を開始。1セット/2セット/6セットのコースが用意され、価格は順に、6,600円、11,000円、31,000円(税込)。400名限定で、1セットを5,600円で買えるコースも用意。商品発送は7月中旬を予定。
独自技術「蓄冷材料」を活用した保冷バッグ。同技術は、社内ベンチャー「テキオンラボ」が、液晶材料の研究で培った技術をベースに開発した。-24℃から+28℃までの温度領域で特定の温度に蓄冷でき、お酒や食品などを、適温で楽しめるという。
今回開発された保冷バッグは、冷凍庫で一晩(約6時間)凍らせてから使用するもの。日本酒の瓶に巻きつけると約30分で温度を-2℃に下げられ、その状態を2時間キープするという。なお日本酒は、あらかじめ冷蔵庫で冷やしておく必要がある。
限定醸造の純米吟醸酒「冬単衣」をセットに。-2℃が飲みごろ温度
セット販売される日本酒は、埼玉県の石井酒造が限定醸造した純米吟醸酒「冬単衣」。-2℃の氷点下を飲みごろ温度としており、一口で異なる3段階の味わいが楽しめるとする。はじめは氷点下のキリッとした味、次に甘い香り、最後に米本来の上品な甘みが感じられるという。
氷点下でありながら、低温すぎない温度帯の日本酒は、氷水や冷凍庫ではキープしにくく、今回開発した保冷バッグでなければ味わえない体験としている。
また一般的に、日本酒は飲む温度が大切な要素になるといわれている。50℃前後の「熱燗」、40℃の「ぬる燗」、15℃の「涼冷え」など、温度帯によって10段階の呼び名が付けられている。しかし、これまで氷点下の温度帯に呼び名は付けられておらず、一番冷たくても5℃前後の「雪冷え」までだった。
今回、氷点下を飲みごろとする日本酒を展開することで、-2℃前後の呼び名を「雪どけ」と命名。冷たい雪が口の中でとけて、香りや甘みが華ひらく味わいが、春の訪れとともにもたらされる「雪どけ」に似ていることから名付けたという。
飲みはじめはひんやりスッキリ! 次第に甘みが広がってコクのある味わいに
実際に、保冷バッグで冷やした日本酒を飲んでみた。今回は、冬単衣が製造前のため、味わいが似ている純米酒「豊明」で試飲。
まずは常温で飲んだところ、まろやかながらもコクがあって美味しくいただけた。
その次に-2℃に冷やしたものを飲んだところ、明らかに口当たりが違い、同じお酒とは思えないほどだった。しっかり冷えているため、キリッとした飲み口はまさに雪のよう。水のように飲みやすくなっていて、ついつい飲みすぎてしまいそうな味わいだった。
しかし、氷点下で冷やしたお酒には飲み方がある。最初のキリッとした口当たりのまま飲み干すのではなく、一度口の中に含んでゆっくりと味わうようにすることが大事だという。
その飲み方に従ってみたところ、最初はひんやりと水のようだったお酒は、じんわりと温まって甘さが感じられ、そのままにしておくと常温のときと同じようにコクがある味わいに。雪どけという言葉は確かにふさわしく、一度で三度美味しい仕上がりだった。
お寿司や酒盗など食事とともに楽しめば、メニューに合わせて飲み方も変えられる。冷たくスッキリとした味わいのまま飲み干したり、口の中でころがして甘みを感じたりと、1つのお酒で何通りも楽しみ方がある。
保冷バッグは日本酒の瓶に取り付けやすく、そのままサーブもしやすいという。繰り返し使えるため、自宅で使う日本酒クーラーにも適している。
なお、雪どけ酒を飲むには、飲み口の広いワイングラスがオススメだという。グラスを持ったときに手の熱でお酒の温度が上がってしまうのを防ぐためと、純米吟醸酒の上品な米の香りをより愉しむためとしている。
冬単衣と保冷バッグのセットは、3月28日にクラウドファンディングサイトで募集を開始したところ、約4時間で支援総額が100%を達成。現在は200%を越えており、支援者は増え続けているという。プロジェクトは6月28日までで、商品発送は7月中旬を予定。