家電製品ミニレビュー

スチームの量で選ぶなら、やっぱりティファールのアイロン!!

 家事と言えば洗濯物を干すことと、衣服のアイロン掛けしかしていない。おかげさまでアイロン掛けについては慣れてきて、面倒くさいなぁと思うことは、ほとんどなくなってきた。

 そんな家庭の事情もあり、引き続き多様なアイロンを試させてもらっている。今回はティファール (T-fal)の「スマートプロダクト」。これまで同社のアイロンをキチンと使う機会がなく、1カ月に渡って使うのは初めて。その使い心地をレビューしていく。

ティファールの「スマートプロダクト」
メーカー名ティファール(T-fal)
製品名スマートプロテクト「FV4970 JO」
価格(編集部調べ)11,664円(Amazon)

 初めて持った時の印象は「大きいなぁ」というもの。これは、水タンクの容量が270mlと大きいためだ。例えば、パナソニックの「Wヘッドアイロン カルル NI-WL703」の容量が約150mlなのと比べると、その大きさがわかりやすい。

 スマートプロテクトの場合は、アイロンを立たせるためのスタンド部があるために、より大きく見える。だが、本体自体の重さは約1.3kgと、それほど重くはない。

初めて持った時は、大きいなぁと感じた
横から見たところ
真正面
真後ろ
真上から見たところ

 注水口は広く、蛇口から直接水を注いでも失敗することはない。ザ〜っと勢い良く入れれば、一瞬で注水をMAXまでできてしまう。ただ筆者の場合は、一回にアイロン掛けするのは、多くてもシャツ5〜6枚程度。このくらいだと、MAXまで水を入れる必要がないことが、使っていくうちに分かっていった。

注水口は広く、蛇口から直接でも入れやすい
MAXまで入れたところ

じっくりと動かしながらシワを取っていく

 実際に使ってみると、やや本体の大きさが気になる。特に前身ごろの襟に近い細かな部分は、取り回しに気を使う。アイロン掛けする前に、しっかりと手アイロンでシャツを伸ばしておかないと、アイロンシワが出来てしまうこともある。

 逆に身ごろの広い部分を掛ける時には、掛け面が広いこともあり、一気にシワを伸ばしていける気持ちよさが味わえる。

 では、アイロンの滑りの良さはどうか? 最近は、滑りの良いアイロンほど良いアイロン、というトレンドになっている。その基準で、パナソニックや東芝の上位モデルと比べると、残念ながらそれほど滑りの良さは感じられない。

 だが、滑りすぎないから、自然とゆっくりと動かすことになるのは、悪いことではない。ゆっくりと動かした方が、シワがしっかりと伸ばせるからだ。

細かい部分のアイロン掛けには慎重さが必要
ボタン周りは少し面倒
身ごろ部は、一気にアイロン掛けできて気持ちいい

スチーム量は半端なく強力!

 特に大きな問題も感じずに、しばらく使ってから気が付いた。このスマートプロテクトには、温度調節機能がない。正確に言えば、エコモードとノーマルモードとがあるのだが、エコモードの表面温度は116〜133℃、ノーマルモードでは131〜149℃とある。ちなみに、一般的なアイロンでは、綿や麻などは温度設定を“高(200℃前後)”に設定するように推奨している場合が多い。

 つまりスマートプロテクトは、あまり表面温度を上げられないのだ。その分、生地を傷めるリスクが下がるが、高温に頼れないため、シワをしっかりと伸ばすには、アイロンをじっくりと動かすようにしたり、スチームを効果的に使わなければいけない。

 そして、このスマートプロテクトの長所は、何と言っても“スチームのパワー”。面の全面に、まんべんなく配置されている大小68個のスチーム孔から、スチームを噴き出してくれる。

 スチームを使う時には、スチーム切り替えレバーを切り替える。レバーを“入り”にすれば、スチームアイロンとして、連続的にスチームが出てくる。さらにハンドル部のジェットスチームトリガーを引くと、最大90g/分の強烈なスチームが一気に噴出される。トリガーを引くとバフッ! という音とともに、アイロンを持つ手に手応えを感じるほど。

 このパワフルさは、パナソニックや東芝の上位機種と比べても圧倒的にパワフル。スチームの量を重視するなら、やはりティファールは強い。

特殊セラミックを採用した掛け面。大小68個のスチーム孔がある
スチーム切り替えレバー
サーモスタットランプが消灯するのを待ってからスチームする
ジェットスチームトリガー
トリガーを引くと、心地よい手応えと同時にスチームが噴出する

 強力なスチームによって、シャツのシワが伸ばしやすくなるのは言うまでもない。4-5回くらいは連続してスチームを掛けても問題ない。以降は、徐々にスチーム量が弱まるが、また少し待てば復活した。

アイロン掛けに、ゆっくりと時間を掛けられる人にはいい

 前述のようにスマートプロテクトは、綿や麻などの服をアイロン掛けする時には、いつもよりもじっくりと手元を動かし、スチームやミスト(霧吹き)機能を有効に使ってアイロン掛けしよう。

 もしくは、シワ取りスプレーやスムーザーなどを使いながら、アイロン掛けすることをオススメする。

ハンドルの上部に設置されているミスト用ボタン
ミストの吹き出し口

河原塚 英信